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第120話 停戦合議・前夜

こんばんは。今回の更新分、アップします。

 エイサム騎士団が手配した宿に、全員が宿泊することになった。騎士団は領主館近くの、騎士団の宿舎だが…。メシも旨く、エールもある。文句はない。部屋もキレイだし、風呂も付いている。今までの宿と同じ。


◇◇◇◇◇


 マルタと濃密な『自主規制』の夜を過ごし、翌日『停戦合議』の前日を迎えた。


◇◇◇◇◇


 両騎士団とともに、『万一の対応』について話し合い、昼を挟んで、対処方法や持ち場、陣形などを決めた。


 昼の合間に、詰所近くの修練場を覗くと、ハンター、冒険者ともに、個々の技を確認していた。マルタは魔法使いの弟子の面倒を見ていた。コーダとチャッキーも、自分の型を確認していた。


「コーダ、もっと腰を落とせ。安定しないぞ。腕を振り回して斬るのでなく、腰を支点に、身体全体で斬るんだ。チャッキーも同じだ。もっと腰を回して。そう、その感じだ」


と、ついついワシも口を出してしまった。


 騎士団との会議の間は、飲み物(水とコーヒー)と軽く摘めるモノ(ドーナツのようなモノやサンドイッチ的なモノ)が供された。前世と違い、タバコもOK。ただ、騎士団にも数名女性がいて、彼女らからは、白い目で見られたが…。


 陣形を決める際には、エイサム騎士団の経験がモノを言った。相手の各部族を知っているため、対応しやすい陣形を知っている。これにはかなり助けられた。どの部族は武器が何で、どういう戦法が多いとか…。こちらも騎士団との合同小隊のため、剣士、槍持ち、射手、そして魔法使いと、わりと対応に幅を持たせることができる。


 話し合うことも多かったが、こんなに時間を費やすとは…。ほぼ1日、缶詰めに近い状態。女性陣はタバコの匂いが着いたと、文句たらたらだ。


 宿に戻ると、食堂ではメシの準備が始められていた。コーダとチャッキーの姿があったので、2人のところに行った。


「コーダ、ちょっといいか?」


「なんスか?」


「お前にこれを預けておく。使わないでいられればいいんだが…。万一の時に、な。」


と、ワシの短刀を渡した。


「やるんじゃない。預けておくだけだぞ?普通の二刀流よりも短くなるから、あくまでもコイツは防御用だ。間違うなよ?ただ、安物の剣なら、鉄をも斬ることができる」


「これって…。二刀流、封印解いてくれるんスか⁉︎」


「あぁ、だから一時的に預けておく。帰ったら、チャッキーと同じように作ってやるよ」


まだガキだな。嬉しそうに…。コイツらが命を落とすことのないように、ワシらが導いてやらないとな…。


 部屋に戻るとマルタが何やら作業をしていた。


「ただいま。何してんの?」


「あぁこれ?弟子に渡す魔石に、魔法陣刻んでるのよ。いくつか用意しておいたの。何かあったら、手投げの爆弾になるからね」


物騒なモノを作ってた…。


「先に風呂入るよ?」


「はいはい、後から入る」


と、まぁ幸せな会話だ…。


 2人で風呂から出て、揃って食堂に降りた。降りてびっくり、ブッフェのようになっている。


「なんだ、これ?」


宿の主人が、


「騎士団の方から、このように用意しろと言われまして…。なんでもここが一番広いんで、皆さんが集まるようです」


なるほど、停戦合議が上手く行くことを願い、またみんなの結束が強くなることを祈り、パーティのようにしたか。よく考えたな。


 食堂には宿泊しているエクランドのハンター、冒険者だけでなく、両騎士団も揃い始めた。


 エイサムの騎士団長の乾杯の合図で、パーティが始まった。両騎士団の団長、副長と一緒にエールを飲む。騎士団の女性陣が、食事を運んでくれた。マルタを探したら、魔法使いの弟子と一緒に、チャッキー、コーダと飲んでいた。


「エールのおかわり、いかがですか?」


エイサム騎士団の女性が声をかけてくれた。ありがたく受け取り、話しをしようとしたところ、エクランド副長のロアンが、


「この人、奥さんも一緒に来てるよ?既に売れたオジサマより、若くて独身はいっぱいいるよ?」


「ロアン、テメェ…。人を踏み台にするか?」


「いいじゃん、マモルさんは奥さんいるんだから…」


奥さんいたら、話しちゃいけないのか?気が抜けて、天井を仰ぎ見た。脇の方で


「クスッ」


と微かに笑う声がした。見るとアマゾネスの2人、ミーシャと、彼女き付き添われたカレンがいた。


「こら、笑うな。オッチャン、落ち込んでるんだから…」


「あ〜、また若い子と仲良くして…。ほら、2人ともコッチ来て」


とロアンが2人を招く。


「あら、ミーシャじゃない!久しぶりねぇ」


と、エイサムの女性騎士が声をかけた。


「さすがに地元だな。2人は知り合いか?」


「ミーシャは騎士団に何度もスカウトされてるんですよ。でも入らない。妹のカレンも、なかなかの腕前ですよ」


「あぁ、そうだな。この2人には、騎士団員でも敵わないヤツらが多いだろうな」


へ〜、そうなんだ。2人ともなかなからのレベルだな。


「いや、このマモルってナイトは、すごいよ。アタシが彼の殺気で動けなかったからね」


「「「えっ?」」」


周りにいた騎士団の面々にドン引かれた…。


「マモルさん、彼女たちに殺気放ったんですか?」


「あ?あぁ、初めて会った時、ヒースとアランと飲んだ時に、少し揉めてな。その帰り道でミーシャたちがワシを襲って、いや襲おうとしたんだ。その時にな。でもその時に話しができて、今日につながってる」


 翌日話しを聞く場を設けたこと、内容が今回の件だったこと、それからすぐに旅団が編成され、出発したことなど、差し支えのない話しをした。夜襲の時のことを話題にしたら、カレンがかわいそうだ。


 徐々に雑談になり、ロアンは女性陣を口説き、マルタは眠いからと、いつの間にか部屋に戻っていた。


 あ〜ぁ、ワシ1人やん…。酔ったわけではないが、夜風に当たって来よう。エールのグラスを持って外に出た。ベンチに腰を下ろしてタバコな火をつけた。後ろから足音が聞こえる。振り返るとカレンがいた。


「どうした?ミーシャと一緒じゃなくていいのか?」


「隣、座っていい?」


顔を赤らめて、俯きながら聞いてきた。カワイイ…。いかん!オッチャン、暴走しそう…。先日は暗かったことと、背後からだったことで、あまり顔は見えていなかったが、今日は明るいところで見た。童顔の巨乳ちゃん。イケナイ妄想しか頭に浮かばん…。


「この間の続きを…。近くに住んでる部屋があるから…」


ダメだ、抑えきれる自信はない!こりゃ『自主規制』モード突入確定だな…。

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