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家族に家から追い出されたので、悪役令嬢を矯正します!  作者: 雲乃琳雨


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36/40

36、男爵家の最後

「お嬢様! 大変です! これをお読みください」


 マクレガー子爵邸では、ピニオンが食堂で朝食を取っていると、マイクが慌てて新聞を持ってきた。


 私は新聞を見ると、一面には「悪魔崇拝教の摘発」と書いてあり、そのメンバーの中にアーヴィンとサンディがいたのだ!


「アーヴィンが! 何てこと!?」


 内容には、数日前、悪魔の召喚儀式を行っていたアジトに、王室の聖騎士団が踏み込んだ。中では、全員がぐったりとした様子で倒れていて、全員を捕まえて警備署で聴取したと書いてあった。

 貴族も数人いて、本人だけの罪として家は残されるが、ダジメント家だけは、前当主が罪を犯したこともあり取り潰しが決定した。メンバー全員が処刑される。


 モントルで行方不明になった若い女性たちの中には、生贄にされた者もいたということだった。それ以外の悪魔崇拝教の詳細については、影響を考えて書かれていなかった。

 ダジメント家のクイーン領は、王家の管轄になると書かれていた。クイーンのワインは、王家にとっても重要よね。


 王子があのときモントルに来ていたのは、作戦のためだったのね。私はしばらく考え込んだ。

 アーヴィンが入信したのは、賠償金のことじゃないかしら? はっきりしたことが分からないから、今はモヤモヤするわね。私はマイクに聞いてみた。


「賠償金はどうなるのかしら?」

「債権者に向けて清算がされますので、まとめて支払われると思います」

「そう」


 それは良かった。これで、ダジメント家は終わったのね……。



 後日アーヴィンたちの処刑が行われた。リーダーのディランだけは、浄化のために火あぶりの刑で執行されすべてが燃やされることになる。アーヴィンたちの最後の言葉が新聞に載っていた。


 アーヴィンは粗末な固い麻の囚人服を着ていた。死刑は聴衆の前で行われる。人々に考えさせるためだ。見届け人が、アーヴィンに聞いた。


「最後の言葉はあるか?」


 アーヴィンは座っているサンディにゆっくりと目を向けた。


「僕はどこで間違ったかずっと考えていた。婚約者がいる身でありながら、僕は君と恋に落ちた。それが間違っていたんだ。君に恋をしなければ、こんなことにならなかった」


 サンディは、その言葉にカッとなった。


「私だって、貴族ならあなたじゃなくても、誰でも良かったのよ!」


 それを聞いて聴衆は唖然とした。二人は最後に決別した。



 この記事が載ったのは、貴族と平民の結婚に一石を投じるためだろう……。

 でも、アーヴィンは分かっていない。お父様は、婚約をやめるつもりだったし、私もアーヴィンとは結婚するつもりがなかった。結局、アーヴィンはサンディと恋に落ちたのよ。結末は変わらなかったと思う。


 私は、結婚相手としてアーヴィンに不満があった。でも人として、嫌いじゃなかったと思う。だから、家の取り潰しまではせずに、情けをかけたのよ。——ため息が出た。


 後日、夫人はアーヴィンの遺体をダジメント家の墓地に埋葬すると、実家に帰った。平民の場合は近所の目があるから、サンディの家族は遺体を引き取ることができなかった。サンディは、罪人の墓地に埋葬された。



 伯爵が訪ねてきて、取り締まりの経緯を話してくれた。応接室で座って話を聞いた。伯爵は、王子から話を聞いたそうだ。

 サンディが私が悪魔崇拝をしていると考えたそうだ。なんなのそれ! 悪魔とは知り合いではあるけど……。やはり、賠償金のことがきっかけだった。夫人に対しても二人が不満を持っていたことが分かった。それを聞いて、アーヴィンとは永遠に理解し合えないことが分かった……。 


「お前の名前が名簿にあったそうだが、それは偽物だった」

「そうでしょうよ!」


 私は腕を組んで、フンッと斜め上を向いた。


「集会で、サルティーが現れたそうだ」

「え!?」

「集団は、サルティー教と言っていた」

「あいつ、宗教を持っているの?」


 この国の悪魔なら、おかしくないか……。思った以上にヤバい奴だったわ。


「その時初めて、召喚に成功したということだ」


 伯爵の話で、サルティーが生贄は必要ないと言ったこと、アーヴィンを指名したことが分かった。気になったのは、


『みんな我が糧となれ』だ。


 みんな倒れていたから、実体化するためにエネルギーを吸い取ったのかな。結局アーヴィンは死んでしまった。どういうことだろう?


「それよりもっとおかしなことが起こった。エレオノーラが、アーヴィンとサンディに騙されて、生贄として呼び出されていた。そこで、ステンと会ったんだ」


 何ですって!? 会うことがあったよ!


「ステンはエレオノーラを気に入って、親子ともども城に連れ帰った。ソルビエとエレオノーラは今、城で暮らしている」

「嘘でしょ!?」


 私は心の中で、顔を両手で押さえて、驚愕の表情をした。王子に平民を勧めたけど、よりによってエラとは!


「ステラから、助けてほしいと手紙をもらったので、首都に行くことになった」

「でも、エラには悪魔が憑いているでしょう?」

「ステンが言うには、怖い思いをしたことで悪魔が離れて、今は憑いていないそうだ。俺にももう憑いていないし、お前にも憑いていない。ソルビエの中デビルも祓ったということだ」

「そうですか」


 心を入れ替えたのかな? 気になることがある。


「二人は罪人だからどうすることもできませんよね。手元に置いておくことはできるけど……結婚しなくてもいい主義だからでしょうか?」

「ああ、そうだな。だが、立場上それは問題だ」


 伯爵も腕を組んで、頭が痛い顔をしていた。


 その後、ステラから来た手紙では、アーヴィンとサンディの悲劇が首都で芝居になって、私がピグミーという名の悪役令嬢として登場しているらしい……。もちろんモントルでは、公演禁止になっている。


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