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その四十三
二時間ほど先のように話し合う。
おかげさまで『衝撃! 宇宙人ともおしゃべりしちゃう神秘の生物マーシシマイ!』のシナリオは、概ねできあがった。大筋はつぎのようなものである。
まず第一のシーンは、海辺で花火をたのしんでいる沼口探險隊のひとりが、
「隊長、マッチがもうありません」
と沼口隊長に報告し、近隣の島民にチャッカマンを借りに行って、そのついでに風でバサバサしつづけていたブルーシートの重石になるようなものも貸してもらい、重石は民吾氏が普段地道に制作しているエリマキトカゲの焼物で、隊員たちは最初、
「隊長、これ、かわいいですね」
などと、ほほえんだりくつろいだりしているのだけれど、岩影から突如あらわれたマーシシマイにそれを横取りされてしまって、隊員たちは、
「隊長! いまの生物は、いったい何なんですか?」
と一人ひとり、ローアングルのカメラに正対するかたちで質問して、じつはそのためにこの島に隊員たちを連れてきていた沼口隊長は、独自に調査していたマーシシマイの存在を隊員たちにここではじめて打ち明ける。
第二のシーンでは、島民の方々にこの伝説の生物についてたずねまわり、マーシシマイは本来ご飯党だが、おやつにはゲテモノもけっこう食べていると聞き、隊員たちはエリマキトカゲの焼物を横取りされた理由を知る(たずねまわっている最中にサイダーの空き缶とマカロニサラダだけ手を付けていないホカ弁の食べ散らかしを発見するが、それは謎のままにしておく)。
第三のシーンでは、エリマキトカゲの焼物を長年こしらえているM・M氏(三原民吾さん)に話をうかがいに行く。
しかし、エリマキトカゲを制作するさいは、ケガ防止のためにかならずクロスピンクの変身プロテクターを装着しているM・M氏は、沼口探險隊にマーシシマイの人となりをかなりもったいぶって話すと、
「焼物を分けてほしかったら、まず、エリマキトカゲの気持ちを知ることね」
とヘルメット越しの金髪をかき分けて、また工房にこもってしまう。
第四のシーンではウインドブレーカーで〝エリマキ〟をつくって、がに股で海辺を走っている隊員のひとりが、猛ダッシュしてきたマーシシマイにいきなりタックルされ、食べられそうになる。
それでもクロスピンクのプロテクターを装着したM・M氏が、マーシシマイにどんぶりいっぱいのマカロニサラダをみせて、宇宙語っぽく「♪ ゲラ、ゲラ、ゲラ、ゲラ、バーリア~」などと叱ると、マーシシマイは渋々どこかに去って行き、気を失っていたその隊員は風呂敷などでエリマキをつくってエリマキトカゲの気持ちをすこしでも知ろうと必死にそこらへんをがに股で走りまくっていたほかの隊員たちにやがて助けられる。
第五のシーンでは、工房にこもっているM・M氏に、どうしたらマーシシマイとの正しい接し方を教えてもらえるだろうかと、隊員たちは三原ホテルの一室で考え込む。
そのとき、となりの部屋から他界されたご主人さんと交わっているさおりさんの声がきこえてくる。
ご主人さんは小股の切れ上がったさおりさんを激しく求めているが、そのセリフもさおりさん自身がすべてこなしている(この場面はわれわれがセリフを決めないで、さおりさんの好きなように交わってもらう)。
第六のシーンでは、さおりさんの部屋の障子に穴を開けて交わりを観察しているマーシシマイと宇宙人(カズマサ・コウノの股引きをはいた中津川さん)を、がに股ウォーキングから帰ってきた沼口隊長が目撃する。
しかし、となりの部屋でドンジャラをしていた隊員たちがあわてて現場に行ってみると、マーシシマイも宇宙人(中津川さん)もすでに消えていて、
「隊長、これはいったい、どういうことなんですか?」
と隊員のひとりが質問すると、隊長は、
「バカヤロー! そんなことも、わからないのか! ヤツらは、宇宙のなにかを調査するために、宇宙的な例のナニを観測していたんだ!」
とこたえる――まあこれが前編である。
「お二人さん、お腹すかないかい?」
「すきました」
「わたしもすいてます」
「なにか出前取るか」
「はい」




