Aoi's Night Wolking ⒊
「わふ!」
「わん!
わんわん!」
え。
ブロンさん急にわんわん言い出した。
狼相手には狼語なのね。
ちょっとびっくり。
……ちょっとどころじゃなくびっくり!?
「き、急に止まらない………!」
『黙れ。』
こわ!
黙れ?
黙りました。
黙りました。
なんなんですか。
やめておばけとか言わないでよ。
嫌だ嫌だ。
「ゔぅーー………。
ガルルルルル。」
なになになになに。
なにもいないよ!?
やめて!
そんなドッキリやだからね?
と、とりあえずブロンにしがみついとこ。
「その魔女に用があるの。
邪魔しないで欲しいの。
あたしは怒っているの。
退きなさいハイウルフとその他諸々。」
その他諸々で一括りにされてる。
可哀想なガイーとアイズ。
ってか、私?
私に怒ってるの?
なんで?
つか魔女っつった?
もしかして家主?
5年今まで姿を見せなかった?
「村で言われる魔女はあなたでしょ!
そうでしょ!
あなたのせいで森で遊べないの!
子供たちが!」
「え?
私が魔女?
なんでです?」
咄嗟に顔を出してしまった。
でも魔女呼ばわりは失礼でしょ。
なんならあの子まだまだ子供だし。
あんま大した害にはならない………。
………どうやってここまで来たの?
狼は足が速いはず。
多分ブロンが向きを変えた時にいたのはこの子だ。
いやホラーすぎる。
待ってそこまで考えたら鳥肌立ってきた。
ヤバい怖い。
待ってマジで怖い。
本当に人間?
生きてる?
ひぇこわい。
涙出る。
「な、なぜ泣くの!
お、お、お、お???
んーー!!
もう!
なんでそんな人間みたいな反応するの!」
「に、人間だからです!
ま、魔女ってなんですか!
あなたの方がおばけじゃないですか!
うぅーーー!」
おばけ怖いおばけ怖いおばけ怖いおばけ怖い!
おばけやだぁ………。
『泣くな人間。
毛が濡れる。
降ろすぞ。』
「降ろさないでぇ。
やだおばけこわああああい。
ふぇぇぇぇぇ。」
情けないとは思う。
何やってんだとも思う。
怖いもんは怖いんだ!
怖くて泣いて何が悪い!
ブロンの毛が濡れるのなんて気にしない!
「あ、あたしはおばけじゃないの!
人間なの!
確かに追いかけ方は悪かったけど。
けどちゃんと人間なの!
あなたが魔女じゃないのはわかったから!」
な、泣き落とし作戦成功。
いや別に作戦でもなかったんだけど。
「しばらく近づかないでください。
マジでおばけ無理なんです。
あとちょっとで気絶するところでした。」
「た、大変なの………。
あたしこのスキル使うのやめようかな………。」
私のせいでトラウマ植えたかな。
まあいっか?
よかないか。
「へ、平気です。
な、慣れれば。
それとんでもなく速いんですね。」
「敬語はいいの。
あなたの方が年上だと思うから。
うん、すごい速いの。
実体がなくなって色々すり抜けるから………。
あ、でも怖くないの!」
確かによく考えなくても私の方が年上なのか。
この子何歳だろう。
言うても中学生くらいではありそう。
こんな夜の森に入れるくらいだし。
こんな夜の森?
「てか、なんで夜の森にいるの!?
親は?
心配するよ?」
「け、敬語外すの早いの………。
家は大丈夫なの。
あたしは一人暮らしなの。」
え?
一人暮らしなの?
その年で?
「あの、失礼ですけど何歳ですか?」
「20だけど?」
え?
そのなりで?
ロリ体型なのに?
多分150ちょっとだよね。
いや150あるかな?
言うても私も160ちょっとだけど。
「私の方が年下じゃないですか……。」
「え?
あなた何百年とか生きてるんじゃないの?
魔女なんで………。
あ、人間だったの。
でも年下?
身長あたしより大きいの……。」
多分あなたより身長の大きい年下はたくさんいる。
あえて言わないけど。
『話は済んだのか。
夜明けまでに登るのだろう。』
「そうだった。
別に済んでないけど行かなきゃ。
お姉さん名前は?」
今何時だろう。
後日また話に行こう。
どこに済んでるのかわからないけど。
「あなたがしばらく前に来た村に住んでるの。
名前はスペアなの。
スペア・ランダー。
あなたは?」
「葵です。
アオイ・ウスベニ。
また今度お訪ねします。
それでは。」




