神殺しの方法
「さてと、特訓しようか。」
魔王が、剣を軽く素振りしながら、僕に言ってくる。
軽く素振りと言っても、剣からなるとは思えない音が聞こえるが…。
「特訓?何のために?」
魔王の体が消え、目の前に現れる。
僕の首筋に剣を突き付けた格好で。
「殺されない為だよ。君が死んでしまえば、元も子もないからね。後、3日もすれば、勇者が来る。勇者を君に追い返してもらう。」
ほとほと、格の違いを見せ付けられる。
魔王に勝てる気など起きやしない。
「勇者を追い返す?仲間に出来ないのか?」
魔王はクスクスと笑う。
「お前、勇者が仲間になるわけないだろ。どうせ、神にお前は操られてるとか言われてるに決まってる。」
確かに、僕が神だったらそうやって刷り込んでおくだろう。
「でも、魔王が追い返した方が確実じゃない?僕の方が確実に弱いんだから。」
僕には、少なくとも剣であんな音を鳴らすコトは出来ない。
「はぁ?魔王は勇者に倒される。そういう物語だろうが。勇者の対応はお前がするしかねぇんだよ。」
「勇者は、聖剣が無くても魔王を倒せるの?」
魔王は息を吐いてから、地面に座った。
「いい機会だから言っておくけどよ。勇者は魔王に絶対に勝つんだよ。これは、100%だ。後一つ、異世界に戻る方法はいくつかあるが、確実なのは一つ。神を殺すコトだ。そして、神を殺すのに必要なモノは揃ってる。」
魔王が指を一つ立てる。
「一つ、世界に勇者がいるコト。」
魔王はもう一つ指を立てる。
「二つ、世界に魔王がいるコト。」
更に一つ、魔王が指を立てる。
「三つ、勇者以外に聖剣を使えるモノがおり、異世界転移者であるコト。」
指をまた一つ立て、四本になる。
「四つ、異世界転移者がルールを無視できる負荷者であるコト。」
魔王は握り拳を作ってから、そっと全ての指を開く。
「五つ、このルール上に存在する者が生者であるコト。」
いくつか、わからない単語が出てきたが、今現在、そのルールを満たしているようだ。
「一つ目と二つ目は簡単だな。魔王と勇者は、今存在している。三つ目が難しい。勇者しか基本的には聖剣を使えない。なぜなら、神が勇者以外に使用許可を出さないからだ。四つ目の負荷者ってのがわからねぇと思うが…。簡単に言うと、レベルが上がってもステータスが上がりにくい負荷がかけられてるってコトだ。負荷者はある一定までレベルを上げると一レベル毎に上がるステータスが桁違いに上がる。故に、最強になり得るし、神と戦える可能性がある。5つ目も簡単だな。リビングデッドとかみたいに、生ける屍になっていないとか、そんな感じだ。生きてるコトが大事。」
魔王は一気に喋ると僕の肩をトントンと叩く。
「ようするに、僕と茜と魔王は死んではいけないってコト?」
そして、僕が負荷者であるということなのだろう。
「お前がどこまでレベルを上げれば負荷を超えるのかわからないが、お前には強くなって貰わなきゃいけない。」
「ところで、レベルやステータスとは、どうやって確認するんだ?」
魔王が驚愕の顔で固まる。
「お、お、お、お前…。ステータスの確認もしないで、今まで生きてきたの?一回も?手違いとかで出たりしなかったの?」
手違いで出るものなのだろうか?
そもそも、この世界にはステータスなんて存在するのか。
「ほら、こうやって指を立てて、軽く振るとステータスが出るだろ。もしくは、ステータスオープンって言うか。」
ブウォンと小さな音が鳴って、魔王の前にステータスが現れる。
そこには、
マーウォウ・サトゥン(12)
JOB 魔王
Lv 22
HP 268000000/268000000
MP 24500000/24500000
STR 57785
DEX 37525
INT 57750
AGI 45575
LUK ???
などという情報が羅列していた。
とりあえず、僕も指を立てて、振ってみる。
ブウォンと音が鳴り、ステータスが現れる。
アスカ・サイジョウ(17)
JOB ???
Lv. 72
HP 12500/13000
MP 1500/1500
STR 357
DEX 270
INT 330
AGI 220
LUK ???
物凄く…低い。
魔王との差が凄い。
僕の方がLv高いのに。
「へぇー、Lv 72か。凄い凄い。そこまで上げてるなら、かなり楽かな?」
他にもスキルやら何やらが書いてあるが、割愛する。
魔王の名前がヤバイ。
マーウォウ・サトゥンとか、完全に魔王・サタンだ。
魔王の名前が思いつかず、適当につけました。
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