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しおりを使ってなにが悪い!  作者: おじいちゃん
5/6

とりあえず読書







 死神(グリム)さんの案内のもと、部屋に着いた俺は、椅子に座っている。そして、その目の前にある机には、重ねられて置かれている本がある。




 最初は何の本を読むか悩んだものだが、悩んでいるときに、「他の勇者様達が読んだ本などはどうでしょうか?」という事を聞いて、お願いしていたのだ。




 そして、目の前にある勇者達が読んだという本は、だいたいがやはり魔法に関係する本だった。そのなかでも、「魔法の使い方~これであなたも立派な魔法使い!~」という、なんとも題名だけ聞くと何故かイラッとくる本を最初に読むことにした。




 本を読むにあたって、1番最初に思ったのは、字が日本のものと変わりがないということだ。




 今まで読んできたものだと、異世界への召喚、転生系の物語は字を学ぶところから始めるのがあったので、テンプレ通りではないようだ。




 読んでみて、魔法は詠唱を唱えたり、無詠唱で相手に向かって攻撃をするという、今まで読んできたラノベからそんな想像をしていたが、全然違った。




 魔力というものは出せるらしい。だが、魔法を打つためには、なにかしらの〈物〉を通さないといけないらしい。




 だいたいの人は、杖や木刀を通して魔法を使うらしい。そして、いざ発動するときには、明確な、はっきりとしたイメージが必要で、魔法を打ったあとは軌道修正くらいしかできないらしい。




 〈物〉を通すというときに、木刀ぐらいなら、そのまま剣や刀の方がいいんじゃないか?と思ったが、剣や刀といった金属が少しでも入っているものには、魔力は通らないらしい。そのため、敵が近づいて攻撃してきたときでも対処できるようにするために杖や木刀を使い、使い手はそれぞれでそれぞれの〈物〉の使い方を完璧に使いこなせるように練習しているのだ。




 それは、人間も魔人族も変わらないようだ。しかし、魔力が多いのは魔人族のようで、防戦一方だったときもあるそうだ。だが、魔人族は魔力が多く、人間族は人数が多かったため、実力は拮抗し、いつまでも決着はつかなかった。




 そこで人間族がとった行動は、勇者の召喚だった。制圧を望む者もいたそうだが、勇者達によって和平条約が結ばれたため、再び争いを起こそうと考えるものはいるそうだ。




 しかし、魔人族にとっても、人間族にとっても、もっと厄介な奴らがいた。それは魔獣と呼ばれている。




 魔獣とは、魔人族や人間族のように〈物〉を通さずに魔法が使えるのだ。そのため、勇者達は魔獣を理由に和平条約を結び、また、それをもとにして魔獣の件が終わったり、なくなったとしても条約を続けられるように手を打っているらしい。




 和平条約に関することや、魔人族や魔獣のこと、魔法を使うにはどうするかなど、いろいろと読んでいて気になったのは、魔力を通す〈物〉は、だいたいが杖や木刀と書いてあったのだが、それ以外では何を使うのかなどが気になった。そこら辺はまた後で誰かしらに聞くとしよう。




 そうして読書を続けること、約3時間。すると、突然ドアがコンコンコンコンとノックされた。




「和希様。お食事の用意が出来ました」




 どうやら、食事の準備が出来たようだ。本音を言えば、飯なんかより読書の方に集中したいが、流石にそれは失礼かと思い、今読んでいるページにしおりを挟む。召喚されたのはカバンを置いてくる前だったため、カバンも持ってくることができていて、筆箱(常に筆箱に文房具を入れるところと、しおりを入れる専用に分けていた)からしおりを取り出して中断することがあっても大丈夫なように近くに置いていたのだ。




「分かりました。少し待っていて下さい」




 名残惜しいが、また後で出来るのだから、食事にするとしよう。




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