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【第二弾】インスタント小説集  作者: 三色団子


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花束


 花束を抱えて歩いていた。それに意味はないし、別に冠婚葬祭とかでもない。


 ジロジロと視線が刺さって、ちょうどきたタクシーを止めた。


 道行く人は全員酔っ払いだが、それでも恥ずかしいことに変わりはない。


 タクシーに乗り込んで、住所を伝え一息吐いた。


「何かお祝い事ですか」


 バックミラー越しに目が合った運転手が話しかけてきた。


 なんと答えたものか、詮索されるのもだるいなと、「ええ、まあ」なんて曖昧な返事をした。


「そりゃいいですね。じゃあ今日はおまけしときますよ」


「いやいいですよそんな」


「まあまあ、いいじゃないですか減るもんじゃなしに」


「じゃあ、まあ、お言葉に甘えて」


 言えない。キャバクラで客からもらったなんて。


 言えない。今月に入って三回目の割引だなんて。


 胸にもやっとした異物感を覚えてまた、溜め息を吐いた。


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