え?あれ、ないの?
「そういえば、魔法のことなんだが、魔法の使い方とかやり方とかは読んだんだが、実際の魔法はどんな感じなんだ?」
魔法のことに関しては、少しは本で読んだのだが、実際の魔法のところはまだ読んでいないため、どんなものかというのはまだはっきりとは分かっていないのだ。ゲームやラノベの世界のように、属性とか、稀に周りとは違うことができる、みたいなこともあるのだろうか?
「魔法ですか、そうですね。意外かもしれませんが、魔法は生活の中でも、よく使われております」
「例えば?」
「料理をするならば、手にする調理器具に魔力を流して火加減の絶妙な調節をしたりすることで、とても美味しい料理を作ることができます。掃除をするときは、部屋の隅や端の方にある、ホウキ等でもなかなか掃除がやりづらいところに、ホウキ等に魔力を流して風を送って掃除をしたりと、実に様々な使い方があります。」
「戦うときなんかは、魔法はどんな使い方をするんだ?」
「戦うときは、剣や刀での接近戦だけをする者と、木刀や杖を持って魔法を打つ者で、それぞれが前衛部隊、後衛部隊として動きます。どこの戦でも、基本は後衛部隊が魔法を打ってからの接近戦が主な戦い方です」
「どんな魔法を打つんだ?」
「炎や氷の固まりを打ったりします。魔法の使い方が上手な方は、魔法を打つ前に自分の傍で魔法を発射する前の状態を保ったまま、爆薬を着けてから打ったり、ということもしますね」
「身体強化とかってのは、使わないのか?」
「しんたいきょうか?それはどんなものでしょうか?」
「(身体強化を知らないのか?…まさか、そんな魔法がないのか?ファンタジー世界じゃみんながみんな使う魔法のはずだが…)身体を一時的に強くする…とか?」
「………いえ、そのような魔法は聞いたことがありません」
(やはり身体強化はないのか?…そうか、この世界での魔法は〈物〉に魔力を流してから打つから、自分の身体を〈物〉として使うという発想がないのか?)
「こちらにどうぞ」
考え事に集中していたのか、食堂に着いたみたいだ。ちなみに、ここの食堂はこの城で働いている人(メイドや執事、王も含めて全員)がここで食事をとるらしい。
「すぐにお持ちいたします。少々お待ち下さい」
今の時間はまだ誰も居ないようだった。誰か知らない人に話しかけられるのも面倒だったため、丁度良かった。
飯は野菜炒めみたいなのに、焼いた肉と米を食った。肉が思ったよりも美味くて、なんの肉か聞いたら、家畜に魔力を与えて魔獣にしたものだそうだ。
この世界での本はまだまだ分かっていないが、食事については言うことなしだった。




