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第36話 深刻な現実

僕は今頭が真っ白な状態


数秒後、ようやく理性を取り戻し、状況を整理する


まず、あの時助けた女の子がお姫様で

そのお礼と言って僕にキスをしている


そのキスもかなり長く続いたように感じる


姫様は顔を赤くしながら

「私にとってあなたが初めてのキスのお相手です」


僕も顔が赤くなってると思う

ていうか、僕もキスされたの初めてですからね


前世では一度もありませんでしたよ


「ちょっと、何してるんですか!!」

いきなりシーナさんが怒鳴りに来る


「シーナ、お久しぶり」

「いやいや、久しぶりとかそういうのじゃなくて、い、いいい、いきなり・・・、き・・・キスするとか・・・、あ・・・、あり得ないんだけど・・・」

狼狽するシーナさん


「あら、私が男にキスをしてはいけないなんて決まりあったかしら?」

「そ、それは・・・」

「キスをするのは私の自由でしょ?」

周りはどよめいているのに、この姫様意外と冷静だな


「俺からもいいか?」


服装から見て貴族のご子息にあたる人かな

その人も絡んでくる


「俺の婚約者である姫様が、こんな平民にキスするなんて・・・」

「こ、婚約者!?」

「ええ、彼はブラルト伯爵のご子息、ヘラルド・フェン・ジュリアリスです」

「それって、非常にまずいのでは・・・?」

「何がかしら?」

「いや、だって、婚約者がいるのにこんなことするなんて・・・」

「そうだ、彼の言う通りだ!」

「でも、あの日あなたは私や子供たちを置いて逃げていったではないですか」


ん?

姫様を置いて逃げた?


それに、彼の魔力の質

少し違和感を感じる


「逃げたなど嘘をついては困るな、姫様。俺はただ、応援を呼びに行こうと走っていっただけだ」

「しかし、その応援の人やらも一切見ませんでしたよ?」

「そこのリーヴェルがすべて片付けたからだろ?」

「あら?あなたはリーヴェルさんが私を助けたところを見たんですか?」

「うっ・・・」

「それに、このことは叙勲式までは明らかにされていなかったのに、どうしてリーヴェルさんが魔物を退治したことをすでに知ってるんでしょうか?」

「そ、それは・・・」


鋭い質問に、答えられないヘラルド


小声でマックスに聞いてみる

「なあ、マックス。あのヘラルド、少しおかしいと思うんだけど」

「俺も、この部屋に入った時から妙な魔力を感じてたぜ。もしかしたら、あのインディルトっていう魔族の仲間かもしれねえな」


それだと、さっきから感じてる違和感にも納得がいく

なら、ここはカマをかけてみるか


「お取込み中申し訳ないんだけど、ヘラルドさんに聞きたいことがあるんだ?」

「何だ?」

「あんた、本当にヘラルドか?」


僕の質問に

「な、何を言ってるんだ・・・?俺は正真正銘ヘラルド・フェン・ジュリアリスだぞ」

「ならば、姫様との婚約を交わした日とかも覚えてるんじゃないか?」

「なんだ、それなら簡単だ。姫様と婚約を交わしたのは2年前の5月9日だ」

「その後も、定期的に姫様と会っていたか?」

「ああ、もちろんだ。で、俺に聞きたいことってそれだけか?」

「いや、もう一つある。あんたは魔族か?」


魔族という言葉に姫様だけでなく国王陛下や王妃様も驚く

「馬鹿を言うな!!俺はれっきとした人間だぞ!!」

「なら、魔族ではないか確かめさせてくれないか?」

「何をするつもりだ?」

「簡単なチェック方法だよ」


以前にアリアスさんとベイデルさんの血縁関係を調べた時に使った照合魔法を使う


この魔法で、ヘラルドが本当に姫様や僕たちと同じ人間かを確かめる


「じゃあ、この魔法陣に血を一滴垂らしてくれ。姫様にも協力していただきたい」

「分かりました」


魔法陣の中心に二人の血が一滴ずつ


左がヘラルド、右が姫様


青なら、二人とも人間、赤ならヘラルドが魔族という事になる


「では、いいですか?」


僕は魔法陣に魔力を注ぐ


2秒足らずで赤に光った

驚いたことにヘラルドの血も光った


これで、ヘラルドが魔族であることが証明できた


「・・・う、嘘でしょ・・・?」

魔族と知った姫様は、うろたえる


「じゃあ、本物のヘラルドは?」

父ブラルトが偽ヘラルドに問う


「俺が・・・、殺した・・・」


場内がどよめく

ほぼ同時に、偽ヘラルドは変装を解除


本物の魔族に


「な・・・、何故・・・、何故私の息子を殺す必要があるのだ!!?」

ブラルト伯爵が喚く


「インディルト様の意志のため」

「意志・・・だと?」

「この国の王族や貴族、平民をすべて殺し、魔族だけの国にしようというインディルト様のお考えに従ったまでの事。今の魔王様では、そんなことは出来ないからな」

つまり、この魔族も魔王ヒュドゥルトの考えに反対しているのか


「ひどい・・・、たった1人の命を・・・あなたは・・・彼を亡き者にしたんですか・・・」

姫様が涙を流しながら問いかける


「悪いな、姫様。本当なら、二人になった時にあなたを殺す算段だったが、まさかシュルスターが魔物を率いて襲撃するとは思いもしなかったからな。俺は、魔族の中では最弱で、魔力もほとんどないんだ。でも、何故か変身魔法だけは得意で、誰にでも変装できるんだ。この国の姫様の婚約者がヘラルドという情報を手に入れ、ヘラルドに接触したときも前に殺した人間に変装して、殺した。死体は森に捨てた。もう、魔物たちに食われて跡形もないだろうな」


「貴様・・・、よくも・・・、よくも私の息子を」

ブラルト伯爵は魔法を展開するが、魔族はブラルト伯爵の奥様に変装して

「あなたに、私が殺せまして?」

声も女性に変わっている

「な!?何故、リュピアの声を真似できる?ま・・・、まさか・・・」

魔族は変装を解除して

「そうだ、あんたの奥さんも殺した」

「な・・・、なんてことを・・・」


衝撃の事実にブラルト伯爵はガクッとして呆然としている

愛する妻と子供を魔族に殺されてしまった


その悲しみは一生消えない


「さて、次はだれを殺そうかな?」


「マックス、やれ」

「おう」

隙を見て

マックスは鋭い爪で魔族の腹部を引き裂く

その時間 僅か0.2秒


魔族は何が起こったのか分かってないようだ


周りの人たちも同様に


引き裂いた後、魔族の腹部から大量の血と内臓があふれる


「キャアアアアアアアアアアア!!!」

女性の悲鳴が響く

中には血や内臓を見て倒れ込む人もいる


魔族はその場に倒れ

「な・・・、ゴホッ・・・何が・・・?」

口からも血を吐く


「思い知ったか、魔族。今のは俺がやったんだよ」

「びゃ・・・白虎・・・か」

「お前はやりすぎた。いずれ殺される運命だったことも分かってたんだろ?」

「そう・・・かも・・・しれない・・・な・・・」

そう言いながら、魔族は息を引き取る


「ヘラルド・・・、リュピア・・・。この私に・・・、もう一度・・・、笑顔を見せて・・・くれ・・・」

ブラルト伯爵は未だに二人の事を思っているみたいだ


でも、右手の動きが何だかおかしい

内ポケットからナイフを取り出し

首元へ持っていく


まさか・・・!


僕は急いで止めようと伯爵の元へ向かうが

遅かった・・・


伯爵はためらいなく自分の右頸動脈を斬って、勢いよく血しぶきが床に飛び、その場で絶命した


叙勲式でこんなことになるなんて・・・



僕は床に拳をぶつけ

「クソ!!こんなのありかよ!!」

と叫ぶ


僕はその場でしばらく動かなかった

どうも、茂美坂 時治です

驚きの展開になりましたね

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