表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
問題児雪だるまレイ  作者: 雪だるま


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/16

妹誕生!そして即マウント!!



それは、とある吹雪の夜のことだった。


「のだぁああああああ!!!

吾輩は下の者が欲しいのだぁ!!

誰かに威張りたいのだぁ!!妹が欲しいのだぁああ!!」


氷の宮殿の天井が震えるほどの大声で、レイは地面に転がっていた。

仰向け。手足をばたつかせながら、床を蹴り散らす。


「吾輩は長男なのだぁ!たぶんなのだぁ!!

とにかく!可愛い妹にマウントしたいお年頃なのだぁああ!!」


その願いは、数日間――

いや、数週間にわたり続いた。


食事のたびに泣き、

風呂のたびに喚き、

かき氷のシロップの色が気に入らなければ「妹がいないせいなのだぁ!」と訴え、

ついには地下牢の囚人たちに署名を求めて回った。


「のだっ!?署名なのだぁ!『妹を作ってあげてください』って書くのだぁ!書けぇぇ!!」


囚人たちは凍えた手でサインさせられた。



そして、ある日。


雪の女王はついに――折れた。


「……わかりました。レイ。妹を作ります」


「のだっ!?ほ、ほんとにっ!?

やったのだぁああああああ!!!

これで吾輩の王国が完成するのだぁああ!!!」


「……ただし、“あなたと同じようなもの”です」


「のだっ♡完璧なのだぁ♡♡♡」



数時間後。


雪の女王の手から、新たな命が生まれた。


それは、小さな雪の塊――

レイよりもやや小柄で、丸っこいフォルムの雪だるま。

目にはまばゆい氷の粒、鼻は可愛らしい小さな人参。

ふわふわの銀色のリボンが首に巻かれ、優しげな雰囲気を湛えていた。


「……はじめまして、お兄ちゃん」


それが、妹・スノレイナだった。


「…………のだっ」


レイは彼女を凝視した。


一秒。


二秒。


三秒。


そして、突如――


「…の、ののののだぁ!?

お馬鹿なのだぁ!ぷぷぷ……恥ずかしいやつなのだぁ!!

アーハッハッハッハッハッハ!!!」


腹を抱えて笑い始めた。


「のだっ♡おっそいのだぁ!

歩き方がよちよちしてるのだぁ!バランス悪いのだぁ!

リボンが似合ってないのだぁああ!

おまけに声が可愛すぎて恥ずかしいのだぁあああ!!!」


スノレイナはぽかんと見上げていた。


レイは周囲をぐるぐる回りながら、自作のラッパ(氷の筒)を吹き鳴らした。


「妹誕生祭なのだぁああ!!

でも完全に吾輩の方が上なのだぁ!!

可愛さも賢さも雪の質も鼻の大きさも全部勝ってるのだぁああ!!」


「えっへん!えっへん!

これが兄というものなのだぁああ!!」


女王は額を押さえていた。


「……レイ、彼女は生まれたばかりです。静かにしてあげなさい」


「のだっ!?だってだってだってなのだぁ!!

やっと吾輩に格下ができたのだぁああああ!!!

今こそ兄としての威厳を発揮するチャンスなのだぁああ!!」


妹は、静かに雪の女王の影に隠れた。


レイはラッパを掲げた。


「よいか妹よ!!

吾輩は兄として、お前の教育係なのだぁ!

今日からマウント三昧の人生が始まるのだぁあああ!!!」


その瞬間、天井の氷が一部剥がれ落ちた。


あまりのうるささに、建物が耐えられなかったらしい。



その夜。


レイはふかふかの雪ベッドに寝転がりながら、頬を緩めていた。


「うふふふふ……♡

妹ができたのだぁ……♡

しかも、明らかに吾輩より下なのだぁ♡」


女王はそっと呟いた。


「……あなたより下の存在なんて、作るつもりなかったんですが……」


レイは気づかなかった。

いや、気づいても気にしなかった。


彼はただ――


「ぷぷぷっ、歩き方よちよちなのだぁ♡

ククク……声が優しいとか逆に弱そうなのだぁ♡」


――妹へのマウントに夢中であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ