表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アポロンと悪の指輪  作者: キルビー
第二章 冥府の王と黄金の戦士たち
9/10

第八話 3人の悪

「テレスト、俺は覚悟できてるぞ。これ以上被害を増やすわけにはいかない……」


「ああ、わかってるさキャプテン」


 シンはテレストと隣合わせで後ろにソロンを連れて深層へと降りていった。


 しばらくまっすぐと歩いていき、少しずつ建物と人々が見え始めた。


「……!ここが、村なのか?……なんて、なんて酷い有様だ……」


 シンはそこで強制労働を強いられている村の人々、ウーラノス家の頑丈な建物を目の当たりにした。


 ソロンも一気に顔が暗くなり、テレストはただ無言で前を見ていた。


「ソロン、爆弾を、どでかいやつをくれるか?」


「えっ?なんで?」


 テレストがそう言いわけも分からずソロンは爆弾を渡した。


 テレストはその爆弾を持ったまま思い切り振りかぶった。


「おま……!テレストなにして……!」


 シンが言い終わるや否や、ウーラノス家の建物は鋭い爆発音と煙を上げて半壊した。


「ケホッケホッ……もう、テレスト無茶やめてよ!」


 ソロンは煙を払い除けながら言った。


「こうでもしないとあいつら出てこねえよ」


 シンはしっかり煙を落としてから、戦闘態勢へ入った。


「さあ、来い!」


 少しずつ煙は晴れていく。そしてそこにいたのは。


「……?誰だ?」


 まだシンたちが見たことのない身長がとても高い女性が立っていた。


 だが、あきらかに武装してある彼女を見てさすがに全員一瞬で臨戦態勢にはいった。


「……」


 彼女は無言のまま手から緑色の気を出しテレストへ当てた。


「うわぁ!!!……あ?」


 しかし、テレストが浮けた攻撃はまったく攻撃を受けていないと同じくらいのダメージでなんとも感じなかったほどだった。


「なんだその程度か!」


 テレストがそう言い油断したとき!


 テレストはシンに向かって斬り掛かった。


「おい!テレストなにしてんだ!」


 シンはすぐさま避けたが、テレストは混乱しているようだ。表情は不安に満ちた顔で剣を振っている。


「……俺は、俺はなにもしてない!体が勝手に動くんだ!」


「うわああ!テレストやめてよー!」


 剣を闇雲に振り落とすテレストに向かってシンは蹴りを入れた。


「馬鹿な真似はよせテレスト!」


 テレストの口から先程の緑色の気が出ていった。


「グッ……なんだったんだあれは……」


 また手のひらに緑色の気をのせた彼女は笑いながら言った。


「フフフ……その緑色の気は受けた相手のことを操ることができるの。でも意識はそのままだからね。あの不安と絶望に満ちた顔!もう一度見させて!!!」


 ソロンはかなり引いてるようだ。


「うわ……キモチワル!」


 彼女はそのまま話を続けた。


「まだ名前を教えてないわね。私は、ウーラノス家護衛隊一番隊隊長エレボス・メイデンよ!」


「一番隊隊長……前俺が死ぬ気で挑んだケールよりも強いのか……」


 テレストはそう言い、それを聞いていたメイデンは煽るように言った。


「あら残念。ケールのほうが純粋なパワーは強いわよ。ただ、私はあの牛と違ってただ突っ込むだけじゃなくて頭を使えるのよ」


 さらにメイデンは遠くに向かって誰かを呼んだ。


「もう出てきていいんじゃないのー?気づいてるわよ」


 そうメイデンが言うと、裏から巨体の体の何者かが現れた。


「お前は……!!!」


 シンが真っ先に気づき言った。


「そう大正解。私はウーラノス・ハーデスだ。久しい皆の衆。また会えたことを嬉しく思うよ!

 ……おい!クロノス貴様もう出てきていいぞ。やつは驚くだろうな……!」


 ハーデスがそう言うと、奥からまたもう一人黒いマントを羽織った何者かが靴をコツコツとならし、ゆっくりと歩いてきた。


「……君らか。はじめまして諸君。私は護衛隊総隊長の、アリト・クロノスだ」


 ソロンが口を出した。


「アリトって、テレストと同じ!?」


 テレストは冷や汗をかき引きつった顔で言った。


「親父……とうとうこうなっちまうとはな」


「親父!?おいテレスト!やつはお前の親なのか?」


 シンは驚いた表情でそう言った。


「ああ、完全に血がつながってるさ。実の親だ」


「さあて長い話はなしだ!こちらは3人、貴様らも3人!さあ誰が誰を殺すんだ?」


 ハーデスが楽しそうにそう言う。


 シンは少し考えた後テレストに言った。


「テレスト、お前は……親父をなんとかしてやってくれ」


「ああわかった。やってみるさ」


 そしてソロンにも言った。


「ソロン、俺はハーデスをやらなきゃならない。苦しいかも知れないけどメイデンをやってくれ」


「ええ!嘘!!私が倒せると思ってるの!?」


「大丈夫だこっちが終わったらすぐ行く」


 そしてシンはハーデスにこう告げた。


「おいハーデス!俺はお前を、テレストはクロノスを、ソロンはメイデンをやる!誰が死んでも文句はなしな!!」


 ハーデスは首と手の骨を鳴らし、微笑みながら言った。


「貴様らは全員違う場所でやりたまえ」


 指をパチンと鳴らすと、シン以外全員どこかへ飛ばされた。


 ソロンはメイデンと、テレストはクロノスと……


「フフフ…やってやろうじゃないか。見せてみろ貴様の力!!」


 シンは決意した。必ず勝って帰ると。


「最後の時間だ。これですべてを終わらす。お前らの一族の運命も、俺達の冒険も!」


 シンは思い切りジャンプし、ハーデスに殴りかかった。


「うおおおおお!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ