第十一話 ハーデス対シン
「さて、貴様が私にどんなものを見せてくれるか楽しみなものだ」
ハーデスは勝つことを見越して、余裕そうな表情を浮かべシンにそう言った。
「俺だってお前に負けるほど弱くはないぜ」
若干の恐怖混じりの震える声でシンはそう言う。
二人はしばらく見つめ合ったあと、シンがさきに攻撃を仕掛けた。
「衝撃の波動!」
シンの手から衝撃波が放たれ、ハーデスに当たった。
だが、ハーデスには何も効いていない。
「ふっ……笑わせてくれるわ!その程度の力で!」
ハーデスは攻撃を跳ね返した。
シンに直撃し、壁に吹き飛ばされた。
そこへさらにハーデスが突撃してきた。
「ぐっ!」
シンはギリギリで寝転がった体で腕でガードをした。
そのまま、ハーデスの攻撃を受けながらも立ち上がった。
「くそっ……攻撃力が桁違いすぎる」
シンはこれまで戦ってきた相手と違ってハーデスは規格外の攻撃力を持っていることを察知した。
そのため、ハーデスの攻撃を避けた直後に、顔に攻撃を当て、手に攻撃を当て、反対側の顔と手にも攻撃を着々と当てていった。
「こざかしい……」
ハーデスはシンを振りほどき、言った。
「貴様はその程度でここまで来たのか!」
そして、シンの手を掴み何度も頭の上で振り回し、壁に衝突させた。
「うわあ!」
さらに壁に向かって角で突進してきた。
「グハァ…!」
シンは口から血を吐いた。
「これはまずいな……」
シンはそう思い、太陽の力を解放した。
白銀の髪や額の太陽の紋章に最初は驚いたハーデスだったが、すぐにそれはなくなった。
「姿を変えたところで何が変わるんだ?その太陽の力で!!」
ハーデスは攻撃を仕掛けてきたが、シンはそれを避け、手から光線を放ちハーデスの手にダメージを当てた。
「人間が!」
ハーデスが拳を振り回したがそれをシンは避け、足に攻撃を当てた。
「この……!」
「人間が調子に乗りやがってぇぇ!!!」
ハーデスは激昂しながら、シンの首根っこを一瞬で掴み、笑いながら言った。
「貴様ら人間が勝つことは不可能なのだ!これでわかっただろう!これは貴様への罰だ!!」
ハーデスはそのまま口からビームを放ち、シンに直撃した。
「ぐあああああ!!」
シンは攻撃をもろに受けたことで、血まみれになり、太陽の輝きを少し失いつつあったが、ハーデスの手から逃げ出した。
ボロボロの服で血を吐きながらシンは最後の攻撃を放った。
「これで勝てなかったら本当に終わりだ……!やってやる!太陽の輝き!!!」
シンの手から白色の光をまとった特大のビームが出された。
ハーデスはそれに答えるように紫色のビームを片手で放った。
「悪の輝き」
2つの光が衝突し、シンの体は限界を迎えようとしていた。
「ぐ……!!おりゃあああああ!!」
シンはさらに力を強めたが、ハーデスは片手でそれよりも大きいものを放っていった。
シンの体はとうとう動かなくなり、ビームも放てなくなった。
「ぐわあああああ!!!」
シンは思い切りビームを喰らい、ある言葉が聞こえた。
「さすがはアポロンだったな。だが、今のボロボロの貴様をここで殺しても面白くない。私は天空の島で待っている。面白いものを見せてやろう」
その言葉を聞こえたシンはそのまま気絶した。
数時間後。
シンは目を覚まし、近くにハーデスがいないことに気づいたあと、ソロンのもとへ向かうことを思い出した。
「ソロンが!行かないと!」
だが、そこにはソロンがすでにメイデンを倒していたのが見えた。
だがソロンは疲れ切った体を動かせずただ待っているだけだ。
「ソロン!!お前これ一人でやったのか!?」
「うん。でもちょっと無理しちゃったけどね。ところでシンはどうしたの!そんな体で!本当はもう動けないでしょ!」
シンの服は破れ、血まみれの体で立っていたからである。
とうとうシンの体は限界を迎え倒れ込んだ。
「う……もう俺も限界だ、な……」
「シンー!!!」




