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【第二弾】インスタント小説集  作者: 三色団子


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普通になりたい


 普通になりたいの。でも普通が分からないの。


 はじめて食べたのはお父さんだった。


 血は甘くて、肉は濃厚で、内臓は噛むほど味がして、骨はどれだけしゃぶってもまったく飽きなかった。


 私のせいじゃない。私だって衝動を抑えられない被害者だもん。


 あ、あの子美味しそう。


 走り出しそうな太股をつねって堪える。


「人間じゃないの産んじゃった」


 飛び出しそうになる度に、お母さんの言葉が頭を過る。


 泣き崩れて弱々しく抵抗するお母さんのお肉は涙が出るほど美味しかった。


 親指を咥えて爪を噛む。美味しそうおいしそうオイシソウ。


 あれを食べたら、私もあの子になれるかな。


 そしたら私、普通になれるかな。


 お母さん、泣き止んでくれるよね。


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