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【第二弾】インスタント小説集  作者: 三色団子


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間に合わない

一生ぐちぐち言います


 お礼の言葉を置き去りにしてタクシーから飛び降り病院へと駆け出した。


 入り口の自動ドアの開くスピードさえもどかしい。


 受け付けの人に尋ねると病室の番号を伝えられ、「まさか」心が逸った。


 エレベーターのボタンを押したがいても経ってもいられず、階段を駆け上がる。


 息を切らしながら病室のドアを勢いよく開けると、目を閉じてベッドに横たわる妻の姿があった。


 ——間に合わなかった。


 がくっと膝が崩折れそうになるのをなんとか堪える。


 一縷の望みにかけて、恐る恐る近づくと、妻の目がぱちりと開いた。


「遅かったじゃん」


 ——ごめん。


「元気な男の子だったよ」


 ——ありがとう。


 どちらも同時に出てこようとして、涙が溢れた。


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