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悪役令嬢の双子姫  作者: 雨月 桜姫
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閑話 素敵なお姉様(アンジェリーヌ視点)

 

「またフィオがお熱を? まぁ大変だわ! お見舞いに行かなくては」


 フィオがまたお熱を出したという知らせを聞き、あたくしはお部屋から飛び出ました。


 フィオのお部屋はあたくしのお隣ですが、一部屋がとても広いので、お隣のドアまで少しかかります。


「あたくし、アンジェリーヌですの。フィオがお熱と聞きましたので、お見舞いに来ましたわ」


 ノックをして声をかければ、フィオ付きのメイドがドアを開けてくださいます。


「まぁアンジェリーヌお嬢様。本日もわざわざありがとうございます。毎日、お熱でもお熱でなくとも来てくださって……フィオラレーヌ様もお喜びでございます」


 フィオがお喜びですって!? まぁ嬉しいわ。


「それで、本日はどのような様態ですの?」


「はい。本日もいつもと同じでございますね。昨日は熱がなく、読書を楽しまれておりましたが……」


 フィオは体がとっても弱いので、すぐにお熱を出してしまわれます。

 そんなところもまた、守ってあげたくなるのですけれど。


「最近はフィオも一緒にお食事をしてくださいますし、お散歩にも誘っていただけて本当に幸せですの。それに、お熱も減ってきているのではなくて?」


「そうなのです! フィオラレーヌお嬢様のお熱の頻度が、最近は2日動いて2日休む……と言ったように、以前より進展が見られるのです!」


「以前は1日動けば3日は寝込んでおりましたものね…。少しずつ健康になっているようで嬉しいですわ」


 お姉様付きのメイドとお話をしながら、フィオのベッドに近寄ります。


 ベッドの上に広がる、柔らかな薄桃色のウェーブロングの髪は、まるで絹のようです。

 そっと閉じられた瞳は、開けばラズベリー色に輝く宝石。長いまつ毛が光を透かして、頬は熱のせいか桜色に上気しております。

 瞳とお揃いの、ラズベリー色の唇は、ふんわりと優しそうな色香を放ち、ほんのりと優しい香りが致します。

 窓から差し込む優しい日差しが、まるで護らんとするかのように、フィオを包み込んでいました。


「…光の姫君」


 ぽろりと、そんな言葉があたくしの口から零れ落ちました。

 どこまでも安らかに、美しく眠る姿は、まるでそこだけどこか別の世界のよう。


 光の姫とは、神話に出てくる姫君の呼び名であり、光の夫婦神の愛娘です。

 各属性の神々は、男神と女神がいて、それぞれが夫婦神となっております。

 それぞれの神の子は、その眷属として生まれることがほとんどですが、光の姫は、両親の属性をそのまま受け継いだ、唯一の姫神です。


 光の姫は、光の能力はもちろんの事、他の属性の力も持ち合わせているそうです。とてつもなく大きな力と、聡明な頭脳、美しい容姿を持ちながら、少しも驕ることはなく、神々からの寵愛を一身に受けている、神話の中でも伝説の様な存在です。

 ほかの神々の名前は分かっているにもかかわらず、姫神の名前は伝わっておらず、人々には光の姫君と呼ばれています。


 そんな光の姫君を、目の前にしているように感じました。

 あたくしの大好きなお姉様であるフィオ。

 美しく、愛らしく、聡明であり、どこまでも優しい。

 彼女の周りだけいつでも輝いて見えるのです。


「本当に…お嬢様はまるで、光の姫君のようでございます」


 フィオ付きのメイド頭であるレリアが、しみじみと頷きました。


 フィオがこの前拾ってきた、新しい執事の……確かノエルと言ったかしら? も、無言で深く頷いています。


 ほかのメイド達も、フィオに魅入っているのが分かります。


「あたくし達、もうすぐ5歳になるのですね」


 気付けば口を開いておりました。


「貴族の子女として正式に認められれば、お外に出る機会も増えるのでしょうね」


「そうでございますね。今よりももっとお外に出て、たくさんの方と関わりを持つようになられるでしょう」


「フィオは身体が弱いから、こうしてすぐ寝込んでしまいますの。ですからあたくし、フィオが出来ないことをできるように、頑張るのですわ」


「まぁ。今でも、少しでもフィオラレーヌお嬢様に近付けるようにと、大変努力していらっしゃいますのに」


「それだけではダメでしてよ。あたくしはフィオの双子ですわ。フィオが出来ないことは、あたくしがカバーして、少しでもフィオのお役に立ちたいんですのよ」


「まぁ。なんてご立派な。そうですわね。フィオラレーヌお嬢様も、健康になるように努力しておりますけれど、直ぐに治るものではございませんものね」


 レリアの言葉に、フィオや、あたくしのメイド達も優しく頷いてくださいました。


「フィオ、見ていらして。あたくしだって、フィオのお役にたってみせますわ。だってあたくし、なんて言ったてフィオの双子の妹、アンジェリーヌ・ステュアートなのですから! 」


 御屋敷中にあたくしの笑い声が、高らかに響き渡った気がいたしました。

謎のタイミングで閑話をぶち込みました雨月です。

本当にいつもありがとうございます。アンジィのお姉様信者ぶりがこれからどんどん加速してきます。

お楽しみに(?)

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