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第82話 リーヴェル、投獄される

「ブルルッ」


調教師の二人に見守られ

1時間足らずで黒馬を手懐けてることができた


「よし、いい子だ」


優しく頭を撫でると

ご機嫌がいいのかしっぽを左右に大きく振っている


「すごいじゃねえか!」

「私たちでは手も足も出なかったのに」

「僕も不思議な感じです」


奥の方に目をやると

国王陛下が城から出てきた


その隣にはアースラー王国国王と思われる男性が


こちらに気付いたのか

ゆっくりと近づいてくる


「ハールト、この馬随分と大人しいじゃないか。何かあったのか?」

「陛下、こちらの冒険者さんがこの馬を手懐けてくれたんです」

「冒険者・・・か」


何やら不機嫌そうな顔をしていらっしゃる

「冒険者、ありがとう」

軽く頭を下げる国王


「だが、私はおまえのような冒険者を呼んだ覚えはないぞ」

一瞬カチンときた


「ヴァリアル国王、これはどういうことか説明していただけますか?」

「ええと・・・、道中の護衛を私が彼に依頼したのです」

「成程、では明日の会談は取りやめましょうかね」

「何故そうなるのです!?」

「我が国へお越しになる際の護衛は騎士団だけでお願いしますと手紙で届けたはずですが、お読みにならなかったのですか?」

「もちろん、読みました。ですが・・・」

「ですがではない!あなたは、私との約束を違えた」


な、何なんだ、この国王は?

「約束を違えることはすなわち、両国との信頼をも失うという事。それはお分かりですね」

「それは分かりますが・・・」

「反論するならば、それなりの措置を取らせていただくことを覚悟してもらおう」


一方的じゃないか!


「お言葉ですが!」


僕はもう我慢できない

「何だ、冒険者?」

「さっきから聞いてりゃ、あなたの都合のいい事だけじゃないですか!冒険者の何がいけないんですか!?それとも、冒険者を恐れているんですか?」

「お前、国王であるこの私に反論するとはいい度胸だ」

「度胸も何も、僕はあなたの言動に腹を立ててるんです」

「腹を立てたところで、お前には何の得もないぞ。まあいい、今すぐ謝ってくれるなら撤回しよう」

「何ですか、それ?何も変わっていないじゃないですか。それだと謝れる気にはなれませんね」

「何・・・だと?」

「お、おい・・・、もうその辺に」

「陛下は黙ってください!」


馬車の中では

「ちょ、ちょっとベル君?何してるの?」

「これはちょっとまずくね?」

「止めに行く?」

馬車から出ようとするシーナさんをシュルスターが止める

「いや、やめておいた方がいいぜ。何か、俺たちも出しゃばると嫌な予感しかしねえんだよな」

「シュルスターの言ってること、なんとなく分かるわ。でも、ベル君。早く戻ってきて」


アースラー国王は話を続けていた

「私はさっき言ったよな。反論するならそれなりの措置を取らせてもらうと」

「具体的には?」

「私に対する侮辱の対価にもよる」

「なるほどね、ではもっと侮辱しましょうか?」

「お、おい・・・もうそれ以上言わない方が」

国王も止めるが


「ヴァリアル国王、あなたも彼に同情するなら彼と一緒の措置を取らせてもらいますよ」

「ぐっ・・・」


手も足も出なかった


「さて、冒険者。もう一度言う。今すぐ謝れ!」

「何故あなたに謝る必要があるんでしょうか?」

「そうか・・・、残念だ。では、仕方あるまい」


護衛に両手をガッチリと捕まえれる

「その者を地下牢に投獄しろ!」

「「はっ!」」

僕はズルズルと引きずられていく


「ああ、ベル君!」

「あのバカ、何しやがったんだ!?」

「行きましょう!」

「待て!今出ると、俺たちも危ない。ここは大人しくいる方が無難だ」

「でも・・・」

「助けたい気持ちは分かる。だが、今はとにかく我慢だ」



何故アースラー国王に謝らなかったんだ、リーヴェル?

そもそも、お前がここで出しゃばる必要などどこにもないじゃないか


「ヴァリアル国王、これでおわかりいただけただろうか?彼と同じ目に遭いたくなければ今すぐにこの国から出ていきなさい。今後あなたとは会談する余地もありません」


脅迫じみた発言をする


「・・・分かりました。皆、引き返すぞ・・・」


絶望感の顔をしながら

去っていった


「フン、冒険者なんぞ連れてくるなってんだ!」

冒険者に対して異常な怒りを見せる国王


その陰で

「見たか、あの国王陛下の言動」

「見ましたよ、イェルラー公爵様。これも、あなた様の力のおかげです」

「あの国王にはもっと馬鹿な言動をしてもらって、国王としての信頼を完全に失わせ、死んでもらう。そして、次に国王になるのはこの私だ。誰にも邪魔はさせない」

「そうです、次期国王はあなた以外にあり得ない」


不穏な動きも見せていた

どうも、茂美坂 時治です

また衝撃的な展開になりました

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