第30話 〜フェルグラード王国〜
「めちゃくちゃ荒地だな…」
「フェルグラード王国は、常に戦争が行われてる国だからね」
「ルクス様、戦闘準備が必要かと」
「ん?」
砂埃が舞う中から影が現れ徐々に近付いてきて、目を凝らしてみると兵士達が走って来てルクス達と一定の距離を保ち警戒態勢に入った。
「御前達、何者だ!!」
「いや、旅人だけど」
「普通の旅人ならこの国を避けて通るはずだぞ!!」
「フェルグラード王国に用があるんだよ」
「なに?貴様もしかして、敵軍の者か!!」
「話を聞けよ!!俺達はフェルグラード王国で、魔族を探してんの!!」
「魔族だと?」
「そうだ、俺はその魔族を倒す為にここに来たんだよ」
「魔族…魔族…」
兵士の一人が腕を組んで数秒間だけ考え事をし、ルクス達の疑いが晴れたのか警戒態勢を解いた。
「なるほど…貴様、名はなんと言う」
「ルクス・ノアールだけど」
「ルクス、貴様には国王様と謁見してもらう」
「嗚呼、わかった」
兵士達に連れられてフェルグラード王国へ行き、そのまま王城に入り謁見の間にいる国王の元へ向かって行った。
「国王様失礼します、この者達から気になる事をお聞きしたので連れて参りました」
「ほぅ、気になる事とはなんだ」
「この者達は、この国にいる魔族を探していると」
「魔族だと、何故そう思うんだ?」
「この国もう何百年も戦争を続けてるんだろ?だったら、何故そうなってるのか疑うだろ?ただの怒りだけでこんな酷い戦争続くかよ」
「其方が疑う理由はなんだ?」
「ここに、七罪魔将の一人。憤怒之王・ヴァルゴスがここにいるはずだ、もしくは何処かで監視をしているか」
ルクスは左斜め後ろの方へ視線を向け睨み付けては、指をパチンと鳴らし魔力で魔素を超音波に変換し、一定数の音波を放ち監視魔法を破壊した。
「其方、今何をした」
「監視魔法で監視されていたので破壊しました」
「なんと!まさか監視されていたとは…、これはヴァルゴスに対する処罰を考えなければな」
「憤怒之王が、そんな簡単に勝てる相手じゃねぇよ」
「ヴァルゴスの能力、憤怒之権限は厄介だ。使用者が感じた「怒り・憎悪・殺意・悲しみ」を全て自身の戦闘エネルギーに変換する」
「其方は何故その情報を知っている」
(暴食之権限で捕食したヴァラグニスの記憶を全て視て、相手の情報を手に入れたなんて言えないしな。)
「俺は暴食之王ヴァラグニスを倒した、その時に全ての情報を吐き出させたから知っているだけだ」
「まさか、ヴァラグニスが倒されたのが本当だったとは…」
「じゃ、お主らに協力してもらいたい。どうか宜しく頼む」
国王は頭を下げてルクス達に協力を求めた。
「元からそのつもりですよ、一国の王様がそう簡単に頭を下げるもんじゃないですよ」
「ルクスが協力するなら私も協力する」
「ルクス様、そろそろわたくしの出番が欲しいです」
「後で、色々考えような」
「そうか、協力報酬は用意する」
「はい、じゃ俺達はこの後やりたいことがあるので」
「夕方頃には王城へ戻ってきなさい、其方達の部屋を用意しておく」
「ありがとうございます」
ルクス達は頭を下げて謁見の間を出て、フェルグラード王国を出て少し離れた場所へと行きルクスは何かをしようと考えていた。




