↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/44

#013 楽しい学びの時間デスヨ

 

 はぁ~目の保養だったなフレデリック皇子

 ・・・性格は嫌な奴っぽかったけど・・・

 公爵が言う親睦を深めるとはいったいどの程度なのでしょう?

 まぁ、どうでもいっか。私には楽しい楽しい講義が待ってるんだから。


 食堂で朝食を摂った後、ちょっとした面倒事があったけどそのまま昼食までコルネリスにマナを集めやすい魔法のペンの使い方とか魔法陣をうまく描くコツとかを教えてもらった。綺麗な丸が描けるのは絵の上手い人だって中学校の頃の美術の先生が言ってたけど、本当に難しい。

 っていうか。魔法陣って計算式だったんだね。魔法陣から逆に計算式にもできるんだ!


「メリッサに俺のマナペン買ってもらったけど、買ってよかったね。なかったらたぶん細い線描けなかったと思うよ。マナが多すぎてどばってでちゃうみたい。ペン持ってても集中してどのくらいの太さの線を描こうとしてるのか意識してみて。」

「本当ですわ。ちょっと油断すると太くなってしまいますもの。」

 シャープペンシルとかミリペンで描くような細さの線を筆で墨で描いている感じ・・・といえばわかってもらえるかな。しかも習字の太い方の筆!せめて細筆か筆ペン位の感覚になれないと魔法陣の細かい模様が描ける気がしない。

「あぁ、魔法陣を描くところで躓いてしまうなんて・・・悔しいですわ。」

「大丈夫、慣れだよ。普通の人は慣れるまでかすれちゃうんだけどね。太く出ちゃうのを細くしようとする方が早く慣れると思うよ?」


 コルネリスが優しい。

 さっき私が辛い目にあったと思って優しくしてくれているのかもしれないし、家庭教師代をいっぱい貰っているせいかもしれない。けど過度な慰めではなく適切なアドバイスをくれる。

 あっ、でもこの人も初対面は相当失礼な奴だった。

 そうか、私になる前のメリッサが頭が悪くて高慢ちきな悪女だったからだ。

 じゃあ皇太子もそんなに悪い人じゃないのかな?まぁ私じゃなくてヒロインのマリーと末永くお幸せに~って感じだけどね。

 一応『親睦』とやらも深めないといけないし・・・あ~めんどくさ!


 コルネリスは昼食を一緒に摂った後、アンソニー先生の講義の教室まで送ってくれた。

「これから基礎(ベーシック)クラスだからそのまま初級(ビギナー)クラスも受けてみてもいいかもね。終わったら部屋に戻ってて。俺ちょっと研究室に行ってアーティファクト作ってくるから。ディナーも一緒に食べようね。ジェフリーも来られたら来るって言ってたし。」

「色々ありがとうございます。初めての受講、不安20%、期待80%ですわ。それではまた後で。」


 試験の時「君を歓迎するよ。」と言ってくれたアンソニー先生は本当に私を歓迎してくれた。しかも過度に。

 私がすんなり理解できない顔をするともう一度丁寧に説明しなおしてくれるし、なるほど~という顔をすると嬉しそうに頷いてくれる。

 基礎(ベーシック)クラスは一番初心者向けの入門クラスだからか受講者も十数人しかいなかったけれど、アンソニー先生の『私に向かって説明する、他の人はおまけ』のような態度はすこし恥ずかしい。

 でも講義が終わった後に

「今日の錬金術の講義わかりやすかったね。」

「あぁ、入学したばかりの生徒でもいたんじゃないか?」

 という他の受講者の声が聞こえてきたので少し安心した。あ~よかった。すごくわかりやすかったけど贔屓されるのは嫌だもんね。

 脳みそが新しい知識を得て喜んでいるような熱さを感じたけれど、私は調子に乗って次の初級(ビギナー)クラスも受けることにした。

 アンソニー先生が教室に入ってくると、私を見つけて嬉しそうな顔をした。

 

 「オーヴェル令嬢、基礎(ベーシック)クラスの内容はどうでしたか?数式と魔法陣の関係性については理解できたかな?」

 いきなり話しかけられてドキドキだ。

 「はい、アンソニー先生。9割方理解できたと思われますわ。」

 「もう半分以上理解できたとは本当に優秀だな。わからないことがあればなんでも質問しなさい。」

 先生は笑顔で頷いたけど他の受講生たちがザワザワしだした。なに?私が特別扱いされてる様で不快に思われた?どうしよう・・・

 緊張しながら周りの会話に耳を澄ますと

 

 「オーヴェルって公爵家のご令嬢だよな・・・」

 「たしか話が通じない程のバカだって・・・」

 「バカはお前だ!聞こえちゃったらどうするんだ!公爵家だぞ!」

 「私は性格が悪くてすぐにヒステリー起こすって聞いたけど。」

 「先生に優秀って言われてるんだぞ?その悪名高き令嬢じゃなくて婚外子とか養女かもしれない。」

 

 うわぁ・・・私ってそんなに頭悪くて有名だったんだ! 

 まぁそうだよね、ヒロインを痛めつける悪役令嬢としては徹底的な『悪』じゃないと断罪する方が悪者っぽくなっちゃうし。

 私の『この物語(イケ略)』の『悪役令嬢(メリッサ)』のheel(悪役)的役割については後で考えることにする。この世界が『イケ略の物語』だとしてもメリッサの中身は綾波理々沙であって今を生きている訳で・・・ 

 つまり、魔法やら魔法陣やら錬成やらが学べる機会があるのだから全力投球したいもんね?

 

 わはは。私は何が何でも錬金術を会得するのだ。みんな好き勝手言ってろ!

 ・・・なんだか私、こっちの世界に来てから性格悪くなった気がする。

 悪役令嬢にならないよう気をつけなきゃ・・・それもあとで考えよっ♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。