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第88話 リーヴェルvs呪具

20段下へ続く階段

そこに眠っていた男を転ばせる


中にいる者たちをおびき寄せるため


ドアが開く


「準備はいいか、シュルスター、シルク?」

「おう!」

「いつでも大丈夫です」

「シルク、君が先に突っ走ってその角で奴らを薙ぎ払ってくれ」

「お任せください、主の命をしっかり果たして見せます!」


少し後ずさりして

走って地下へ大ジャンプ


その勢いでドアを破壊

「な、何だ!?」

「敵襲か!?」

「あの生き物なんだ?」

「一本の角・・・、こいつ・・・まさか・・・!?」

男たちの動揺をよそにシルクは首を左右に振りながら男たちを角で次々と薙ぎ払う


上にいる僕たちは奴らの断末魔の声を聞いていた

「いいザマだな」

「お前、体力と魔力を温存するためにわざと神獣を先に起用したんだな」

「最初に僕らが突入しても、呪具を持つ奴を含めて100人相手できるか分からない」

「それは言えてるな」


急に思いついた作戦だったからどうなることかと思ったけど

効果は覿面だ


神獣の力恐るべし・・・


頃合いを見計らって

シュルスターと降りていく


床は血の海

奴らの体からは内臓や目玉、さらには脳までがモロに飛び出ていた

中には体を縦真っ二つに切り裂かれた死体も

シルクの体は血の色で真っ赤に染まっていた


「シルク、さすがにやり過ぎだよ」

「主の期待に応えようと・・・」

「それはありがたいけど、もう少し加減してくれ」

「リーヴェル、奴らの数はこれで全部じゃない」

「分かってる。奥にリーダーがいるんだろ?」

「気を付けろ、奴はかなりの魔力を持ってる」


おそらくそれは、呪具によるものだろう


奥の部屋へのドアの前に着く

「私がドアを破りましょうか?」

「いや、ここからは僕とシュルスターがやる」

「待て。ドアを破ってから、俺とシルクが他の奴らの相手をする。お前はリーダーをやっつけろ」


シュルスターが珍しく警戒している

実際、捕まった身だから分かるのかもしれない


「分かった」


シュルスターがドアを打ち破り

部屋へ入ると同時に散開


「オラオラオラ!」

「こちらもいきますよー!」


半魔族と神獣による襲撃

絵になるな


部屋の真ん中に

中指に指輪をはめた男が座っていた


こいつがリーダーであの指輪が呪具か

無言で立ち上がる


しかし、動きが妙だ

男の意志で動いているとは思えないほど

手足や首をぶら下げたままこちらに近づいてくる


呪具が男を動かしている

としか考えられない


つまり、男の命はもう・・・


そう考えている隙に呪具が男の指から離れる

男はその場で倒れる

「待ッテイタゼ、新シイ獲物・・・」


呪具が喋った!?


「俺ハ、オ前ノヨウナ高イ魔力ヲ持ッタ奴ヲ待チ続ケテイタ。オ前ノ命、ヨコセ!!」

勢いよく近づく

僕は普通によけた

「ホウ、今ノヲヨケルトハ中々ヤルジャナイカ」

「どうした、呪具ってのはこんなもんか?」

「オ前、コノ俺ヲ侮辱シタナ。後悔サセテヤル!」


呪具は周りをバリヤーのような膜を覆い始める


シュルスターとシルクはその外

だけど、戦っている音は聞こえない


「リーヴェル!?」

「あれは、対象の生贄を一つに絞らせるためのシールド。つまり、主が生贄の対象となった」

「ど、どうすりゃいいんだよ!?」

「大丈夫です、主はあんなヘンテコな物にやられはしませんよ」


こちらは全員片付け、服の中を漁ってみたけど牢屋の鍵が見つからない

リーヴェルの空間にある可能性が高い


「ククク。俺ノ生贄ニナルト誓ワナイ限リ、コノシールドハ解除サレナイ」

「強制的に・・・か」

「ソウダ、今ノオ前ハソレシカ選ベナイ。サァ、潔ク俺ノ生贄ニナルガイイ!」


先ほどより速度を速めた

その間に右手に持っていた日本刀を野球のバットのように構える

「今更何ヲシヨウト無駄ダ!」


カキーン!

鞘にジャストミート


「ナッ・・・!?」

「どうした、来いよ!」

「ナメルナ、人間ガーーー!!」


呪具が何度も迫ってくるけど

僕は余裕で当てる


「バ・・・、バカナ・・・。何故ダ・・・?」

「動きが単純すぎるんだよ。何度来ても同じだよ」

「マダ、アキラメンゾ・・・」

「でも、諦めるのはそっちだよ」

「ドウイウコトダ・・・?」

「あと1、2回くらいで、君の命は終わる。この意味分かるよね?」

「1、2回・・・?」

「分かってないようだから、答え合わせしよう。ヒビが入ってるってことだよ」


ヒビ・・・?

コノ俺ニ・・・ヒビダト・・・?

奴ハタダ当テテイルヨウニ見セカケテ、俺ノ呪具トシテノ使命ヲ終ワラセヨウトシテイルノカ


「これで選択肢が、生贄になるか、破壊されるかの2つに増えたよ」

「オモシロイ・・・。ナラバ、先ニオ前を生贄ニシテヤル!」


呪具は動きに変化を付けて近づいてくる

でも、この動きは変化球のスライダーだ


これも至極当てやすい


カキーン!


ヒビはかなり入ったけど、まだ終わっていない

「次で最後だ」

「ク、クソガーーーーー!!」


呪具はジグザクな動きをしてくる

定めを付けないようにしている


でも、僕の方も振って当てるのもつまらない

日本刀をブーメランのように投げる


そのままジャストミート


「ウ、嘘ダーーーーーー!!」

断末魔と共に呪具は破壊された


シールドも解除された


「リーヴェル、無事か!?」

「ああ、あっさりと終わったよ」

「さすが我が主です」

「それよりも、牢屋の鍵を探そう」



ズル・・・ズル・・・ズル・・・


何か引きずるような音が聞こえる


瀕死の男が部屋にあるレバーの方へと向かっていた


「これ・・・で、お・・・前らも・・・終わり・・・だ・・・」

手を伸ばしレバーを下ろす

同時に男も息絶えた


ガラガラガラ

ゲートが開く音


そして、ズンズンと重い足音

異様な魔力を感じる


魔物特有の魔力じゃない

でも、いくつかの魔物の魔力が混ざっている感じがする


「ギャオアアアアアアアアアア!!」

雄たけびと同時に突っ込んできた


うまくよけた


化け物の正体は

体がライオン、しっぽが蛇


こいつは、合成獣 キメラだ

どうも、茂美坂 時治です

呪具が喋るなんて不気味ですね

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