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第18話 新たな道と本契約

僕から提案したのは、子爵の屋敷であることを試したいことと一応出会った妖精とは主従関係があるので、妖精たちの探知能力を活かしてワイアットさんを探し出せるかということだ


皆からも何か提案があるのかと思ったけど、僕のしか出てこない



子爵に会うと、容態は順調に回復してるなと分かる

「やぁ、ってギルドマスターに公爵令嬢のシーナさん!?それに・・・」

「お、お久しぶりです。シェリアの妹のベイデルです」

「あ、やっぱり。あの時は迷惑をかけてしまった。本当にすまない」

子爵はベイデルさんに向かって深々と頭を下げる

「お気になさらないでください。私は、もうあなたを恨んでなんかいません」

「どういうことだ?」

「僕が説明します」


事情を一通り話して

「なるほど、ワイアットさんがそんなことを」

「正直信じきれない気持ちです。何故父が道を踏み外してしまったのかを・・・」

「同感だね」

「父には本当の事を言ってほしい。今の私の願いです」

「うん、それはここにいるみんなも同じだと思うよ」


子爵が僕の方に顔を向け

「それで、今日は?」

「実は試したいことがありまして」

「何だい?」

「子爵の薬で、動ける状態にできるかどうかをです」

「む、無理だよ。あの時リーヴェル君に治癒魔法をかけてもらって一命は取り留めたけど、体は言う事を聞かないんだよ?それに、もう今更薬を飲んでも遅いんじゃ・・・」

「それでも、試したいんです」

子爵は本当にやるのかという目で僕を見つめる


「・・・分かった、協力しよう。だが、もしこれでも私の体が動かなかったら、一生この体と向き合う事になるんだ。それは分かってるね?」

「もとよりその覚悟です」

「そうか」


「エフィリア」

名前を呼ぶとすぐに僕の元へ飛んできて

「主、心配しました」

少し涙ぐんでる?

「大げさだな。出会ってまだ1日だというのに、そこまで心配しなくても」

「1日でも何かあれば・・・」

「分かった、分かった。心配かけてごめんね」

エフィリアの頭を優しくなでる


「で、薬の方は?」

「主に言われた通り、すべての薬を完成させました」

「「「「おお!」」」」

「それで、使いたい薬は?」

「それは子爵が知ってるはずだよ」

僕は子爵の方に顔を向け

「ああ、もちろん。君の後ろの棚に『リチェリト』のラベルがあるだろ?それが君が探している薬だ」


リチェリトはこの国の古い言葉で「奇跡」の意味を持つ


子爵の右手にリチェリト1粒をのせる

「本当にいいんだね?」

「何度も言わせないでください」

「分かってるよ。じゃ、飲むよ」


子爵は静かに飲んで

「ここから10分ほどすれば効果が出てくるんだけど・・・」



10分後

「では、足をゆっくり動かしてみてください」

「やってみるよ」


部屋全体に緊張が漂う

すると、子爵の足が動く


「・・・う、動く・・・。動くよ・・・、リーヴェル君・・・!」

子爵の目から1粒の涙が頬を伝う


「すごい、リーヴェル君!」

「やったな、リーヴェル!」

「おめでとうございます、子爵」


何だか少し照れくさい


「でも、どうして動けるようになったの?」

「僕は最初から治癒魔法がすべての怪我や病気を治せるなんて胡散臭いと思ってたんだ。魔導書を読んでも軽いけがや病気の罹り初めなら治癒魔法でも治せるとあったんだけど、重い状態になれば効果はでない。となれば、薬で対処するのかといっても、薬だけでも限界がある。そこで僕はこう思ったんだ。治癒魔法の後に薬を飲めば治る日数も劇的に減るんじゃないかってね。1日経った怪我でも、こうして子爵が動けるようになった。それを今証明できたんだ」

「「「「・・・・・・」」」」

僕の説明を聞いてみんな黙り込む

「え、えっと・・・。何、この空気は・・・?」


「「「「「す、す・・・」」」」」

「す?」

「「「「素晴らしい!!!」」」」

何かデジャヴを感じる


「リーヴェル君、これは画期的なアイデアだよ!!」

「うんうん、これは国王陛下にお伝えしてもいいと思うわ」

「さすがだな、SSSランクは伊達じゃねぇな」

「いや、ランクは関係ないでしょ」

「リーヴェル君、これなら父も納得するはずよ」


納得ね

そううまくいくとは思えないような・・・


「これはこの件が解決してからでも遅くはありません」

「あ、まだ残ってたわね」

「妖精さんたちの・・・えっと・・・」

「探知能力ですよ、ベイデルさん」


「私たちのですか・・・」

「どうしたの?」

「いえ、そうしたいのは山々なんですが・・・」

「何かはっきりしないな。言ってみて」

「主との契約は仮契約で、この屋敷と森からは出られないんです・・・」

「か、仮契約?」

そうだ、何かおかしいと思ってたら、まだ契約は終わってないのか


「ですので、私たちの能力を活かしたいのであれば本契約が必須となります」

「確か、本契約用の魔法陣が必要だったね。今からその魔法陣を・・・。っと、子爵。この屋敷で本契約の魔法陣を書いてもいいですか?」

「ああ」

あっさりとOKをもらう


早速、右手の親指を噛んで血を出す

その血で魔導書にあった本契約の魔法陣を書く


「じゃあ、エフィリア、それにみんな。この魔法陣の中に入ってくれ」


これも初めてやることだ

できるかどうか分かったもんじゃない

が、もう後戻りはできない


僕は一度深呼吸して魔法陣に魔力を流す


魔法陣が白くなれば契約は無事に成功、変化がなければ失敗となる


頼む、うまくいってくれ!


すると、一瞬まぶしい光が解き放たれる


「ど、どうなったんだ・・・?」


光が収縮し、妖精たちの姿が少しずつ見える


「あれ?」

そこにいたのは、さっきよりも体が大きいし、胸も大きくなってるみんなの姿だ

「エフィリア・・・とみんな・・・だよね?」

「はい、これが本契約後の私たちの姿です」

「ど、どういう事なんだ?」

「私たちの長からの命で、一生仕える主が見つかるまではこの姿では行動せぬようにと受けております。つまり、仮契約だったとしても小さい体のままで行動範囲も制限されます。ですが、本契約ができたとなれば、元のこの体になります。もちろん、以前の姿でいいというのであればその姿で行動することも可能ですし、行動範囲もどこにでも行けるようになります」

「そうなんだ・・・」

「では、主。私たちに何なりとお命じください」

「じゃあ、早速で悪いんだけど、人を探してほしいんだ」

「何という名の人でしょうか?」

「ワイアット・アスター。そこにいるベイデルさんがその娘さんだ」


エフィリアはベイデルさんに近づき

「では、ベイデルさん。私の手を握ってくれますか?」

「え?」

「あなたの親を探すとなれば、身内の魔力の質はよほどのことがない限りは受け継がれますので、それを頼りに探知ができます」

「わ、分かりました」

ベイデルさんはエフィリアの手を優しく握る

その時間わずか1秒


「もういいですよ」

「えっ、もう・・・?」

「あなたの魔力の質は分かりました。では、ワイアット・アスターを探してまいります」

妖精たちはそれぞれの方角に飛んでいく



「これで見つかるといいんだけどな」


どうも、茂美坂 時治です

妖精さんの成長した姿見てみたいですね


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