↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移の法則〜二十歳で始まりいつか終わる〜  作者: 水たまりに傘と青
薄紅 葵の夜散歩〜異世界6年目を山の上で迎えたいマナ垂れ流しの魔女の一晩〜
PR
30/30

Aoi's After Story ⒋

「戻りました。

 タンドラさんは戻ってます?」


 また冒険者連盟へ戻り、支部長さんとやらを探す。

 祭りなんだし、あんまり早くは帰らないのでは?


「戻ってますよ。

 ラウロさんが戻られたら応接室に通すように言われています。

 奥へどうぞ。」


 戻ってるんだ……。


「あたしたち、何かしちゃったかな?

 怒られるわけじゃないよね?

 ちょっと不安なの……。」


「大丈夫だよ。

 悪いことは何もしてないでしょ。

 きっとこの衛兵さん………?

 が、すごい人だからだよ。

 知らないけど。」


 うん、知らないけど。

 すごい人なのかな?


「凄イヒトナンデスヨー、一応デスケドネー。」


 聞こえていたらしい。


「あの、私、冒険者登録?

 とかあったら、やりたいんですけど……。」


「そういう話は支部長本人にしたらいいですよ。

 安心してください。

 タンドラさんはいい人ですから。」


 そういうところはあまり心配していなかったけど。

 ともかく、私たちも会えるならそれでいいや。







「おお、ラウロ来たか。

 俺に話があるんだろ?

 何の用………。

 お前ついに信者を侍らせるようになったのか。」


「人聞きの悪いこと言わないでくださいよ。

 何が信者ですか。

 そんなのいませんよ。」


 信者………。

 何者なんだラウロさんって。

 確かに、めっちゃ綺麗な顔してるよ?

 銀髪っぽい金髪っぽいよくわからん髪と、病人かってくらい白い肌。

 崇めたくなる人がいても不思議ではない。

 親切だし。

 ただ、信者を侍らせるって……。

 普段どんな生活送ってんのこの人。


「じゃ誰だ、そいつら。」


「話があるのは僕じゃなくて、この子たちです。

 あ、いや、僕ですかね?」


 え、私が話せるのは冒険者登録についてと、あとなんだ?

 何もなくない?


「ま、とりあえず見てみて欲しいものがあるんですよ。

 アオイさん、マナ印また見せてくれる?」


「はあ……。」


 解体屋っぽい人に見せた時は何も無かったけど?

 これがなんなんだろう。

 そういえば自分でじっくりみたことなかったな。


「何語だ、これ?

 ここんとこ以外は読めるけどなあ。

 アオイっつったか。

 読めるのか?」


 どれだ。

 あ、なんかいろいろ書いてあるんだな。

 文的な文字列が並んで一つの文字になってる。


「ん………。」


 “異界からの旅人”

 そこには、そう書いてある。

 文字は小さいけど、光ってるけど、読める。


「なんて書いてんだ?」


「………。

 わかりません。」


 英語だ。

 すごく簡単な英語だ。

 “Traveler from another world”

 英語は読めないってことは、言わない方がいいよね。

 というかここ日本語に聞こえはするけど日本語ですらないからね。

 文字も理解できるのに日本語じゃないからね。


「そうか。

 ま、平民を表す文字に、名前、性別、年齢。

 その変な文字以外は不可解なとこはねえな。

 職は書いてねえし、今無職なんだろ。

 ほんとは無職なら無職って出るはずなんだが、よくわからねえ。」


 それ私の職業異界からの旅人ってことじゃない?

 なんかダサいな。

 早いとこ職につきたい。


「んで、ねーちゃんの用は?」


「あ、冒険者になりたいんです。

 私でもなれますか。」


 ダメだったら諦めて無職でいよう。

 別に無職でも困ってないし。

 金ないけど。


「おう、カウンターまで行くのめんどくせえだろ。

 器具を持ってこさせる。」


 小さなベルを一度鳴らすと女の人が入ってきて、その人に用件を使える。

 そしたら数分して何かを持ってきた。


「んじゃ、手を出してマナ印出す時みてえにやってみろ。

 人間の体内に巡るマナはその人間の情報を記録する。

 人間の周りのマナはその人間の外的特徴を記録する。

 この器具はその情報をまた読み取ってんだな。」


 なんか複雑。

 とういうこと?

 つまり、マナを読み取ればその人間のことはなんでもわかるよってこと?

 他の人に見られちゃうかなあ。


「手をどけてみろ。

 その水晶板に映ってるだろ。」


 うん、映ってる。

 私の全てが映ってる。

 だからこそこのでは退けられない!


「い、いつになったら終わりますかね!?

 か、カードとかに落とし込むんでしょう!?」


「受託ボタンがあるだろ?

 だがその前に確認するぜ。」


 あああああみちゃダメみちゃダメ!

 私という人間の個人情報の侵害だ!?

 何言ってんだ!?


「あ、ああああだ、だだだ大丈夫ですよよよ!

 ただ、ちょつと、その、人に言えないお恥ずかしい秘密が書かれているだけでして!!」


「たが俺も確認しねえと受理してやれねえよ。」


 まずいまずいこうも全部書かれるとは思わないじゃん!?

 異世界人だとかスキルだとか!!


「そ、そこほなんとか!!

 なんとかあ!

 こ、個人情報の漏洩!

 プライバシーの侵害!」


「あ?

 なんたそりゃ。」


 伝わらないっ!!


「と、ととととにかく!

 他人の権利の侵害ですっ!!」


「権利より義務のが強ぇだろ。」


 くっ、ど正論!


「ほんとに、本当にまずいんです!

 私、その、特異体質でしてね!?

 そのこととかも、書かれてるんで!」


「自分の管理下に置かれるやつのことはきっちり把握しねえといけねえからそれも見るぜ。」


 うっ!

 この人上司としてデキた人間だ!

 私働いたことないけど!


「ほら、手退かせ。」


「ああぁぁあぁあ…………。

 私の人生終わった。

 監獄行きだあ。

 処刑だあ。

 拷問だあ………。」


 この先お先真っ暗だ。

 こんなに情報載るって知ってたらやらなかったのに………。


「なんて書いてあるの?

 そんなにまずいの?」


「とんでもなくマズイと思うヨ。

 今までありがとう、スペア……。」


 せっかく二ヶ月前に六年目迎えたのになあ……。


「よし、カードに落とし込み完了だ。

 無駄な情報削ったからな。

 その辺はまた器具使わねえと見れねえよ。」


 え?

 カード?

 監獄は?


「名前、アオイ・ウスベニ。

 性別、女…。

 年齢、19………。

 ランク、E。

 テイムドモンスター、ブロン、ヴァイス………?

 あれ?

 あの、でも、私は……。」


「気にすんな。

 世の中変なやつだらけだ。

 お前みてえなやつだっているさ。」


 こいつイケメンすぎる……。

 とりあえず人生救われた。

 まじイケメン天使。

 ありがたや……。


「神様仏様タンドラ様……。」


「やめろ気恥ずかしい。

 あんなもん、そんな恐れることじゃねえよ。

 もっと胸張って生きろ。」


 まじタンドラさん最高。

 ごめんスペア、ラウロさん。

 今だけ空気ね。

 ちょっと聖人崇めるから。


「南無南無南無南無。」


「なんだそりゃ気持ち悪い。」


 仏に謝れ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。