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【第二弾】インスタント小説集  作者: 三色団子


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人でなし


 高層ビルの屋上から飛び降りた瞬間、何かに腕を掴まれた。


「なんで」


 上を見ると人間モドキの伸びた手が俺の腕を掴んでいた。


 振りほどこうにも力で敵うはずもなく、無責任にも引き上げられてしまった。


「死んじゃだめだよ」


「お前に何が分かるんだよ。はじめから化物だったお前に」


 怒りに呼応して皮膚が硬化しはじめ、尾てい骨のあたりがむずむずする。


「分からないよ。でも君が死んだら、私は一人ぼっちになっちゃう」


 そりゃそうだろ。お前のせいで俺は人間モドキになったんだから。


「人でなしのくせに」


「そうだよ。でも心はまだ人のつもりさ」


 それなら俺はとっくに人でなしじゃないか。


「だから人であろうともがいているんでしょ?」


 彼女は俺の手を引いて「選んでいいよ」ビルの淵に立った。


「落ちるなら私も連れてって。それがだめなら一緒に生きて」


 彼女の体を引き寄せた俺は、まだ人でありたいらしい。


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