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ザコの僕には無理だと思うのですが  作者: 柚穐
4章 変化の時
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褒めそやされる

ザクスは現在の状況に疑問を感じていた。なぜ、自分の評価を聞かされるのだろうか。自分の評価を自分でして終わりでいいのではないかと今まで感じていたし、虐められていた時のその時の評価そのままで問題ないと思っていた。そして、顔を突き合わせて話しているのは状況報告と、事実確認、いや、意思確認のみのはずだった。それが告白?タイムになり、そしてザクスが自分が嫌いだという認識を認めさせられたうえでさらに何かされるという状況に混乱も生じ始めている。


軍に入ってからの周りの評価は気にしていなかった。


「隊長はあたいらの隊で十分に隊長にふさわしい。呪いと皆に認識されている制限を抱えてなお、もがいている姿は尊敬に値する。あたいなら耐えられないし、その状況で、制限のないものに勝つ努力を惜しまない姿勢は素敵以外の何物でもない。とあたいは思っている」


「クー姉の言う通りで、うちはクー姉に手合わせで瞬殺されたことは何度もあるし、いまだに完全に防げないのに、ザクスは完全にクー姉の瞬殺の手は全て読みつくしている。これを見ても超人」


「そういわれても、僕はここにいる誰かに追いかけられたら逃げられませんし、抑え込まれたらもうどうしようもない、手のひらでもてあそばれる虫や小動物のようなダメな存在ですよ」


「小動物は可愛いのです。ザクスさんも可愛いのです」


「わたしは凄く考えているザッ君はすごいと思うし、わたし達に対する紳士的な態度はキュンってくる」


「わたしもザクス様の生き様や、変化する表情は好きですわ」


「真面目。責任感強い。努力を怠らない。驕らない。皆にやさしい。笑った顔が可愛いし素敵。それらはうちを虜にする」


「わたしはザッ君のはにかんだ顔も好きですよ」


「ザクス様の調合技術や材料の採取技術もザクス様を引き立てる物だと思いますわ」


「罠の設置、解除の知識や技術もすごいの。それに、その作業している横顔は人を虜にするのに十分だと思うの」


「隊長の『ノンエンカウンター』は唯一無二のスキルだし。それでどれくらいの人を助けて、戦果、功績、名誉、栄誉が得られるか。あたいの嗅覚や気配の察知能力では全く勝てないし」


「ザクスの分析はためになる。いっぱい気が付く。よく見てるし覚えている」


「ザクス様の教育はすごくわかりやすかったですわ」


「もうそろそろやめないか。僕の体がむずがゆくて仕方がない」


「そんなザッ君も素敵。」


とリスタがザクスに抱き着く。ザクスは引き離そうとする。


「わ、わかりましたから、ここにいる皆さんは僕のことをどう評価してくれているのか理解しました。覚悟は決めました。決心しました。皆さんには幸せになってもらえるように努力しますよ。」


「あたいらの気持ちを理解してくれてすごく嬉しいよ。今後とも長くよろしく。」


「……よろしくお願いします。」


クレスタの挨拶に何か含んだ挨拶をザクスは返した。


次の日、朝の訓練を終えてから、ザクスと5人は奴隷商人の店に行った。そして、5人を待たせて、店の主人と別の部屋に行き、会話をする。しばらくしてから、店の主人と共にザクスは5人のところに戻ってきた。


「では主従契約を交わしますよ。ザクス様、1人ずつ契約魔法を使用する必要がありますので、こちらに一人ずつ呼んでいただけますか」


「わかりました。では、クーさん来てもらってもいいですか?」


「あぁ」


クレスタは奴隷紋が刻まれた首の下を広げて見せた。そして、ザクスは左手を差し出して、その紋に触れる。


「奴隷紋に主人の情報を書き込みます」


店の主人の魔力が高まり奴隷紋が輝く。するとザクスの左手に別の紋様が浮かび上がった。


「主従契約が終わりました」


「ありがとうございます。まずは一人目ですね。続けて魔法を使ってもらってもよろしいでしょうか。残り4人ですが」


店の主人が頷いたのでザクスが次の人を呼ぶ


「次はディナ、来てください」


「わかりましたわ」


エンディーナはスカートの裾をあげて右の内腿に刻まれている奴隷紋をあらわにする。ザクスは屈み込み、エンディーナの奴隷紋に左手を添える。それを確認した店の主人は魔力を高める。


「では行きますよ」


エンディーナの奴隷紋とザクスの左手の紋様が輝き、そして、その輝きが収まる。


「つぎはハナ」


「はい」


ハナカは上着を脱ぎの左肩に刻まれた奴隷紋をさらす。ザクスは同じく左手で触れ、主人は契約魔法を実行する。前の二人と同じく二人の紋様が輝く。終わった時、ハナカは少し首をかしげる。何か違和感を感じているようだ。そこでザクスを見るので少しザクスも首をかしげ、何があったかと言う表情で見つめ返すが、ハナカは首を振って大丈夫だという表情に直り、離れたので次に移る。


「つぎ、パティ」


「はいなの」


パティは背中にある奴隷紋をさらし、ザクスはそれに触れる。同じく契約魔法により、紋様が輝いた。終わった後、パティは何かに気が付いたようにザクスを睨んだ。ザクスは睨まれた理由がわからず店の主人にすがった視線を向ける。店の主人は「大丈夫ですよ」とザクスの肩に手を置くのでパティに視線を戻すが、まだパティは睨みつける視線をザクスから離さない。なぜ睨まれるのか理解できていないザクスは視線を外さず、見つめ続けようとしたところで、店の主人に次を促され、ザクスの方からパティのそばを離れた。ザクスが離れたことによって移動したが、パティは睨みは外れなかった。


「最後はリスタ」


「はい」


リスタはへその下に刻まれた奴隷紋をさらし、ザクスはそれに触れる。店の主人は少し疲れた感じを見せつつも魔力を高め契約魔法を実行する。二人の紋様が輝き、契約魔法が完了したことが確認される。するとリスタの目から涙がこぼれた。


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ザコの僕には無理だと思うのですが1章~サイドストーリ~
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