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第69話 フリーマーケット 後編

肉を食べ終わったところで

今度はトムソン通りを歩く


トムソン通り

200年前に貴族制度が施工されてから初めてこの地を治めたトムソン・フォン・ザリアスの名前から取っている

つまり、ムーリット公爵の先祖にあたる人だ


ザーク地区とは違って

こちらは建物の壁の色や形が全て統一された通り

まるで、パリのオペラ大通りのようで美しい


ここでも売っているのは

小物や服といった手芸品が多い


その中に

セルドアさんの店も見えた


「リーヴェル様、ようこそ」

「どうですか、売れ行きは?」

「今朝用意していた服はほとんど売れました。今並んでいる服で最後です」

「それは良かった!」

「すごいじゃない!ちなみに、値段は?」

「綿の服が1着銅貨3枚、麻の服が1着銅貨4枚です。良かったら、シーナさんやリーヴェル様も試着してみてください。もちろん、男物もありますので」

それを聞いて安心した


シーナさんが選んだ服は

赤と白のチェックの綿のワンピース

ちょっとメルヘンチックな感じだ

でも、可愛い・・・


僕はというと

白のズボンに、青を主として、緑や黄色のラインも際立たせた麻のシャツ

これから夏に近づくそうなので、この時期にぴったりだ


「ベル君、この姿もいいわね・・・。ヌフッ・・・」

また涎を垂らしてますよ、お嬢さん・・・

「でも、やっぱりこれも着せたい」

「って、ちょ!?」

シーナさんにグイグイ引っ張られて

無理やり着せられた


「キャアアアアァアアアアア!!!」

ちなみにこの声は、シーナさん

興奮した叫び声だ


それもそのはず・・・

僕は今、男として着てはいけないものを着ている・・・


上は白を基調とした水玉模様のシャツだからいいものの

問題は下だ


スースーしすぎて、気持ち悪い

そう、ミニスカートだ


もう心が折れそうだ

女に転生すればよかった

と後悔


「買うわ、これ!」

「いやいやいや、僕を無視しないで!!」

「あと、これも・・・。これも・・・」


僕のことをすっかり忘れて

10着ほど購入していた

全て僕用だというが

あとできちんとセルドアさんに返そう


ちなみに

「ねえ、そろそろ僕の服を返してくれないか?」

「ダメよ、あなたはその格好のままでいなさい」


さすがにミニスカートじゃ恥ずかしくて

まともに歩けない

そう思って、シーナさんに相談されたんだけど

断固拒否され、没収された


「没収するなら、ギルドと公爵様に事情を話してパーティーを解散するって言うけどいいかな?」

強制手段を実行するしかなかった


「そ、それだけは・・・」

「じゃあ、返して?」

「うぅ、仕方ないわ・・・」


受け入れてくれて、そっと返してくれた

すぐに着替えた


「あのリーヴェル・ジェスナー様ですか?」


後ろから男の人の声を掛けられる

振り返ると、数人の男も一緒だ


「そうですけど、何か用ですか?」

「我々もご一緒させてください!」

「・・・は?」


と、男たちは独特のポーズを決めて

「「「「「「「我々はリーヴェル様を守る隊!!!」」」」」」」

「・・・・・・」


「こんなこともあろうかと、我々で結成しました!」

「あの・・・、こんなこともあろうかとって、別に大したことは起きてませんけど?」

「これからは、我々があなた様をお守りいたします!」

って、話聞け!!

「おら、そこの人ら、どいたどいた!リーヴェル様のお通りだぞ!!」

ちょ、そんな大声で!?

「この方を誰と心得るんだ!!」

いやいや、どこぞの時代劇みたいなセリフは言わんでいい!!

これ以上は、彼らの好きにはさせない


「あの、これ以上は・・・」

「何をおっしゃいますか、リーヴェル様!あなた様は、この地の領主なのですよ?もし、あなた様の身に何かあったらどうされるおつもりですか?」

「どうもこうも、自分の身は自分で守れますよ」

「甘い!!あなた様は、甘すぎる!!そういう人が、命を落としやすいんですよ!?」

さすがにその言葉にカチンときた


「ですから・・・、って・・・、ヒッ!?」

僕はほんの少しだけ魔力を放つ

男たちは、タジタジだ


「あのですね、そのセリフはあんたに言えることじゃないのか?それに、さっきからあんたらの行動は迷惑極まりない。今すぐにこの場を去れ!さもなくば、公爵様の元へ引き連れて、通行妨害したとして報告しますよ?」

公爵様と聞いて、男たちは顔を青ざめる


「すみませんでした!!」

と一目散に走り去った


「まったく、何なんだあの人たちは?」

「あの顔、どっかで見たことあるわ・・・」


シーナさんには見覚えがあるみたいだ


「ハハハ、相変わらずの力だな」

今度は、聞き覚えのある声


「お父様」

「公爵様」


ん?

公爵様の隣にいる男性は・・・


「あの、そちらの方は?」

「彼は、エドワード・ラインシュタインだ」

「はじめまして、エドワード・ラインシュタインだ。馬鹿弟があなたに迷惑をかけてしまった」

彼が、カシュトの兄か

どうも、茂美坂 時治です

迷惑な男どもが現れました

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