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転移の法則〜二十歳で始まりいつか終わる〜  作者: 水たまりに傘と青
檜田 茉莉花の桧暮らし(願望)〜家主によって邪魔される居候のスローライフ〜
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4.Marika's Slow Life

「どー?

 うちの飯美味かっただろー?」


「はい。

 満腹です。

 もう食べられない。」


 少し食べすぎた気もする。

 よって喋りながら食休みだ。


「マリカちゃんってこの街の人じゃないよね。

 どこから来たの?」


「がふっ!

 えほっえほっえほっ!」


 急にそんな質問やめてくれ。

 心臓に悪い。


「え、大丈夫?」


「だい、大丈夫です。

 驚いただけです。」


 どうしようこんな時のための言い訳は考えてなかった。


「言いたくないならいいんだけどさ。

 初めて見る顔だったから今日声かけたんだけどね。」


「ごめんなさい、あんまり言いたくないです。」


 あんまり嘘はつかない方がいい。

 嘘をついて、綻びを突かれたらどうなるかわからないから。

 多分この人は信用できる。

 話しても「へー、そうなんだ」くらいで止めてくれる。

 でも、何かお国的にまずかったら?

 言っても確実に安全だとわかるまでは誰にも秘密。

 そうしないといけない。


「そうだよねー。

 お家がなくなるようなこと、いえないよねー。」


 犯罪者だと思ってる!?

 でも不敬罪とか罪に関しては全面的に全力回避の姿勢を見せたし。

 怖いんですけど!

 含みのある言い方しないでよ!


「そーゆーことはいつか話しますから。

 今はもういいでしょ。」


 本当に。

 “いつか”話そう。

 いつになるか知らないけど。


「まそっか。

 約束ね。

 契約書書く?」


「そんな怖いことしたくないです。」


 また笑う。

 やっぱこの人ゲラだ。

 いやでもそうでもない?

 ………。

 私の返事の全てを面白がっているだけでは?

 うっっっっわ。

 昔っから言い負かす方は苦手なんだよな。

 言い負かされはするけど勝てない。


「そろそろ寝よっか。

 朝と夕方に散歩してるんだけどさ。」


「あ、その夕方の散歩でわたし見つけたんですね?」


 なるほど。

 たまたま外に出てきたわけではないらしい。

 いい領主様だ。


「そうそう。

 それで、散歩くる?」


 どうしよう。

 行きたい気持ちは山々だが、領主と散歩は怖すぎる。


「護衛はずっとついてるからその辺は安心してね。」


 今日はいなかったよね?

 もしかして物陰からずっと見守ってたとか?

 本当人の目とか気にしないんだなこの人。


「…………。

 何時くらいからですか?」


「8時かなー。

 早く街に出過ぎても人少ないし。」


 それくらいの時間なら、起きられる。

 多分。


「じゃあ、同行させてもらいます。

 でも、領主が何処の馬の骨ともしれない女と歩いてていいんです?」


「まあいいんじゃない?

 いざとなったら、ね。」


 いざとなったらなんなんだよ。

 なにが「ね」なんだ。

 もう少し詳しく説明してくれてもいいと思うんだけど。


「ま、そう言うことだからじゃおやすみ。

 ユウとミレーはしばらくマリカちゃんのお世話よろしくね。」


「「かしこまりました。」」


 メイドさんなんていなくてもいいのに。

 お貴族様と違って自分のことは自分でできるから。


「トーアさん、私自分のことは自分でできます。」


「そーお?

 でもさ、何かあった時に近くに人はいないとだから我慢してね。

 寝てる時とかは多分部屋にいないだろうから。」


 寝てる時に人がいないなら、いいのか?

 たしかにお客人が何をするかわからないから。

 しかも平民の女。

 怪しすぎる。

 街の人でもない。

 今更考えてみると私ってとんでもない不審者なんだな……。



 部屋に案内され、ようやく一人になった。

 さあステータスチェックの時間である。


「どれどれー?

 私のステータスはどんなもんかな。

 ステータスオープン。」


 よかった。

 風呂場での変なイントネーションでやらないと出ないのかと思った。

 普通に言っても出てくれて非常に助かる。

 すー⤵︎てー⤴︎たす⤵︎お⤵︎ぷー⤴︎ん⤵︎じゃないといけなかったら呼び出す気失せるから。

 にしてもボイスコマンドじゃないといけないのか?

 ジェスチャーじゃダメ?


「まあひとまずはステータスチェックですかねー。

 まず?

 レベル制じゃなくてスキル制なんだ。

 んでんで?

 ステータスは?」


 攻撃力(ATK)

 知力 (INT)

 敏捷力(AGI)

 運  (LUK)


 ですか。

 まあ普通くらいか。

 筋力がないけど。

 肉体に顕著に現れるものは載ってないのだろう。


「それぞれの値がどーですー?

 というより魔法ないの?

 MPないんですけど?

 INTあるのに?

 なんで?」


 攻撃力(ATK):500

 知力 (INT) :50

 敏捷力(AGI):50

 運  (LUK):50


「もしかしなくてもド平均なのでは?

 楽な暮らしって平均でもできるんだっけ。

 スキルに頼るしかない?」


 【スキル】

 〈昼寝:睡眠時に回復能力が上がる。〉

 〈起床:アラームがかけられる。〉

 〈就寝:寝ようと思えばどんな環境でもすぐに眠れる。〉

 〈二度寝:見ている夢をマナに変換する。〉


「やっぱこの世界で私に休めって言う神様の啓示だよね?

 なにこの睡眠に特化したスキル。

 マナってなんだ。

 スキルの発動には何か必要なのか?

 でもMPなかったしなあ。

 MPの代わりにマナってこと?

 でもまあ、神様に愛されたのはすごい嬉しい。」


 じゃあ早速スキル使って、アラームかけておこう。

 朝6:30くらいには起きたい。


「とゆーわけでスキル発動!

 《起床 6:30》!」


 ……………。

 何も起きないんだが。

 ステータスウィンドウで使うのかな。


「……………。

 あ、これ操作できるんだ。

 ぽちっとな。

 6時……………30分……完了!」


 不便なスキルだった。

 スキル自体は便利だけど、発動が。

 てかさ、レベルないのにどうやってATKとかAGIとか上げるんだろう。

 反復練習?

 ATKは素振りで練習とか?

 INTは本読めとか?

 流石に他の人には聞けないし。

 まああとは自力で頑張ると言うことで。


「おやすみ世界。

 起きてもこの世界であれ。」

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