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転移の法則〜二十歳で始まりいつか終わる〜  作者: 水たまりに傘と青
薄紅 葵の夜散歩〜異世界6年目を山の上で迎えたいマナ垂れ流しの魔女の一晩〜
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Aoi's Night Wolking ⒊

「わふ!」


「わん!

 わんわん!」


 え。

 ブロンさん急にわんわん言い出した。

 狼相手には狼語なのね。

 ちょっとびっくり。

 ……ちょっとどころじゃなくびっくり!?


「き、急に止まらない………!」


『黙れ。』


 こわ!

 黙れ?

 黙りました。

 黙りました。

 なんなんですか。

 やめておばけとか言わないでよ。

 嫌だ嫌だ。


「ゔぅーー………。

 ガルルルルル。」


 なになになになに。

 なにもいないよ!?

 やめて!

 そんなドッキリやだからね?

 と、とりあえずブロンにしがみついとこ。


「その魔女に用があるの。

 邪魔しないで欲しいの。

 あたしは怒っているの。

 退きなさいハイウルフとその他諸々。」


 その他諸々で一括りにされてる。

 可哀想なガイーとアイズ。

 ってか、私?

 私に怒ってるの?

 なんで?

 つか魔女っつった?

 もしかして家主?

 5年今まで姿を見せなかった?


「村で言われる魔女はあなたでしょ!

 そうでしょ!

 あなたのせいで森で遊べないの!

 子供たちが!」


「え?

 私が魔女?

 なんでです?」


 咄嗟に顔を出してしまった。

 でも魔女呼ばわりは失礼でしょ。

 なんならあの子まだまだ子供だし。

 あんま大した害にはならない………。

 ………どうやってここまで来たの?

 狼は足が速いはず。

 多分ブロンが向きを変えた時にいたのはこの子だ。

 いやホラーすぎる。

 待ってそこまで考えたら鳥肌立ってきた。

 ヤバい怖い。

 待ってマジで怖い。

 本当に人間?

 生きてる?

 ひぇこわい。

 涙出る。


「な、なぜ泣くの!

 お、お、お、お???

 んーー!!

 もう!

 なんでそんな人間みたいな反応するの!」


「に、人間だからです!

 ま、魔女ってなんですか!

 あなたの方がおばけじゃないですか!

 うぅーーー!」


 おばけ怖いおばけ怖いおばけ怖いおばけ怖い!

 おばけやだぁ………。


『泣くな人間。

 毛が濡れる。

 降ろすぞ。』


「降ろさないでぇ。

 やだおばけこわああああい。

 ふぇぇぇぇぇ。」


 情けないとは思う。

 何やってんだとも思う。

 怖いもんは怖いんだ!

 怖くて泣いて何が悪い!

 ブロンの毛が濡れるのなんて気にしない!


「あ、あたしはおばけじゃないの!

 人間なの!

 確かに追いかけ方は悪かったけど。

 けどちゃんと人間なの!

 あなたが魔女じゃないのはわかったから!」


 な、泣き落とし作戦成功。

 いや別に作戦でもなかったんだけど。


「しばらく近づかないでください。

 マジでおばけ無理なんです。

 あとちょっとで気絶するところでした。」


「た、大変なの………。

 あたしこのスキル使うのやめようかな………。」


 私のせいでトラウマ植えたかな。

 まあいっか?

 よかないか。


「へ、平気です。

 な、慣れれば。

 それとんでもなく速いんですね。」


「敬語はいいの。

 あなたの方が年上だと思うから。

 うん、すごい速いの。

 実体がなくなって色々すり抜けるから………。

 あ、でも怖くないの!」


 確かによく考えなくても私の方が年上なのか。

 この子何歳だろう。

 言うても中学生くらいではありそう。

 こんな夜の森に入れるくらいだし。

 こんな夜の森?


「てか、なんで夜の森にいるの!?

 親は?

 心配するよ?」


「け、敬語外すの早いの………。

 家は大丈夫なの。

 あたしは一人暮らしなの。」


 え?

 一人暮らしなの?

 その年で?


「あの、失礼ですけど何歳ですか?」


「20だけど?」


 え?

 そのなりで?

 ロリ体型なのに?

 多分150ちょっとだよね。

 いや150あるかな?

 言うても私も160ちょっとだけど。


「私の方が年下じゃないですか……。」


「え?

 あなた何百年とか生きてるんじゃないの?

 魔女なんで………。

 あ、人間だったの。

 でも年下?

 身長あたしより大きいの……。」


 多分あなたより身長の大きい年下はたくさんいる。

 あえて言わないけど。


『話は済んだのか。

 夜明けまでに登るのだろう。』


「そうだった。

 別に済んでないけど行かなきゃ。

 お姉さん名前は?」


 今何時だろう。

 後日また話に行こう。

 どこに済んでるのかわからないけど。


「あなたがしばらく前に来た村に住んでるの。

 名前はスペアなの。

 スペア・ランダー。

 あなたは?」


「葵です。

 アオイ・ウスベニ。

 また今度お訪ねします。

 それでは。」

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