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おはようございます。
小学校に入学してから早4年。店の仕事もほとんど全部ができるようになってきて、学校では陽キャとして学校生活を充実してます。ほんとですからね?
ただ一つ、困ったことがあって........
「まぁた呼び出しだよ...下駄箱に手紙っていつの時代なんだか......今度は昼休み?たいてい放課後なんだけどね...弁当食べるの間に合うかな?」
小4にして、既に10回近く告白されているのです。えぇ。私が可愛すぎるのが悪いんですね。ついた二つ名は”初恋ブレイカー”。はい。全部断っているせいですね。あとこれ以上言うと私がナルシストみたいになるのでやめときましょう。
まぁとはいえ実際に色恋に巻き込まれているのは事実なのです。そもそも私は転生者。しかもTS。つまり、どうしても男子を恋愛対象にできないわけです。逆に小学生のの少女を食うほどロリコンでもないですけども。
まぁそれでも呼び出されて行かないというのもあれなので、一応行きますが。
◇
「はい、じゃぁ今日はここまでにしておきます。ここの部分だけでも覚えて帰ってくださいね。では学級委員さん、号令。」
「起立.........礼。ありがとうございました。」
「「「ありがとうございました。」」」」
さて、4時間目の授業が終わりました。私は屋上に行かなければなりません。面倒ですね。はい。
階段を上がり、屋上の重厚な扉を開ける。こっからはちょっとだけ警戒して行く。一回、彼氏側が私に惚れたとかなんとかで彼女さんに恨まれて色々とあったからね。本当に色々あった。
案外手入れされている屋上の扉を開け、屋上に出る。
そこには、一人の男子くんがいた。確か、一個上の先輩だったっけな?
「あ、あの......陽奈香...さん。」
どうしよう、この子の名前覚えてないんだよな。まぁどうにかやりきろう。あれ、私って案外クズ?
「......どうしたの?」
と言っても、まぁ大方分かり切っているんですが。
「僕...陽奈香さんのこと、ずっと好きでしたっ、付き合ってください!」
「...ごめんなさい。」
「..................え?」
「あなたとは、付き合えない。」
突き放すようになっているが、こうでもしないと勘違いさせてしまう。それはどちらにとっても良くないことだと私は考えてる。美少女の宿命っていうやつかな。ははは。
そんなことを考えながら背を向け、歩き出す。
「あなたが、あなたにとってより相応しい人と幸せになれると、私は信じていますよ。」
出来る限り優しい声音でそう言って、扉から屋内に入っていく。
案外、この断るっていうのもストレスが溜まる。でも私は、男として暮らしていた記憶があるまま女の子に転生した。このこじれのせいか、恋愛という感覚がもう薄くなっちゃってる。
あとなぜだか知らないが、個人的に犬っぽい性格の子は苦手なんだよ。すまないね。
私らしからぬ真面目な考えを脇に捨て、昼食を食べるためにクラスへ戻る。
◇
「あ、陽奈香ちゃん、どこ行ってたの?ほんと、すぐにいなくなっちゃうんだから!」
「あはは、ごめんって。ちょっと用事があって。」
この子は友達の柊 夢叶。入学したころからの私の友達で、なぜか毎回クラスが一緒。快活な子で、他の人からの人気も高い。
「へぇ。そうなんだ。で、結局断ったの?」
「ちょ、もう情報回ってるの!?」
そして彼女は、学年一の情報屋である。
「いや?私の独自ルート。まだ広まってないから安心しな?で、どうなの?」
「まぁ分かりやすく言えば、断ったね。うん。断った。」
「告白の結果ってそんな曖昧になるもの...?」
彼女の、普通なら持ちえないような圧倒的な情報量と速さに勝てる人はいない。すべては彼女に知られている。そう思ってもおかしくないような情報速度だ。学校中の監視カメラをハッキングしているとも、学校中に盗聴用のマイクを仕込んでいるともいわれている。真相は定かではない。
「でも、ほんとなんで陽奈香ってあんな告白断るの?一回くらい誰かと付き合っちゃえばいいのに。」
「こっちにも色々と言えない事情があるんだよね。」
「いいじゃん教えてよ陽奈香~!」
「だーめ!絶対教えない!」
まぁTS転生したなんて言えるわけないし、ね?




