↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移の法則〜二十歳で始まりいつか終わる〜  作者: 水たまりに傘と青
薄紅 葵の夜散歩〜異世界6年目を山の上で迎えたいマナ垂れ流しの魔女の一晩〜
PR
29/30

Aoi's After Story ⒊

 門まで戻って、二匹を街の中に迎え入れた。

 衛兵も街の人も驚いた顔でこちらを見て、避けて行く。

 なんだっけ。

 ハイウルフ?

 と、アルーシブゴートだったかな。

 すごい魔物というか、魔獣というか、動物らしいし当たり前だけど。




 カタン、カタン。

 どこに行っても来店の合図は同じなのかもしれない。


「お?

 あれ、万年見張り番のラウロじゃねえか。」


「やめてください。

 万年じゃなくて、いっときの雇われですよ。」


 雇われ?

 やっぱりそうなのか…。

 ってことはたまたま今回はラウロさんってこの衛兵さんだと思ってた人が見張り番してただけなんだ。


「雇われになれる時点で十分信頼されてんだろーが。

 もう万年やってろ。」


「嫌ですよそんなの!

 本職の衛兵さんたちには悪いですけど、衛兵は退屈なんで。

 いつもみたいに依頼こなしてた方が人生倍は楽しいです。」


 雇われでも衛兵になるのは難しいのか?

 志願すればなれる物だとばっかり。

 警察だと考えると、確かに大変か。

 警察学校たとかなんとか忘れたけど。

 特段調べてたわけじゃないし六年前の知識だし。


「あ、そうそう本題はそんなことじゃなくてですね。

 紹介します。

 こちら、えっと………。」


「近くの村から来たスペアなの。」


 何村だよというツッコミは心の中にしまっておこう。

 その辺は特に気にしないかもしれない。


「同じ村から来ましたアオイです。

 この子たちが持ってるこのイノシシ買い取ってもらいたくて。」


 やや大きいし白い毛が模様みたいに混ざってるけど、ただのイノシシってことにしよう。

 私はもう聞きたくない。

 こいつらの我強自慢。

 わかったようるせえよって、思ってしまう。


「ほー、こりゃ珍しい。

 いや何、獲物もだが、魔物が人間にここまで懐くとは。

 スキルか?

 俺ぁその辺よくわかんねえな。」


 ほら獲物珍しいだって。

 魔物が人間に懐くのも珍しいんだって。

 てかこいつら魔物なんかい。

 そこはただの動物であってくれよ。


「じゃ、身分証とか身元証明のモン出せ。

 ラウロが手助けしてるってことぁよっぽど悪ぃ奴らじゃねえのはわかる。

 が、決まりは決まりだからな。

 保証人はてめえでいいだろ。」


 あれか、マナ印だっけ。

 ラウロさん微妙な顔してたけどいいのかな出して。

 いっか。


「ああ。

 よくわからないですけどそれで。」


「おいてめえは分かれよせめて。

 つかわかるだろ。

 いっつもよくわかんねえで売ってたのか?」


 話しながらも確認して書類を書き上げる。

 覗いてみたら、私たちの名前とラウロさん、性別に身分、職業。

 当たり前ながら私は無職。

 決まった職に就いてないからなあ。


「保証人なんて初めてですから。」


「嬢ちゃんそのグレートボアは誰が仕留めたんだ?

 まさか嬢ちゃんたちじゃねえだろ?

 ラウラのやり方とも違ぇみてえだしよぉ。」


 ああ、そこの動物二匹だよって言いたいけど、人にしといた方がいい?


「ブロンとヴァイスなの。

 オオカミがブロンで、ヤギがヴァイス。

 とっても速くてすごいの。」


 ああ、いいんだそれは言っても。

 言っていいことと悪いことがわからないなあ。


「ああ、なるほどな。

 ほれ、確認しろ。

 売る部位選べ。」


「全部売っちゃっていいよね。

 食べ物には困らないし………。」


 毛皮とかも使い道はない。

 牙なんて何に使うんだ。

 錬金術的な?

 私魔女じゃないしいらないな。


「全部売る場合はま、だいたい金貨二枚だな。

 20万リリルだ。

 急所で一発でイってる。

 それに今朝の狩たてだな?

 どんな運び方したか知らねえが保存状態も悪かねえ。

 値段交渉は受けねえぜ。」


 思わず口笛を吹いてしまいたくなる。

 驚いた。

 20万にもなるのか。

 このイノシシ。


「す、すごい額なの………。

 どうするの、アオイ?

 お肉も美味しいかもよ?」


「二匹もいるってことは、森にはまだたくさんいると思うよ。

 贅沢なお肉は、贅沢な日にまた獲りに行こう。

 間違えた、獲りにいかせよう。」


 私は森で狩りなんてしない。

 森に住んではいるけど、全て狩らせる。

 これが賢い動物の使い方………なのたろうか。


「それじゃ、全部売ります。

 あ、うーー………ん。

 どんくらいになりそうですかね、肉の量。」


 肉だけもらって、いっそ売るとか。

 あ、でもそんなことできるのか?

 いや、肉屋になら売れるか?


「食うわけじゃねえんだろ?

 肉屋に売るのもこっちでやる。

 無職じゃ、買ってもらえねーぜ。」


 おっふ痛いところを突かれた。

 そういやニートだった。


「う………。

 お願いします。」


「任せとけ。」


 早いとこ職を探さなきゃだなあ……。

 でも無職でもやってけるんだよな、森だと。

 街にもそう頻繁にくるわけじゃないだろうし……。

 冒険者連盟だっけ?

 あれに入っとくのはいいかも。

 依頼とかあるっぽいけど。


「毎度ー。

 また来いよ。

 もっと上等な肉持ってくりゃもっと高値で買ってやる。」


 当たり前だろ。

 同じ値段で買われたらここには売らない。


「ええ、また機会があれば。」


 よっぽどめったにないと思うけどな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。