第59.5話 二日酔いのリーヴェル君
「だんな様、朝で御座いますよ。起きてくださいませ」
翌朝、ドア越しからオルスさんが起こしに来る
でも、僕は動きたくない
というか、動きたくても動けない
何故なら…
「失礼しますよ」
ゆっくりとドアを開けて、執事が目にしたものは、みっともない家主の姿
顔はまだ赤く、しかも部屋中酒臭い
この状況で、オルスさんは一つの結論に至る
「だんな様、もしかして二日酔いですか?」
返事をしようにも声が出ないので、ゆっくり頷く
「今日は仕方がありませんね。酔いが醒めるまで、ゆっくりとお休みなさいませ」
すみませんと言いたいけど、声に出ない
改めて考えると、自分が二日酔いになるなんて、これが初めてだ
前世では、一滴も酒が飲めなかったからな
二日酔いの原因は、昨日の宴
本来なら、ヘリッツ子爵様とケイトさんの結婚式でするのがセオリーだと思うけど、父さんが勢い余って宴をするって言いだして、ヘリッツ子爵夫妻を祝うどころか、父さんたちが盛り上がってしまって、台無し状態。さらには、父さんたちに無理やりガバガバと酒を飲まされた
そりゃ、二日酔いになるわ
ってそうじゃなくて
僕には酒の神グルン様の加護が付いているはず
もしかして、加護が発動していなかった・・・?
そんなことを考えていたら、頭痛が…
それに、吐き気もしてきた
これも二日酔いの典型的な症状
ちょっと戻したい
でも、動こうにも体が言う事を聞いてくれない
時間だけが過ぎていき、自分の体は最悪状態
酒は飲みたいけど、昨日みたいな飲み方はしたくない
というか、父さんは今後こういうのには控えてもらおう
いや、いっそのこと出禁喰らわすか
ズキッ…
また頭痛が…
もうヤダ…
「ウォエエエエェェ……」
限界に達してしまったのか、ベッドの上で戻してしまった…
こんな姿、誰にも見せたくない
と思っていたら
ガチャッ
「うわっ!ベル君、大丈夫!?」
タイミング悪く、シーナさんが入ってきた
「ちょ、ちょっと!戻しちゃってるじゃない。すぐにオルスさんたちを呼んでくるわね!」
ありがたい…
ずっと、このまま放置するわけにもいかなかったし…
それからしばらくは、シーナさんたちに水を飲ませてもらったり、窓を開けて換気もしてもらった
本当は、自分がするところなんだけど
こんな状態じゃ…
夜
何とか動ける状態にまで回復したものの、まだ少し頭が痛い
「だんな様、お食事はどうされますか?」
「うぅ…、とりあえず…、お腹によさそうなものをお願い…できますか…?」
「それでは、りんごのすりおろしをご用意いたします」
もう、今日は他人に任せっきりの一日になってしまった
二度と、こんな目には遭わないようにしないと
多分…
どうも、茂美坂 時治です
今回は、大人の方なら一度は経験したことのある二日酔いの回です




