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第119話 内乱回避に向けて

 エクランドの旅団の馬車が、順次エイサム領に入って行く。行き先は、先発隊がつなぎを取った、エイサム騎士団の詰所だ。


 各領地の騎士団は、基本的には領主麾下であるものの、今回のような領主逝去や内乱勃発となった場合、王国直轄の騎士団となる。そのため、他領の騎士団に対して、要請があった場合、協力する義務が生じる。


 昼少し前に、全ての馬車が詰所前の広場に到着。各小隊が降りて整列していく。小隊は全部で6隊。総勢72名。団長と副長は、小隊長も兼務している。客分である、アマゾネスたちは含まれていない。彼女らを含めると、総数は75名だ。


 各小隊長が詰所に入り、エイサム騎士団から状況説明を受けることになった。詰所の中は雑然としており、現状がかなり厳しいことが見て取れた。


「エクランドの諸君、遠路遥々、ご苦労様でした。諸君の助力、感謝申し上げる。

 現在の状況は、正直なところ、危うい状況だ。当領内の部族構成は把握されていると思う。戦闘を好む5つの部族が存在するのだが、そのうち3部族が手を組み、残りの2部族を潰そうと考えているようだ。大規模な内乱に発展する可能性が高まっている」


地図を指し示しながら、それぞれの部族の集落等に印を付けていく。3部族は領地の南東側に横並びで位置している。一方の2部族は、今いる詰所を含め、山を背にした形だ。


「詰所の位置が2部族の集落内のようだが、領主館の位置は?それと、2部族についてだが、こちらに友好的と見ていいのか?」


と、ワシが聞いた。


「領主館の位置は、これより北東に15分ほどのところです。2部族については、我々騎士団に、概ね友好的です。少なくとも、詰所と領主館の周りの部族については友好的です」


概ね、ね…。ここの集落がアマゾネスの拠点なのだろう。


「衝突が予想される場所は、どの辺りと見ている?」


と団長の問い。予想される場所にエイサム側の団長が『×』を書き込み、それを中心とした楕円形で囲んだ。


「予想される場所はここです。が、衝突が起きる前に、何とか止めたいというのが本音です。エクランドの諸君の各小隊と我々とで、手分けして各部族に対して、調停の申し入れを行いたいと考えています」


「調停申し入れについて、何か根回しはしているのか?いきなり行っても受け容れんだろう」


「各部族の首長や上層部に対しては、調停申し入れの根回しはしています。ただ、末端に行くに従って、好戦的になっていきますので、なかなか部族全体に浸透しているとは言い難いですね」


となると、各部族の首長たちには、末端を押さえてもらわんと、こちらがヤバくなるな。


「各部族の首長と上層部を、領主館に集められないか?」


「何の目的で?」


「もちろん、名目は調停・停戦に関して合議をおこなうというもの。裏は、言い方は悪いが、我々が首長たちを人質に取る形だな。首長の指示を無視した場合、首長はおろか、その部族については、領地からの追放等の処置を取る。っていうのはどうだ?」


好戦的な戦闘集団と言っても、末端はチンピラ風情で、頭を取られりゃ何もできなくなる。自暴自棄になって勝手に自滅してくれるだろう。と付け加えた。


「なるべく内乱に発展させず、戦火を交えることなく停戦に持ち込むとなると、マモルさんの言う通りかも知れませんね」


とエクランド副長のロアン。


「マモルさん、とは?」


とエイサム騎士団の団長。


「エクランド領主よりナイトの称号を賜った方だ。当然、国王陛下からの承認あってのものだから、正式な『王国のナイト』ですよ」


と副長が答えた。


「そのような方が来て下さったのですか⁉︎ 領主館での合議の話、ぜひ進めましょう!呼び出しには、ナイトの方がいることも伝えます!」


と、一気に慌ただしく動き出した。大丈夫か?それにしても『王国のナイト』?大層なモノになったなぁ…。実態は、ただのハンターであり『鍛治屋のオッチャン』なんだが…。


 各部族への合議の呼び出し状を作成し、エクランド、エイサム両騎士団長とともに、王国のナイトとしてワシも署名した。内容は、


・停戦に向けた合議に必ず出席せよ

・反した場合、部族全体を領外へ追放する

・首長不在時に騒ぎを起こした場合も同様

・既に王国にも伝達済みで、国王了承済み

・処罰については『王国のナイト』の名においてこれを行う


旨が記載されている。合議自体では、以下について話しをすることになる。


・王国仲介による停戦調停を受け入れるか否か

・否である場合、その理由は何か

・受け入れる場合、求めるモノがあるのか、等


その日のうちに各部族の首長に配布され、全部族の首長参加が確定した。開催は2日後の昼から。中1日置いた理由は、部族内でも協議の時間を設ける目的と、約束事を徹底させるためだ。領主館にも話しを通して、合議当日の首長たちに振る舞う軽食の用意も頼んだ。意外と早く、ことが進んだ。


 中1日で、各部族がどのような協議を行うのか。好戦的とは言っても『流浪の民』にはなりたくないだろう。『戦争』なんでモノもゴメンだ。停戦調停を受け入れてもらうのが一番だ。

今回は(も)ここまでです。


巷では「COVID19」の感染拡大がすごいようです。様々なイベントがキャンセルされています。


読者の皆様も体調には充分お気を付けて下さい。

では、また…。

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