第二章 ①王様カット
「今日から君は王様にゃん!」
と宣言した猫は、少年の頭をじっと見つめました。
「……でも、そんなボサボサの髪の王様はいないにゃん。まずは美容室に行くにゃん!」
少年は家に帰り、母親に事情を話しました。
そして美容院に行くお金をもらい、水色の猫と一緒に美容院へ向かいました。
カランカラン。
「いらっしゃいませ。本日はどうされますか?」
猫が胸を張って言いました。
「王様カットにしてほしいにゃん!」
美容師さんは少し考えてから、
「なるほど。では、どんな王様がお好みですか?」
猫は少年に尋ねます、
「君はどんな王様がいいにゃん?」
美容師さんも言います、
「たくましい王様、かっこいい王様、知的な王様……いろいろありますよ」
少年は鏡を見つめました。
そして、小さな声で言いました。
「……さわやかな王様にしてください」
「承知しました!」
美容師さんが少年の髪を整えていきます。
ボサボサだった髪は、少しずつきれいになっていきました。
少年は鏡の中の自分を見て、驚きました。
「これが……僕?」
水色の猫は、満足そうにうなずきました。
「そうにゃん。
王様らしく、背筋も伸ばすにゃん!」
少年は姿勢を正しました。
すると、さっきまで下を向いていた少年の顔が、少しだけ上を向きました。
「なんだか……強くなった気がする」
猫はニヤリと笑いました。
「さあ、本当の王様になるのは、ここからにゃん!」
少年はまだ知りませんでした。
王冠をかぶっただけでは、本当の王様にはなれないことを――
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