表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アカネさんかく語りき、あるいは…  作者: 藤崎403


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/5

3話

「…………ガガガピピピ」

プシューとドアが開く。アカネさんの指摘通り、確かに何かしらのアナウンスをしているようだ。

完全に雑音のため、音楽なのか、人間の声なのか、男なのか女なのかもわからない。

僕は降りようと一歩踏み出そうと右足をあげ、ふと躊躇する。

このまま降りていいのか?と。

車内から見えるホームは薄暗い。かび臭い。人の気配が無い。蛍光灯は古くてチリチリと音を立てながらチラついている。

「えーい」

気の抜けた声とともに背中に衝撃。

僕はコンクリートのホームに降りた。

「は?」

プシュンと閉まるドア、窓越しに満面の笑みで手を振る(前髪が隠れているため口角で予想)アカネさん。そして

僕一人だけ――――――

「ああ??」

一瞬だけ嫌な目にあった気がする。

「よっと」

ドアが閉まる寸前にアカネさんがホームに降りた。

プシュンとドアが閉まり、ゆるゆると地下鉄が加速し、車両はホームから出て行った。

ガタゴトという音が遠ざかり、ホームには沈黙が満ちた。

「降りるの遅いよ。後が使えてるんだから」

そんな沈黙を破ってアカネさんがのほほんと告げた。

「えっと……?」

僕はそれどころでない。言いようのない気持ち悪さを感じて胸を押さえた。

「ふうむ……?」

アカネさんは一歩一歩確かめるように進む。

壁にかかった時計を見上げて、右手首の腕時計を見た。

「なんかずれてるわね。どっちが正解なのかな……どうしたのたくみくん。不整脈?」

「いえ、そんな持病は無いんですけど……あれ?」

押さえているうちにだんだんと気持ち悪さは消えていく。じんわり、じんわりと。

「なんかよくわからないですね。アカネさん、僕の背中を押しました?」

「……ん~ん。押してないよ」

アカネさんはニマニマしながら僕の顔に向かって手を伸ばす。

「熱でもあるのかい?測ってあげようか?」

「いえ!だいじょ、大丈夫です!!ので!!」

気恥ずかしさを紛らわすように目線をそらすと、ホームの端に上へと続く階段が見えた。

階段の先は暗闇になっているようで、闇に続いているようだ。

「アカネさん、あの階段を登っていけばいいんじゃないですかね。地上に行けば今どこにいるのかとかわかるんじゃないですか?」

「それもいいんだけど、まずはホームのチェックのほうが先じゃない?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ