↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移の法則〜二十歳で始まりいつか終わる〜  作者: 水たまりに傘と青
檜田 茉莉花の桧暮らし(願望)〜家主によって邪魔される居候のスローライフ〜
PR
18/30

18.Marika's Slow Life

「たっだいまー!」


 当たり前のようにノックもなしに扉をバーンと開けないで。

 本当に心臓に悪い。

 嵐が帰ってくるのは予想以上に早かった。


「ゼビアもマイラもついでにベリルもOKだってー。

 じゃご飯食べるって仕事、よろしくね。」


 本当に話したのかな…。

 あり得るぞ。

 話した体で返ってくるの。


「ちゃんと聞きましたね?

 確認してきてもいいですね?」


「もちろん!

 早かったな3人ともたまたま話してたから。」


 人が話してるところに割り込んだのか。

 おいおい。


「じゃあまあ、そう言うことなら。

 ゼビアさんのご飯………。

 そういえばゼビアさんの喋り方ってどうしてああなってるんですか?」


「知らない。

 拾った時にはそうだったなー。」


 拾った?

 もしかしてこの屋敷の人たちの大半が拾われてたりする?


「トーアさん。

 この家の使用人さんって、みんな拾ったんですか?

 私みたいに?」


「拾ってない人もいるよ。

 半分いないくらいはでも拾ったけど。

 この街だけじゃなくてね。

 視察先とかから。

 もちろん領内。

 親なしとか孤児とか虐待とか。

 どうせ俺がみんなに好かれるなら使用人間でも仲良くできるでしょ。

 自然に馴染めて。」


 なんだそれ。

 行動はすごいいい人。

 考えもいい人。

 あとスキルの使い方上手い。

 けど自虐じゃん。

 なんだそれ。


「私も元々は使用人にするつもりだったんですか?」


「いや、普通に居候。

 だって人多いし。

 もう仕事ないよ。

 そんなに俺だって大胆に動いてきたりしなかったしさ。」


 なんで拾ったんだ。

 いや、私の場合は誘拐か………。

 もしかしてみんな同じような拾い方されてきた?

 誘拐常習犯?


「待って物騒なこと考えてる顔になってるよ。

 誘拐じゃないからね?」


「あ、ビンゴです。

 誘拐常習犯?

 って考えてました。」


 顔見るだけで当てられちゃった。

 すごいなー。


「ふっふっふっ。

 マリカちゃんと俺のきず………。」


「あ、多分別にそう言うのじゃないんで。」


 私とトーアさんの絆て。

 言うと思った。

 やっぱわかりやすいなー。

 最近キツネ要素ないんだよなー。

 犬だよなー。

 キツネもイヌ科だけどさー。

 なんか違うじゃん。


「酷ーい。

 そこは肯定しておくとかでしょー。

 じゃそろそろ寝よっか。

 おやすみ。」


「はいおやすみなさい。」


 明日はなにしようかな。

 ああ、テレビを探さなきゃ。

 ないのが一番。

 あったら壊す。

 帰らなくてもいい。

 みんなが卒業式だろうがなんだろうが関係ない。

 行方不明、失踪、果てに死亡扱いでも。

 私はここが気に入った。

 それだけでいいじゃない。










 アラームの音楽には数種類ある。

 私が今設定している音は、異世界らしいケルト音楽だ。

 せっかく異世界に来たんだからそれらしくしようとした結果である。


「お昼には馬が来るって。

 ヘドソを護衛につけてサイスに支払ってもらうからさ。

 午前予定空くでしょ?

 何したい?

 俺も午前中に仕事終わらせるからさ。」


 なんで声が音楽越しに聞こえた。

 あの、今6:00なんですよ(あれから時間変えた)。

 なんで???

 てかこの人ちゃんと寝てんの?


「午前中はお散歩してきます。

 お仕事頑張ってくださいね。

 お馬さんが来るのは驚きですけど。

 午後に練習でもしましょ。」


 一応平然と受け答えはできるようになった。

 要らないこんなシステム外スキル。

 なんの役に立つの。


「俺も行きたかった………。

 朝散歩を長引かせよ?

 そしたら一緒にいられる。」


「お外に用事があるんです。

 護衛さんにいて欲しくないので。」


 トーアさんだけならまだいいけども。

 護衛さんには見られたくない。


「そっか。

 でもいつもマリカちゃんにも護衛ついてるよ?」


 え?

 初耳なんですけど。

 いつから??

 ヴィンソン子爵令嬢誘拐事件の後から?

 嘘でしょ。


「要らないですよ!

 私に人手を割くよりトーアさんに人手を!

 あの後誰からも何もされてないですもん!」


「わかった。

 へクスだけつける。

 秘密を話す必要はない。

 見たことも、口外させない。

 もし口外したら、あいつはもう。

 それならいい?」


 何物騒なこと言ってんだこの人。

 脅しには十分だけど私の気持ち的にはだいぶ不満。

 こういうところに常識の差って出るんだな。


「嫌ですよ。

 私のせいでそんなことになったら。」


「でも護衛つけないわけにもいかない。

 俺の身近にいるわけだから。

 色々巻き込んじゃうよ。

 政治闘争とか結婚問題とか。

 俺貴族の令嬢にいいと思う人いないんだよなー。

 俺の趣味じゃないというかー。

 なんかドス黒いモンが見えるよね。

 貴族だし。」


 たまにトーアさんからもドス黒いモンが見えるけどね。

 貴族顔してる時とか。

 っていうか、ちゃんと考えてくれてるんだ。

 トーアさんの立場による私への被害。

 よく考えたら狙ってるやつの近くに無防備なやつがいたら狙うか。

 でもなあ。


「あ、これ。

 忘れてた。

 これ使えばいいよ。

 昨日言ってた音繋ぐやつ。

 指輪にしといた。

 使い方は簡単この向こうにいる人に話しかける感じ。

 便利でしょ。

 手かして。

 あっ、俺がいるの左側かあ。」


 本当に実現できるんだ。

 この人スキルの扱い慣れてんな。

 !!???

 一瞬薬指につけようとした!?

 暗くて手元狂ったのかなあ。

 人差し指か。

 口元を隠すフリして使えそう。


「じゃそういうことで。

 俺一週間の休みのために働いてくるね。」


 こんな朝から………。


「はあ。

 頑張ってください……。」


「ありがとう超やる気出た。

 あとで通話の試運転するから。」


 しれっと最後に大事な事言って出てった。

 いつだよ。

 あとでっていつだよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。