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こちとら命懸けてねぇんだわ。  作者: もち。
森とのつきあい方
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さて、情報を整理しようと思う。

まず親父の冒険譚だが、朝起きて外の異常に気付いたが流石にいきなり飛び出すほどの浅慮はしなかったらしく、とりあえず誰か起きてこないかなぁとリビングで待ってはいたのだが、好奇心に負けてちょっとだけ、ちょっとだけとか言いながらこそこそ一人で出かけたらしい。

で、森の植生は普段歩く山とそう違いはないが、ところどころ見たことのない植物もあったとのこと。

そして地面はでこぼことした凹凸はあるものの、山に比べて起伏は少ないため歩きやすいと感想を漏らした。

森の木々は往々にして立派なものが多く、何なら枝の上に避難して過ごせそうとも言っていた。

ん?それは何か。野宿的な話をしているのか?マジかよこの爺。

まぁのったりくったり歩いて周囲を観察していたが、そろそろいい加減誰か起きてきてるだろうと思って一度帰ろうと思い、ターンを決めて帰宅している最中に、それは襲撃を掛けてきたそうだ。


なんか、緑色の小人みたいな、ホラーゲームの雑魚キャラみたいなやつがこん棒みたいな太ましい木の枝を振り回しながら聞き苦しい奇声を挙げつつ襲い掛かってきたそうな。


いや、そこはゴブリン的なやつって言えよ。

なんでホラーゲーで例えるんだよ。やめろよ。


そしてやっぱりいるのかモンスター。いない系異世界がよかったよ。

なんでいるんだよ。

無理だよ積んだよふざけんなよ。

戦えるわけないじゃないか!と思うものの、出掛ける際にせめてもの武器として洗面所に置いてあった制汗スプレーを持って行っていたのでこれは死ぬやつ、と思いながらも相手の顔面目掛けて噴射したそうな。


ああ…目にスプレー入ったらそりゃ激痛だわなぁ、としみじみと思う。

そうして、とんでもない悲鳴を上げて脱兎で逃げていく劇的な展開に、腰を抜かしそうになりながらもそこからダッシュで帰宅した、という事らしい。

しかし制汗スプレー優秀だな。単体で十分攻撃力あるじゃないの、見直したわ。

ストックあったかな。

手持ちで歩くには実際少々邪魔ではあるが、重さはない分ハンマーより楽だろうし、悪くないチョイスだと思う。


で、取得スキルの確認を再開した。

ちなみに、スキル画面もお願いしたら人数分に分裂してくれた。

顔の前に画面持ってこれるのいいね。楽だ。


じっくりと確認したところ、未確認だった取得スキルがいくつか発見される。

【言語翻訳】【自宅修復】【インベントリ】の3つだ。

言語翻訳はそのままだろう。

きっと異世界語がわかるようになる素敵スキルだ。

そしてこれがあるという事は言葉を介する知的生命体がいることを示唆している。友好的であれ。

だが、いつエンカウントできるの?森の中に集落でもあるの?どうなの?森出てからじゃないとエンカウントできないとなればお目にかかるまでに随分掛かりそうだ。

自宅修復もまたそのままだ。家が直る。

とはいえ、結界があるというのならそうそう壊れるような憂き目には合わないのではないのか?と思う。が、だ。今現在も傷んだところを修復しつつあるらしい。

それは助かる。そこそこ築年数は立っているから、断熱材とか剝がれかけているところがあるんだ。直しておいてくれ。是非。

で、あとはインベントリ。これはあれだ。所謂アイテムボックス的なものだ。

憧れの、アイテムボックス!

「おお、インベントリとか最高じゃないの」

「これでおうちの片づけ問題から解放されるのね!」

母と共に沸いていたら、

「でもこれ容量3kgってなってんぞ」

たいしたもん入らねぇなと海が吐き捨てる。

「レベルの乗算なのかねぇ」

「結局レベル上げないと活躍しないのね……」

目に見えてがっかりした様子の母ではあるが、3kgでもないよりはよほどいい。

飲料関係の持ち歩きに便利だし、なんなら着替えなんかも入れておける。

タオルとかあると汗かいた時なんかにも便利だし、なんやかんやで3kgも入れば荷物は最小限に抑えられるはずだ。

以上で取得済みスキルは全部だ。

はぁ?である。攻撃は、防御はどうした。

モンスターいるでよ。

どうしろと言うのだ。武術経験なぞ誰一人としてない、そんな一般家庭の家族ぞ?何か救済措置が必要だとは思わないのか?ふざけてんの?クソゲーなの?


そうなると今後の方針として取得していくべきスキルの優先度を決めていかなければならない。

様々な意見を出し合った結果、やはり誰ひとりとして戦闘行為などできないと結論付け、戦闘にならないように散策を行えるようにする方向性で決まった。

ちなみに、基本スキルと呼ばれるスキルは1レベルにつき1つ取得できるそうだ。

それから発展形スキルとか、なんか成長系スキルとかがあって、それらはまた消費レベルが増えるらしい。

まぁとりあえず目下基本スキルで生き抜くしかないのだろう。

そして基本スキルなら現段階で親父が命懸けで稼いだ3レベル分ある。

ありがたく消費しますごちそうさまです。


そして、今後の生活を支えていく為にも必要なスキルというものも話し合う。

その中でこれだ!と言えるスキルが一つ。

【ショッピング】だ。

これがあればきっと物資不足から解放されることだろう。

だが、だ。これカード払いできます?現金のみ?今お財布の中身って全員合わせてお幾らよ。

そこら辺が不透明な為に、先に散策してレベルに少しばかりの余裕を持たせてから、と言う結論に達する。


そうなると、散策用スキルとして【ステルス】と【シャドウウォーク】というものを取得すべきだとなった。

ステルスは気配を絶ち、対象から認識されなくなる超隠密スキルだ。絶対必要。シャドウウォークは文字通り忍び足。足音を消して移動できる。

ついでに足跡も残らないそうだ。完璧じゃないか。我々はスネークになる。


が、だ。世の中そう甘くないわけで、この二つのスキルに限らず身体能力系スキルを取得する為には大前提で取得しなければならないスキルが存在した。

【身体能力向上】これだ。

いや、まぁ、ね。解らなくもない。

たいした身体能力値のない人間が、そんな隠密ですかみたいな身体捌きなんて普通できないものね?となれば、そこの基本的な能力向上があってしかるべきなのはね、理解できるのよ。

でも、そこまでリアルな話にしちゃうわけ?それ取ったらもう3レベル分全部消費しちゃうわけよ。おわかり?無情すぎない?慈悲はないのか。

そしてその身体能力向上のスキルの取得に関して、さらに恐ろしいことにこれ注意文がついてるのよ。


『このスキルを取得するときは、安静にできる場所で着座、または横になって行うようにしましょう』


って。ホワイ?

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