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第34話 意外な結末

ゴブリンに捕らえられたシュルスターは狼狽えていた


「な、これはどういう事だ?説明しろ!」

質問にも答えないゴブリン


同時に圧の元の魔王と思われる魔族が近づいてくる


その姿はまさに悪魔


これが・・・魔王・・・


「シュルスター、これは何事だ?」

「はっ、この国の民を屠り殺し、国ごと頂くという魔王様からのご命令に従ったまでの事でございます」

「余の命だと?余はそんな命令を出した覚えはないぞ」

「なっ!!?」

「だれがこの国の民を殺すと命じたのだ?」

「ですから、それは魔王様から―――――」

「もうよい!質問を変えよう。その命を受けたのはいつだ?」

「1週間前の4月6日でございます」

「妙だな。その日の余は国外にいたぞ。というよりかは、休暇を取っていたな。嘘だと思うなら、後ろにいるチュギルに聞いてみよ」

魔王が休暇って・・・あまり想像つかないな



「それと、そなたの軍10000人が王宮近くで待ち伏せしているのを見つけてから全員捕えた。余に絶対なる忠誠を誓ったそなたがここ2、3日不在だったというのもおかしな話よな。それがまさか、親交を深めたディーレスト王国に襲撃をさせるとはな・・・」


シュルスターはガクッと膝を落とす


「あとは、そなただけだ」

「一体・・・誰が?」


シュルスターは誰が魔王に化けて命じたのかをずっと考えている


何故あの時、魔王様の偽物だと見抜けなかった?

そもそも、魔王様は争いを好まぬお方

そして何より、人間を愛するお方

今考えれば全てがおかしい


では、何の目的で魔王様に化けてこの俺に命じたんだ?


いや、待て。魔王様に化ける必要などどこにあるのだ?


まさか・・・



「あれあれー?シュルスター捕まってやんの。なっさけねーなー、おい」

すると空から、別の男の声が


「せっかく、俺が命じたってのにこんなアホなことになってしまうとはね」

「あ、あなたは・・・」


「インディルト!!貴様が企んだことか?」

「やぁ、ヒュドゥルトの兄貴。シュルスターの囮に見事に引っかかってくれてありがとね」

「貴様、何が目的だ!?」

「決まってんだろ、アンタを殺すためさ」

「余を殺す?馬鹿馬鹿しい。そんな力を貴様は持ってないはずだ」

「確かに、俺はアンタほどの力は持っていない。でも、一人じゃなくてもできることってあるだろ?」


ドスッ

鈍い音が響いた


魔王ヒュドゥルトが刺された

刺したのは、側近のチュギルだった


「アーッハハハ。チュギルが刺した。実に素晴らしい光景だ」

「チュギル・・・貴様・・・」

「魔王様、申し訳ございません。私はあなたの考えに同意できません。人間を愛することなど魔族の概念にはありません。私もその一人に過ぎません」

「な・・・、ゴフッ・・・!?」

魔王は、血を吐きながら倒れる

「さようなら、兄貴。次なる魔王はこの俺、インディルト様だ!!」

「インディルト様、いや、インディルト。何故魔王様を殺す必要があるのだ!!?」

「おやおや、俺を裏切る気か?なら、お前もそこの馬鹿な魔王と同じ道を歩ませてやるぁ!!」

「その必要はないよ」


僕はその会話に横槍を入れる


「何だ、人間?お前も殺されに来たのか?」

「よせ、あいつは私よりもはるかに強い。お前では太刀打ちできないぞ」

「ふーん、解析」


「なんだ、魔力量50000か。この馬鹿魔族も大したことないな」

「お、お前は一体どれだけの魔力量を持っているんだ?」

「俺を馬鹿と言いやがったな?人間、魔族の恐ろしさをその身で味わわせてやる!!」


インディルトは黒い球体を作り、両手で練りながら大きくしていく


その大きさはバスケットボール、いや、それ以上になっていく


「あれをよけるんだ、人間。あれをくらうと即死だぞ」

シュルスターから注意を受けるが、時すでに遅し

「くらえ、ダーク・エクスカリバー!!」



受ける前に解析


属性は闇

特徴は術者以外の命をすべて奪う

構造はかなり荒っぽい

魔族が使う魔法はどこかいい加減な部分があるな


なら、ここは闇には闇を以て制す


彼と同じダーク・エクスカリバーを作る


「な、俺と同じ魔法を・・・作ってるだと・・・!?」

インディルトは驚きを隠せない表情


そこから0.5秒

ダーク・エクスカリバーが完成


お互いの魔法がぶつかった瞬間

バチッと闇の光が放たれる


光が消えると、互いの魔法は消えていた


相殺されたのだ


「ば、馬鹿な・・・。俺の魔法を相殺できるなんて、兄貴でも無理だったのに・・・」

「ここで、終わらせる」


風魔法 ソニックブームを発動


「な、消え・・・」

その刹那、僕はインディルトの目の前にいる


右手で拳を握り、奴の顔面を殴る

「ぐあっ!!」

クリーンヒット


地面に落ちて、そのまま気絶


「ふぅ」

なんとか、終わった


・・・いや、まだ終わってない


魔王の容態が気になる


「ヒュドゥルトさん」

「人間・・・、インディルトは・・・どうなった・・・?」

「僕が鉄拳制裁を喰らわせました。あとは、あなたがたにお任せします。ですが、今はあなたの治療が最優先です」

「余は、助かる・・・のか?」

「必ず助けます」


傷口に治癒魔法をかける


「エフィリア!」

瞬時に飛んできた


「ヘリッツ子爵は?」

「いま、こちらに向かってます」


その20秒後、ヘリッツ子爵の姿が


「え?魔族を治すのかい?」

どういう状況か飲み込めずにいる子爵

説明している暇もない

「とにかく、刺し傷に効く薬を」

「わ、分かった・・・」


ヒュドゥルトの口に薬を含ませ水を飲ませる


傷口も消えていき、顔色もよくなっていく


「こ、これは・・・」

「リーヴェル君の治癒魔法と私が調合した薬で効果がすぐに現れたんです。ですが、治ったばかりですので今日から2,3日安静にしてお休みになってください」

「あ、ありがとう・・・」

魔王からお礼をされるなんて・・・何か不思議だ


「人間、いや、リーヴェル、ヘリッツ子爵。魔王様を救っていただき感謝いたす」

「いや、それよりもこれからどうするんですか?」

「ああ、国に戻って罪はきちんと償うよ。私の勘違いがこのような結果を生んだんだからな」

「インディルトも?」

「この件の黒幕だからな。恐らくは斬首刑になるだろう」


「リーヴェル!!」

遠くから国王陛下の声が


「おお、リーヴェル。無事だったか」

「事情は後でお話しします」

「ん?そこにいるのは、ヒュドゥルト魔王ではありませんか?」

「おお・・・、ディーレスト国王・・・。久しいな」

「その傷、まさか・・・」

「情けない話、同胞に刺された。が、リーヴェルとヘリッツ子爵に命を救っていただいた・・・。いつか、この借りは・・・必ず返す」

「では、傷と体が治り次第、リーヴェル達の叙勲式にも出席いただけませんでしょうか?」

「ほう・・・、叙勲式とな。それは、是非行きたい・・・」

「決まりですね」


この二人、馬が合ってるんだな


「さて、我々の方も明日叙勲式の予定だったが、こんな状況ではとてもじゃないができない。まずは、この街の復興が最優先だ。皆で助け合い、皆でこの国をもっとよくするのだ」

「「はい!!」」



この日から街の復興に携わり、けが人などのケア、建物の修復作業など様々なボランティア活動を行い、それが2週間続いた


そして、4月28日

叙勲式の日を迎えた

どうも、茂美坂 時治です

新たに魔王が登場しました

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