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第85話 捕らわれの一行

目が覚めたら牢に閉じ込められていた


薄暗くて少し寒い


奥からは男たちの声が聞こえる


「シュルスター・・・」

「シーナ、大丈夫か?」

「う、うん。何とか・・・」


あの男たちに捕まってからシーナは少し怯えている

というよりかは、寒さで震えている

毛布などはなく

魔法をかけようにも、かけられない


あの時

俺たちは必死に対抗した

にもかかわらず、あっさりと捕まってしまった


リーダーと思われる男とも戦ったが

そいつは妙な力を持っていた

正確には、魔法を無効化する何かしらの道具を使っていた

この牢にもその力がかけられている


リーヴェルが助けに来てくれても

そいつと戦ったら不利になる可能性だって否定できない


どうすればいい?


ガチャッ


ドアが開く音

男が静かにこちらに向かってくる


「おい、そこの半魔族」

「お、俺の事か・・・?」

「他に誰がいるってんだよ。ボスがお呼びだぜ」


牢から出て奥の部屋に入り

モヒカンがトレードマークの男が机に突っ伏していた


こいつがボスか


「よお、俺たちに捕まった気分はどうだい?」

「最悪だな」

「言うじゃねえか。俺、おめえみたいな奴は嫌いじゃないぜ」

「そりゃどうも。で、話は何だ?」


「リーヴェル・ジェスナーってのは、おめえの仲間だろ?」

何故それを知っている?

「俺の兄貴がそいつにやられて捕まったんだ」


もしかして、こいつ

リーヴェルが捕まえた盗賊団のリーダーの弟か?


「おめえなら、そいつの居場所ぐらいは知ってるんじゃねえか?」

「その場所を教えろってのか?」

「いや、おめえがリーヴェル・ジェスナーを捕まえてここに連れて来い」

「なっ!?」


予想もしない返答だった

俺があいつを捕まえる・・・?


いや、それ以前にあいつは

国王に捕らえられて地下牢に投獄されているはずだ

下手をすれば、俺も投獄されかねない

ならば・・・


「ことわ・・・」

「断るってんなら、おめえも含めて全員まとめてあの世へ送ってやるぜ」


ここは魔法無効化の空間

俺たちには為す術もない


「それが嫌ってんなら、素直に俺の言う事を聞け」

「・・・わかった」


もう奴の条件に応じるしかない


「よし、では今から3日以内にリーヴェルをここに連れてくること。下手な真似をしないように俺の仲間を一人付き添わせる。3日過ぎたら、ここにいる奴らを皆殺しにする。連れてきてくれたら、おめえらの命は保証してやる。ただし、リーヴェルの命はないと思え」


やはり、こいつはリーヴェルの敵討ちをするつもりだ

つまり俺たちは人質ということ


正直、こいつらのやり方は最低だ

でも今は、こいつらに従うしか生きる道はない


俺は断腸の思いで行動に移った


ごめん、リーヴェル・・・



そのころ

アースラーの王城で


「た、大変です!ディーレスト国王並びに王女様一行が盗賊団に捕まってしまいました!」


息を切らして入ってきたディーレスト王国騎士団の斥候


「な!?それは、本当ですか!?」

「・・・はい」

「それはつまり、パーティーメンバーも・・・」

「・・・はい」


何という事だ

シーナさんやシュルスターまで捕まってしまったというのか


でも、疑問がよぎる

二人はかなりレベルの高い実力を持っている


それなのに、盗賊団に捕まるという事は

そいつらは、それ以上の力を有している


これは、かなり危険だ


「しかし、タイミングがあまりにも良すぎじゃないか?」

ガティッシュ王子が話に割り込んできた


「ディーレスト王国の馬車が出立したのは1時間ほど前だぞ。その時間までに、盗賊団がタイミングよく捕まえるってのは不可能に近いと俺は思うぞ」

「確かに・・・。つまり、誰かに雇われた・・・?」

「その線が濃いな」

「だとしたら、誰に?」


調教師の二人は馬を手懐けていたから

盗賊団に伝えるのはまず無理だな


他には・・・

「考えたくないが、ザイドルスに雇われたという可能性も高い」

「こ、公爵に・・・?」

「ああ。今、奴の屋敷を調査中だ。何か分かればいいんだが・・・」


国王と助けようとしたとき

あの巨漢公爵は僕たちの行動を阻止しようとしていた


それに、国王と姫様は公爵に生気を奪われていた


さらには、陛下がこのアースラー王国に来るという情報を

公爵が掴んでいたとしたらと考えると

辻褄が合う


「リーヴェル、ここは俺に任せて、お前はみんなを助けに行ってやれ」

「・・・でも」

「斥候がいるじゃないか。彼からの情報も頼りにできるんじゃないか?」

「はい、捕えられた場所や向かっていった方向も覚えています」


ちょっとした情報だけど、ないよりかはずっとましだ

「では、殿下のお言葉に甘えて、みんなを助けに行ってきます」

「気を付けてな」


待っていてください、皆さん

必ず助けます

どうも、茂美坂 時治です

シュルスターたちピンチです

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