エピローグ① 『ヴェリタス日報』文化部
コンラート・ヴァイス氏、無実確定 ──一年前の醜聞は捏造 俳優ヴィクトール・ケストナー氏を訴追へ
昨夜、青銅座にて上演された仮面劇『流れ星の帰り道』の公演中、俳優ヴィクトール・ケストナー氏が観客の面前で、コンラート・ヴァイス氏に対する一連の醜聞が自らの謀計であったことを認める発言を行った。記録所の記録官が現場に立ち会っており、発言は正式に記録された。
本紙が半年にわたり収集した資料と併せ、事件の全容は以下の通りである。
問題の写し絵は、祝宴の夜、ケストナー氏の意を受けた興行関係者が撮影したものである。当夜ヴァイス氏に接触した夫人は、金銭および今後の便宜を条件にこれを引き受けており、夫である興行界の有力者P氏はこの経緯を一切知らされていなかった。P氏は本紙の取材に対し「妻に欺かれていた。ヴァイス氏には、詫びる言葉もない」と述べ、離縁の意向を明らかにしている。
写し絵は撮影後、前後の記録を意図的に削除され、一枚のみが『ランタン報知』に持ち込まれた。同紙をはじめとする三社の記者に対し、総額千二百ゼルダに上る金銭が渡っていたことも確認された。
なお本紙は、事件直後にこの写し絵の不自然さを指摘する記事を用意していたが、掲載を見合わせた経緯がある。本紙はこれを、報道機関としての重大な過失と認め、読者およびヴァイス氏に対し、深くお詫び申し上げる。
(文化部・エルシー・ヴォーン)




