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神への祈りは0と1とで出来ている ~私の王子様、選び放題?! 恋する☆彡 ロイヤルアカデミー~  作者: さいべり屋
Route:Lucien 花園王子と薔薇の騎士

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Jeune premier/主演男優

 ガシャン、ガシャン、ガシャン。

 ガシャン、ガシャン、ガシャン。


 背後をぴたりと付き従う鎧の音が、リュシアンの神経を逆撫でする。

「……ねえ、どこまでついてくるつもり?」

「どこまででも」

 鎧の返答には取り付く島もない。


「困るよ。こんな重装鎧を従えてたら女の子が怯えちゃうじゃん。それに──」

「あの、リュシアン、様」

 囁くような震え声にリュシアンはハッとした。見れば、小柄な少女が回廊の隅に佇んでいる。

「お話中、申し訳ございません。でもわたくし、どうしても今日お伝えしたいことがございまして……。花を、つけてまいりましたの」

 リュシアンは少女に駆け寄った。髪に挿された小さな花に、キスするように顔を近づけると、大きな瞳に涙が浮かんでいるのがわかる。


「そうなんだ、ごめんね。なんか、この鎧がうるさくて、気づかなくってさ。──リモネラちゃん。花をつけてきてくれて、ありがとう」

 爽やかな花の香を胸に吸い込みながら、少女の肩を抱いて鎧から隠し、視線だけで強く牽制した。

 そのまま少女──リモネラと少し話してから別れ、再び歩き始める。


 ガシャン、ガシャン、ガシャン。

 当然、鎧も着いてくる。

 リュシアンはイライラを止められなかった。


「先ほどのご令嬢は、リュシアン様の恋人ですか」

「まさか。彼女は婚約者と少々すれ違いがあってね。相談に乗っていただけだよ」


 リュシアンはギリリと鎧を睨みつけた。

「お前のせいだよ。彼女に気付いてあげられなかった。お前がガシャガシャうるさい音を立てて、鉄の臭いを撒き散らすからだ。──ちゃんと花をつけててくれたのに」


「しかし、この装備は王太子殿下が──」

 重装騎士は言いかけたが、「善処、します」とだけ言い直した。

 そこでリュシアンはやっと語気を緩めた。


「君、名前なんだっけ」

「ハッ、ローゼンステインと申します」

「固い名前だなぁ。ローゼン…じゃあ、ローズね。君は今からローズ。僕の花園にまだ男は入れたことないけど」

 リュシアンは自分の泣きぼくろに手をやると、悪戯っぽく微笑んだ。なんということのない仕草なのに、絞れば滴るほどの色気を湛えている。


「君は特別。ね」

 第二王子の花園に、異色の鎧が加わった。



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