第44話 アジトへ
ザーク地区から東へ1キロほど離れた人気のない路地裏
その一角に、男たちのアジトが
「こ、ここだ」
地下へと続く階段
「俺が前に出るから、押したりするなよ」
「しないよ、そんなこと」
「マスターを信用してねぇようだな」
「こら、マックス。余計な事は言わない」
「すまねぇ」
入口へと来て、青の毒蛇団という札が貼ってある
これが、この男たちのグループ名だろう
「ボスに事情を伝えてくるから、お前たちはそこで待っていてくれ」
「分かった」
男がドアを開けて、中へと入っていく
数分しても男は出てこない
「遅いな」
「明らかにおかしいな」
「・・・」
「どうした、タイシ?」
「血の匂いがしますぜ。来た時にはしませんでしたが・・・」
「ってことは・・・」
「おそらく、ボスとかいう奴に殺されたんじゃないかと・・・」
「・・・」
情けをかけないってことだな
自然と怒りがわいてくる
「どうしやす、マスター?」
「ここは、強行突破だな」
「了解しやした」
タイシが勢いよくドアを破る
目の前にはさっきの男が無残な姿になって横たわっている
「よぉ、お前さんがリーヴェルか?男とは聞いていたが、女とみても間違えねえほどの美人だな」
「あんたみたいなハゲ男には言われたくないな」
周りがざわつく
どうやら、ハゲという言葉は禁句のようだ
「お前さん、死ぬ覚悟でここに来たんだろ?」
「いや、その前に聞きたいことがあるんだ」
「言ってみろ」
「ケイトさんが守っている孤児院を維持するために、あんたらがケイトさんの親の臓器を売買したんだってな」
「はっ、何を言い出すかと思えば。俺たちはそんな事はしてねぇよ。何なら、この建物全部見て回ってもいいぜ。そんなものなんて出てくるはずもねぇ」
「それを100%保証できるって約束できるか?」
「ああ、もちろんだ」
「じゃあ、僕と神獣たちで徹底的に調べるよ」
「どうぞ、お好きに。お前ら、手は出すなよ」
「へい!」
この建物は、3階建て
部屋の数は14
さっき、解析を使って分かったことだ
となれば
「みんな、手分けして調べてくれ」
「水臭い事言わねぇでくだせぇ」
「そうだぞ、何のための俺たちがいるってんだ?」
「わたくしたちを信用してくださいまし」
「ははっ・・・」
言われなくても分かってる
そんな気がした
部屋一つ一つ調べても、それらしきものは見つからない
神獣たちも、調べてくれたものの発見には至らなかった
「これで分かったろ?俺たちはそんなことは一切してねえって。さて、俺たちを見たからにはここから返すわけにはいかねぇ」
「ねぇ、本当にこれで全部でいいのか?」
「何を今更、もう一度調べたって無駄だぞ」
「いや、まだ調べてない箇所があるじゃないか」
「・・・は?」
「どの建物にも必ずあって、調べる時の盲点になるものだよ」
「いや、十分に調べただろうが!!」
「何なのか、知りたい?」
男の額からは汗がにじみ出る
「それはねぇ・・・」
と、僕は部屋全体を解析
すると
「やっぱりね」
「・・・何がだ・・・?」
「壁の中にそれらしきものが大量にある」
「・・・!?」
「壁壊してもいいよね?」
「お、お前ら、こいつらを殺せ!!」
やっと本性を現したか
だが、もう遅い
調べた後にこの部屋に風魔法、鎌鼬を仕掛けておいた
それに気付かなかった男たちの腕や足が切り落とされる
「うぎゃあああ!!」
「お、俺の、あ、足が、ああああ!!」
「い、いてえええええ!!」
「さて、残るはあんただ」
「ま、待ってくれ・・・。な、何でもするから・・・、い、命だけは・・・」
「と言って、僕が油断している隙に僕を殺そうとするんだろ?」
「・・・」
「分かり切ったことを言うなよ。何なら、彼らのえさにでもしようか?」
「お、いいね。丁度腹をすかしてるところだった」
「この馬鹿どもを食っていいんですか?」
「お、おい・・・」
「ああ。ただし、骨や内臓もしっかりと食うように」
「お安い御用でさぁ」
「ちょ、待てって・・・」
「待たなかったら、あんたの命はこの世にないよ」
「う、嘘だろ・・・」
「さぁ、腹一杯食え」
「おう!」
タイシがボスに向かってジャンプ
「うわあああああああああ!!」
ボスは叫び声をあげる
タイシの顔はもう目の前
と、僕はここでパンと手をたたき
「なんてな、これは冗談だよ」
「・・・へ?」
「あんたらを食わそうなんて思ってもいない。命だけは助けてやる。だが、これまでの罪をしっかりと償え」
「・・・はぁ・・・」
ボスはそのまま気絶
同時に失禁までしている
「やれやれ、こんなのがボスってのも・・・。もっと、強い奴がいいよな」
「マスター、それは欲張りというものですよ」
分かってるよ
数時間後、警備局の人たちが駆けつけて
男たちは逮捕
同時に、壁も壊されて、中から肝臓や心臓といった臓器を防腐剤らしき液体に入れた瓶が大量に発見された
極刑となるのは間違いないだろう
どうも、茂美坂 時治です
リーヴェル、またまた悪を撃退しました




