8月15日
「・・・どう?似合う・・・かな?」
そこには、真っ白なワンピースに身を包み麦藁帽子を被った花陽がいた。
「最高だよ・・・花陽・・・」
心臓の鼓動がどんどんと加速していくのが分かる。
今までにないくらい大きな音を立てており、まるで花陽にも聞こえてしまいそうなほど。
あまりにも美しすぎるその姿に見とれてしまったが、俺には時間がない。
緊張で唇が乾き、小さく指先も震えている。
それでも、俺は勇気を振る絞って言った。
「花陽・・・俺はお前のことが大好きだ!だから、だから俺と付き合ってくれ!」
8月15日の朝、昨日の楽しさの余韻にいまだ浸りながらおばあちゃんのお手伝いを行っていた。
ニコニコしながら豆を収穫していると、おばあちゃんが俺に声をかけてくれる。
「何かいいことでもあったのかい?」
「まあ、それなりにありましたね」
おばあちゃんは、笑顔でそう言ってくれた。
こうして、笑顔のご老人の姿を見ると、毎回、平和だな〜って感じるのは何故だろう。
まあ、平和なのはいいことだが。
「それはそうと、明は盆踊りの櫓は見に行ったのかい?」
「櫓ですか?確か今日やる祭りで使うんですよね。まだ見に行ってないですね〜」
というか、最近は花陽と一緒にいたので祭りのことなんてすっかり忘れてしまっていた。
「なら、朝ごはん食べ終わったら見に行っといで。次ここにくるのはいつかなんてわからないし、人のいないときの櫓ってのはまた面白いからね」
確かにそうだな。
俺の家の近くでも夏祭りや花火大会はあるが、そこそこな都会のために人も多く櫓の周りで盆踊りなんてする機会もない。
「それに、学校の裏からは花陽ちゃんのところにも行けるからね〜」
「うぇ?!ななな、何言ってるのおばあちゃん?」
「ウフフ…ほら、そろそろご飯だよ。今日はもう終わっていいからね」
ここで今日のお手伝いは終わったが、俺が知らぬ間に以外と俺と花陽の関係をおばあちゃんが知っていることへの動揺を隠せずにいた。
恐るべし、おばあちゃんの情報力。
そのあとはいつも通り朝ごはんを食べ、一旦部屋に戻った。
今日も、お昼前から花陽と会う約束がある。
それまでに、いくつか準備しておきたいものがあった。
といっても、基本は昨日買ったものをプレゼントするつもりでたので、その最終確認と服装の用意だけをし早々に家を出た。
理由としては、 今朝おばあちゃんから聞いた
分校にある櫓を見に行こうと思ったからである。
まあ、花陽と会う時間までは特にやることはなかったのでちょうどいいぐらいだ。
分校までの道にも慣れ、片手に荷物を持っていてもわずか10分程度でついてしまった。
分校の工程にあった櫓は、今までちゃんと櫓を見る機会がなかった俺にっって衝撃的なものとなった。
そのまま、かなりの時間ただ見つめていた。
「やべっ!もう行かないと!」
時間のなさに気がついた俺は、すぐさま裏の山にある道を使い花陽の家に向かった。
まあ、結局時間的には間に合ってたんだけどね。
俺はこの後花陽と会い、手元にあるプレゼントを渡してすぐさま帰宅した。
この後の夏祭りの集合場所と集合時刻を教えて、あとはさらにこちらの準備も完了した。
そのまま数時間、ドキドキしながら集合時刻まで待つ。
そして、夜6時。
俺は、集合場所にしていた分校の校門前で花陽と合流できた。
「明くん、いきなり帰っちゃうからびっくりしたよー」
「ごめんね...。俺のあげたワンピース、着てくれたんだ。ありがとね」
「こちらこそ、こんな可愛い服をプレゼントしてくれてありがとう!」
お互いに、笑顔でそう言い合う。
そこからは、小さいながらもにぎわっている祭り会場を2人で回る。
会場では、自然と手を繋いでいた。
意識しないようにしていたが、やはり何処か気恥ずかしかった。
一通り巡り終わりどうしようかと悩んでいたので、俺はある場所に行こうと提案した。
その場所とは、前に花陽が歌っていた山だ。
2人で一緒に、薄暗くて少し険しい道のりを進んでいく。
「ふー、着いたね」
なんとか前にあった場所までたどり着くと、花陽が一歩進んだ。
その姿は、この前の花陽を彷彿とさせる。
しかし、決定的に雰囲気が違っていた。
最高に楽しそうで、最高に幸せそうにした。
俺はこの時、告白する決意が固まった。
「花陽・・・俺はお前のことが大好きだ!だから、だから俺と付き合ってくれ!」
勇気を振り絞って、俺なりの全力の告白をした。
これでもし断られたら、仕方ないと思えるほどに。
経った数秒ながらも、終わりのない静寂がこの空間を包んだ。
そして・・・
「明くん、ありがとう!・・・本当にありがとう。私は、もっと明くんと過ごしていたいです・・・dから、こんな私ですけど・・・よろしくお願いします!」
夏祭りの夜、俺は花陽と恋人になった・・・
今回もお読みいただき、ありがとうございます!
時間のない中、短いながらも重要な回を書き終えました。
実を言うと、まだラストについては決まっていません。
でも、どんな形であれ自分と読者とキャラクターが最高だったと思える形にします!
ということで、明日もお楽しみください!




