表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アカネさんかく語りき、あるいは…  作者: 藤崎403


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/5

4話

それを『歩く』と言うべきなのか。なんというのだろうか。

私は上手く説明できない。実際に歩いているわけではない。手足を動かすのではなく、動いているのに手足を動かしていない。

頭の中にいる何かを通して私を見る。私を見ているんだけど、目の前の私も見ている私も私なのである。

念じるようにすれば、目の前の私は動き出す。

正確には私だけではなく、私の周りも。落としかけた雨は浮き上がり、蛇口の水は吸い込まれる。

目に見えないぼんやりとした何かが点滅し、時計の針が逆に戻る。

それが特別なことだと気づいたのは小学生の時のこと。

遅刻しそうなクラスメイトが『時間よ止まれ~~!!』なんて叫んでいる。

机の上から消しゴムを落とし、どこかに転がって見つからなかったとき。

給食のスープを床に落として泣くクラスメイトを見た時。

「どうして戻らないの?失敗の前に戻ればいいのに……」

体育の授業中に転んでケガをしたクラスメイトに駆け寄って私は一生懸命に伝えた。

一生懸命に繰り返し、繰り返し質問し説明し、妙な空気に気が付いた。

目の前で泣いていたクラスメイトが泣き止んで怯えている。

ころんだ子の友達が、遠巻きに見ていた別のクラスの子が。

「先生ー!こっちこっち!」なんて遠くの声を聴いた私は、クラスメイトが転んだ直後まで戻った。

わんわん泣くクラスメイトをぼんやりと眺めながら、これは話してはいけないことだと理解できた。

それから私は、この秘密がバレないように、周囲から距離を置きひとりになった。

そして月日は流れ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ