11.Marika's Slow Life
その後地上に出た。
よくこんなところ見つけたなってくらい、入り組んでた。
トーアさんは、ちょっと大きめの服屋に連れてってくれた。
寝巻きと、普段着とをかなりシンプルな服で買ってもらった。
それぞれ三着ずつ。
もっと買うと言われたけど、着なくなるのは嫌だから遠慮した。
私からすれば十分すぎる。
そしてご飯を食べる。
この世界の外食は初めてだ。
さっき買った服を早速使っている。
流石にあのセーラーは洗ってないので。
「さすが領主。
予約なしで個室席………。」
「俺の権力。」
やっぱたまに権力剥き出しにして遊んでるよねこの人。
「ゼビアの料理と、あの揚げ鳥以外でご飯初めてじゃない?」
「今までもご飯食べて来てますよ。
でも結構楽しみです。」
多分、護衛たちに気を遣って言葉を選んでくれた。
「この世界の」ご飯初めてって、隠れてる気がする。
ゼビアさんのご飯も美味しかったし、期待していいと思う。
多分調味料自体はだいたい揃ってる。
「お待たせいたしました。
チキンのほろほろ香草蒸し焼きとー。
トマトとオニオンのスープとー………。」
料理名を一つ一つ並べるから、長い。
高級店はどこもこんな感じなのだろうか。
高級店?
私が?
まだ高3なのに?
よくよく考えればそうじゃん。
結構この世界に順応してたけどさ。
私まだ18歳じゃん。
トーアさん5歳上よ?
びっくりした。
「じゃ、食べよっか。
食事のたびに考え事してるね?」
「いや、そういえばトーアさんと私って5歳も違うんだなと。
高級店にだって、初めて入りますし。
護衛がいるとはいえ、男の人と二人でランチとか初めてですし。
なんならこんなにおしゃれな服を着るのも初めてで。
トーアさんといたら初めてばっかりですね。」
ほんとに、色々初めてだ。
まあ、ここは異世界だし。
初めてのことだらけでも驚きはしないけどさ。
「………。
やったことないのがあったら言ってね。
たくさんやらせてあげるよ。」
「はは、世話好きなお兄さんですねー。
そんなに迷惑かけるわけにもいきませんよ。
自分でなんとかします。」
それも経験だし。
初めて一人で〇〇をしたって言える。
初めて人と〇〇をしたとも言えるけど。
「そーお?
困ったらお兄さんを頼りなさい。
極力助けてあげるね。」
「ほんとお人好しですねー。
そんなことしたってトーアさんに利益ないのに。」
過保護にも程がある。
異世界人だから常識を疑ってる?
あと、なんか初対面の頃よりもさ。
なんだろう。
柔らかくなったというか。
ともかく、変わったな。
「俺への利益は話し相手だよー。」
話し相手に飢えすぎじゃない?
話し相手って言って、何かを隠してるみたい。
「安っぽげな利益ですね。」
「そうだねー。
でもそれでいいんだよ、俺は。
ほら冷めちゃうよ。
食べよ?」
話題の変え方がお上手なこと。
「そうですね。
いただきます。」




