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【第二弾】インスタント小説集  作者: 三色団子


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近所の歯医者


 近所にあるよく行く歯科医院に勤めていた医師が、麻薬の所持と売買の容疑で捕まったというのを、病院の前で受けたインタビューで知った。


 俺はその先生に非常にお世話になっていたから、驚きが隠せなかった。


「まさかあの人が……」


 顔を青ざめる俺にマイクを向ける無神経なインタビュアーは、「本当に知らなかったんですか」なんて追い打ちをかけてきた。


「知りませんでした」


 俺は拳をぷるぷると震わせていた。


「とてもいい人で、こんな俺にも親切にしてくれたんです」


 金がない俺に仕事を斡旋してくれたし、色々と融通を利かせてくれたし、便宜まで図ってくれた恩人である。


 だからてっきり俺はそれが彼の表向きの身分で、体のいい隠れ蓑に使っているだけだと思っていた。


「知らなかったんです。まさか彼が本当に歯医者だったなんて」


 俺はこの先いったい、誰から薬を買えばいいのだろう。


 そう思うと拳の震えは止まらなかった。


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