第79話 マンドラゴラの特殊能力
「・・・う・・・ん・・・」
エルフの女性が意識を取り戻した
「気が付いた?」
ゆっくりと首を左右に動かす
大勢の騎士たちに囲まれ
そして何より、以前にはなかった火も見れる
ここは・・・どこ・・・?
体を動かすと全身に激しい痛みが走る
「まだ安静にした方がいい。君は今、危険な状態なんだ」
「あ・・・の・・・、わた・・・し・・・は・・・」
「安心してくれ。君を傷つけた盗賊団たちは捕まえた。もう怯える心配はない」
「そ・・・う・・・」
安心したかのようにまた目を閉じる
「今はそっとしておこう」
エルフを空いたテントで休ませる
「さて、皆。さすがに疲れただろ?予定通り朝の9時に出発するつもりだったが、緊急事態の為、正午ごろ出発しようと思うが異論はないか?」
陛下がみんなの事を気遣っての提案
さすがに異論を唱える人などいない
だって、ものすごく眠いんだから
助けてくれたマンドラゴラに礼を言う
「マンドラゴラ、ありがとう」
「どういたしましてだよー」
「森に戻るのか?」
「うーん、そうしたいけどー、なんだかあなたの事を見たら、面白い事になりそうだからー、あなたとお供してもいいかなー?」
「突然だな」
「でも、今回この子のおかげで助かったんでしょ?また似たようなことが起こることだってあり得るじゃない。私としては、とても頼もしいと思うわ」
「俺もそう思う」
メンバーもマンドラゴラを連れていくことに反対していない
「分かった」
「ありがとー」
「もう遅いし寝よう」
「うん、おやすみなさい」
「おやすみ」
「おやすみだよー」
テントに入って5秒で眠った
次の日の昼
「ふわあああぁあああ」
よく寝た
外に出ても
まだ誰も起きてこない
相当疲れたんだろうな
「おはようだよー」
「うん、おはよう」
エルフの様子を見に行こう
中を覗くと
ぐっすりと眠っている
とりあえず一安心
「さて、マンドラゴラ。聞きたいことがあるんだ」
「そうだったねー。どうして状況が分かったかだよねー?」
話が早くて助かる
「まず、あなたは2人をターゲットにして念話をかけたんだよねー」
「そうだ」
「その時に私はあなたの魔力の質を感知したのー」
「感知・・・」
「どんな風に感知したか知りたいー?」
挑発的な笑みを浮かべる
そりゃ、知りたいに決まっている
「じゃあ、軽く魔力を放出してみてー」
「OK」
魔法を使わず
魔力を最小限に放出
すると
マンドラゴラの花が光った
「どう?わかったー?」
「その花が誰かが放った魔力に反応するのか」
「せいかーい」
「でも、それならシーナさんやシュルスターでもよかったんじゃない?」
「それもあるけどー、あなたの魔力が淀みがなくて100%綺麗なのー」
「うん、なんとなくわかった。あと、もう一つ聞いていいかな?」
「うん、なにー?」
「シーナさんが言ってたけど、君みたいに人語を話す植物がいるなんて聞いたことがないって。それはどういうことかな?」
「ああ、それも話さないとねー」
マンドラゴラが僕の肩に乗ってきて
「まずー、マンドラゴラの寿命は100年なのー」
「そんなに長く生きるのか?」
「てもー、大抵はあなたたち人間たちがー、花を摘んで薬にするのー。私の場合はー、あまり人目につかない場所にいたでしょー?」
確かに、結構森の奥深くで見つけたからなー
「100年の間ー、ずーっと、あの森の奥深くにいてー、人間たちが寄ってこなかったのー。こんな人の形になるのにそれだけの年数を必要とするのー」
「つまり、奇跡的ってことでいいんだよね?」
「そうなのー」
「しかし、それだと話がかみ合わない。君はさっき、寿命100年って言ったよね。そして、人の形になるまでも100年。でもそれだと、君は息絶えているはずだ。どうして、生き延びているんだ?」
「それはねー、人の魔力を養分にしているのー」
「魔力を養分に?」
「種から生まれて人の形になるまでー、土の養分を栄養に生きていたのー。その間ー、魔力を養分にする能力も少しずつつけていくのー」
「それが、今の君になった」
「そういう事—」
「じゃあ、もし魔力がなかったらどうなる?」
「普通に死ぬよー」
そんなあっさりと
でも、マンドラゴラはエルフの女性を助けてくれた
この子の花は本当に役立ちそうだ
「なあ、マンドラゴラ」
「なにー?」
「僕の仲間になってくれないか?」
「急にどうしたのー?」
「もし、昨日の夜みたいなことがあったらと思い返すと、君の力が不可欠だと分かった。今後、こんなことがまた起きる可能性だってある。だから、僕たちの仲間になってくれ」
「待っていたよー、その返事ー」
「え?」
「私はー、あなたに協力したいって言ったでしょー?あなたもそう望んてくれたからー、嬉しいのー。喜んで仲間になるよー」
「ありがとう、マンドラゴラ。いや、そのままの名前ではあんまり可愛くないな」
「か、可愛い?私がー?」
「うん、なんて名前つけようかな?」
「普通にドラちゃんとかゴラとかでもいいよー」
「いや、それだとほとんど変わってないじゃないか。そうだな、スミレというのはどうだ?」
「スミレー?」
実際、マンドラゴラの花を見て前世で見た写真とはずいぶん違うし、花の色が菫の花に似ているし
これなら女の子なんだし違和感もない
「うん、いいよー。私気に入ったよー」
「よし、じゃあスミレ。これからよろしく」
「うん、こちらこそだよー」
こうして、マンドラゴラのスミレちゃんが仲間に加わった
どうも、茂美坂 時治です
マンドラゴラの能力素晴らしい




