第31話 〜精霊召喚〜
「さてと、ここでしたい事があるんだよね」
「ルクス、なにするの?」
「もしや、精霊達を使役するのですか?」
「そう、この先精霊達の力が必要になりそうだからね。あと精霊達の能力も把握しておきたいし」
「我が魔力を道標とし、此処へ顕現せよ!風の王、蒼風之王出て来い!」
魔法陣に魔素を注入し、膨大な魔気を放ちながら風の精霊王、蒼風之王が現れた。
その姿は美しく白銀の髪色をし黄緑色の瞳を持った綺麗な女性だった。
「精霊神、エル・フィアナ様、お呼びでしようか。ですが…貴方様の魔素とは少し違ったような…」
「呼び出したのは私ではありません、わたくしの契約者ルクス様がお呼びしたのです」
「精霊神様の契約者!?」
「君と契約したいんだけど、どうすればいいかな?」
「精霊神様がお認めになられた方であれば、わたくしは喜んで契約しましょう」
「ありがとう、エアリアル」
ルクスの手の甲に契約の証である、紋章が刻み込まれた。
契約の証である、紋章に魔素を流し込めば詠唱無しでいつでも呼び出せる。
「ルクス様、全ての精霊の王達と契約なさるおつもりですか?」
「もちろん、そのつもりだけど?」
「火の精霊サラマンダーや闇の精霊モルディアとは、戦闘になる可能性があるかと思います」
「なら、後回しの方がいいか?水の精霊、ウンディーネを呼ぶか」
「清らかなる水の精霊よ、我の声に応えよ!顕現せよ!蒼澪之王!」
先程と同様に魔法陣に魔素を注入し、水の精霊蒼澪之王を召喚した。
「わたくしをお呼びしたのは、貴方ですか?」
(綺麗だな、この人も…いかんいかん!見蕩れてた!)
「あ、うん、」
淡い水色髪で銀色の瞳を持った美人な女性が現れた。
「貴方様は、精霊神様に、エアリアル?」
「わたくしの契約者、ルクス様と契約して欲しくて召喚してもらったの」
「ウンディーネ、貴方もこの方に仕える事になるよ」
「契約するには何か条件とかあるの?」
「なら、貴方様の魔気を見せてもらいましょうか」
「それでいいの?よし、なら」
膨大な魔気を一気に放ち、七彩白金色のルクスの魔気はフェルグラード王国全体に物凄いプレッシャー与えてしまった。
「っ!?」
(この魔気は今まで感じ取った事のない…膨大すぎる…、しかもこのプレッシャーは神にも等しいレベル…)
蒼澪之王は方膝と片手を付いて、頭を軽く下げ忠誠の誓いを態度で表した。
「わたくし水の精霊、蒼澪之王は貴方様に忠誠と、一生仕えると誓います」
「宜しく頼むよ、ウンディーネ」
「次は誰を召喚しようかな」
「まさか、一気に全員と契約なさるおつもりですか?」
「え?そうだけど、その方が楽だし」
「貴方様なら可能ですが…一般的には精霊召喚時に膨大な魔素を消費するので1日1回が限界なんですよ」
「そうなんだ、俺はまだ全然平気だから心配しないで」
ルクスは一体ずつ呼び出すのが面倒になったのか、一気に2体の磐霊之王と天輝之王を召喚した。
「一気に2体も!?」
(恐ろしい魔素量だ…こんな吸血鬼族は見たことない…)
そこに召喚された磐霊之王の容姿は、10歳前後で身長120cmの耳はエルフのような形をした男の子だった。
続いて、召喚された天輝之王17歳前後の容姿で、身長は178cmで後ろ髪を結んでいる青年だった。
「僕を呼んだのは、貴方様ですか?」
「わたくし達をお呼びになった理由は?って、ウンディーネにエアリアルではありませんか」
「私達、この御方と契約して主になってもらったの」
「主様は、私達の力を上手く使ってくれるよ」
「ウンディーネにエアリアルが認めし御方ですか…」
天輝之王は少し考え込む仕草をし、数秒考えた後にルクスを見て応えを出した。
「貴方様と御契約させて頂きます、ウンディーネとエアリアルがお認めになっていますので文句等はございません」
「僕もいいよ、その代わり主様に条件があるの」
「条件?それってどんな?」
「それは、この国の大地を潤し自然を守って」
「いいよ、ノームと契約したらその力で荒地を豊かな自然に変えて守るよ」
磐霊之王天輝之王との契約成立し、最後の精霊召喚を行うことにした。
「魔冥之王」を召喚した、その姿はグレー色の髪に紫色のメッシュの入った身長180cm以上ある、高身長の男だった。
「我を呼び出したのは、貴様か?」
「俺だ、契約して俺に力を貸して欲しい」
「ほう、我と契約を?貴様のような貧弱な吸血鬼族と契約する訳ないだろ!」
「貧弱かどうかは、戦って試してみるか?」
「貴様のような奴がこの我に勝てるとでも?」
「勝てるさ、逆に君にはハンデをやろう。能力や魔法を発動不可にする能力は使わない、話にならないからな」
「舐めてんな!!テメェよ!!」
一直線にルクスの元へ移動し何度も拳を繰り出すが、ルクスは簡単に躱し受け流しては手首と胸倉を掴み背負い投げし地面に強く打ち付けた。
「カハッ!?」
「まだ合図のしてないのに、勝手に始めるのはやめろよな〜。ったく、人の話は最後まで聞けよ」
魔冥之王は瞬時に立ち上がり戦闘態勢を取り、「影界支配」を発動させた。
周囲の影を自由に操り、武器等に変化させ影の中に潜んで移動し攻撃する事が可能。
魔冥之王は影を操り剣を創り出し、斬り掛かるがルクスも同様に双剣を創り出して攻撃を受け止めた。
「闇喰!!」
黒い触手のようなものが無数に現れルクスの身体に噛み付き膨大な魔素を吸い取って行く。
ルクスは舌打ちしては少し険しい表情を浮かべ、双剣で黒い触手を切断し一旦距離を取った。
「暴食之権限」
一瞬で魔冥之王の元へ移動し、暴食之権限を発動させ黒い触手を吸収した後に、しゃがんで左脚で足払いし体勢を崩させ身体捻って右脚で回し蹴りを顎に入れ魔冥之王はふらつき地面に倒れた。
「俺の勝ちだな」
(っ…?な、何が起きた…視界がぼやける…)
「精霊だろうと、身体は人間と同じだからな。今御前は脳震盪起こしてんだよ」
「…っ、仕方ない…貴方様を主と認めましょう」
「ありがと、御前の能力は人々の為に使わせてもらうよ」
ルクスは無事、闇の精霊「魔冥之王」《モルディア》を契約する事が出来た。




