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スキル「執事召喚」でコトリは異世界を優雅に歩く  作者: 阿井りいあ
二章

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56 執事会議(sideフェイビアン)


 アレクサンダーに紹介されたという場所まで移動した後、先に魔石について話をつけてくるからとコトリ様に頼んで一時的に帰還させてもらう。

 コトリ様としても魔力を完全に回復させてからみんなを召喚したいというので一石二鳥ね。


「おかえりなさい、フェイさん! どうでした!?」

「エミル、落ち着きなさい。ちゃんと説明するから」


 執事界に戻った瞬間、駆け寄ってきたエミルの頭を片手で抑え込む。まったく、突進癖はやめてほしいわね。


「あとで全員を呼んで夕食をするんですって。すでに呼ばれたことのある執事だけだけれど」

「えっ、本当!? やったぁ! フェイさんが食事の準備をしてくれるんですよね? ボクも手伝いますね!」


 勝手に話を進めて……まぁ、そうだけれど。

 エミルったらコトリ様に完全に絆されたわね。傾倒しているじゃないの。

 万が一、裏切られたらショックは計り知れないというのに、警戒心のないこと。


 ただ、まぁ。つくづく変わったご主人様だとは思うけれど、人を裏切れるような器じゃないわね。むしろ危なっかしくて、本当に調子が狂っちゃう。


 はぁ、食事を作る量を増やさなきゃいけないじゃない。執事たちは食べる必要なんてないけれど、コトリ様の指示なら従うしかないわね。


 別に、作るのが嫌ってわけではないわ。妙な気分ってだけ。

 やだ、このあたくしが楽しみに思っているっていうの? 冗談きついわ。


 それはさておき、コトリ様が回復して執事たちを召喚する前に、「これ」について執事たちに共有させておかないと。


 あたくしは手に例の魔石を取り出しながら、執事全員を集めてことの経緯を伝えた。


「うわぁ、コトリ様に魔石を持っててほしそうだよね。すっごく怪しいっ! やっぱり変態ジジイなんだっ!」

「言葉遣いが悪くってよ、エミル。それに、まだ完全に敵と決まったわけではないわ」


 どこまでいってもエミルはあの貴族が気に入らないようね。あたくしだってあの男のことは怪しんでいるけれど、感情だけで判断するのはよくないもの。


 特に貴族は、利用価値がある。

 今後、他の貴族に狙われないためにも、後ろに公爵家がついているというのはコトリ様にとってもメリットになるわ。


 ただ、それを許せるかどうかの判断はまだつかない。

 この魔石をどういった意図でコトリ様に持たせようとしたのか、本心はどこにあるのか。

 何かを企んでいるような気がするのよね……。


 わからないうちはこっちだって何一つ譲れない。

 ご主人様を守るのがあたくしたちの本懐なのだから。


「こそこそと魔石を持たせようとしている時点で敵ですよ」

「アレクサンダー……あんたもなの? まったく、もっと第三者の視点から冷静に話せるヤツはいないのかしら」

「オレっちは冷静だし! コトリ様に敵意があるヤツは敵!!」

「ドムは黙っててちょうだい」

「なんでだよーっ!」


 はぁ、馬鹿ばっかりで嫌になるわね。ご主人様至上主義は今いらないのよ。脊髄反射で発言するヤツは論外。

 感情だけで物事を決めるヤツらばっかりでうんざりするわね!


「俺もそういう、頭使うようなことは苦手だからなぁ。ま、解析とやらがすんでから判断すればいいんじゃねぇか?」

「僕もそう思う」

「あら、バリーとチャズは話がわかるわね。あたくしもそう思うわ。だから一度預かってきたのよ」


 まず、この魔石に怪しい部分がないかを調べてから判断しても遅くはないはず。

 同じ考えを持つ執事が二人はいて安心したわ。


「もし盗聴の類が仕掛けられていたら、あの貴族を潰すことも念頭におかねばなりませんね!」

「そうなったら、容赦しない……」

「……アレクサンダーはともかく、チャズが言うと洒落にならないのよ」


 敵だと認識したらやばいんだったわ、この子。

 まぁ、それは全執事共通だけれど。


「いずれにせよ、わかったら行動する前にコトリ様に報告だぞ。俺たちは勝手な行動なんざ出来ねぇんだからな」


 バリーが冷静で助かるわ。声と身体が大きいというだけで説得力が出るもの。

 自分は頭を使うのが苦手とは言うけれど、判断力と統率力があるみたいね。


「と、いうわけで。分析をお願いするわ。コトリ様に何か伝言はある? まだ召喚される前でもそのくらいなら許されるはずよ」


 深い青髪の執事に早速魔石を渡すと、彼は奪い取るように魔石を掴んでブツブツと独り言を呟き始めた。

 嫌ね、もう何も目に入らないみたい。知識欲を刺激されたのでしょう、すでに魔石に夢中のようね。


 こうなったら満足のいくまで調べないと誰が何を言っても無駄。ああ、ご主人様に呼び出されれば別だけれど、碌な話は聞けないかもしれないわね。


「相変わらずですね、彼は。明日にでも終わりそうです」

「あるいは一週間ほど時間をかける可能性もある。何かが仕掛けてあれば、ね」

「へぇ、それは……楽しみですね」

「やめなさいよ、その顔。ゲスいわよ、アレクサンダー」


 アレクサンダーやエミルなんかは、よくない何かを見つけたほうが都合が良さそうね。

 よほどあの貴族を敵とみなしたいみたいだもの。


 まぁいいわ。好きにすれば。あたくしには関係のないことよ。


 魔石の分析は頼んだことだし、あとは今晩の食事の準備をするのがあたくしの仕事。


 待ってなさいよ、コトリ様。あたくしのすごさをもっと思い知らせてあげる。


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次回!コトリに執事の手が! 「『わからせ』というのがどういう事か教えてあげるわ…」 「はわわわわ…!」 どうなるコトリ!?
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