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神への祈りは0と1とで出来ている ~私の王子様、選び放題?! 恋する☆彡 ロイヤルアカデミー~  作者: さいべり屋
Route:Lucien 花園王子と薔薇の騎士

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répétition générale/ゲネプロ

 リュシアンに従い、たどり着いたのは王立劇場だった。彼は慣れた様子で裏手へと向かい、通用口の扉に手をかける。

 その扉を開ける前に一拍だけ止まった。

「僕は、リュート」

 振り向きもせずにそれだけぽつりと言い置くと、彼は扉を開けて中に入っていった。ローズも後に続いて中に入る。


 薄暗い通用路をずんずん進むと、楽屋口の前で長い髪を束ねた男が駆け寄ってきた。

「リュート、この野郎! やっと来たか、もう駄目かと思った」

「──遅くなった。これ、第三幕。書き直したから」

 リュシアンが丸めた羊皮紙の束をぽんと渡すと、男は声を張り上げて皆を呼び集めた。

 それから、人心地ついたように改めてリュシアンたちを見た。


「リュート、やっとあの妙ちきりんな帽子をやめたのか。今日は随分とマシな恰好じゃないか。──それから、そちらの彼は?」

「冒険者だ。護衛を雇った」

 それだけ言うとリュシアンは舞台袖へ駆けて行った。男とローズも後へ続く。

 ローズは邪魔にならぬよう、観客席の最前列でリュシアンの様子を見守ることにした。



 リュシアンがここで何をしているのかは明らかだった。

 演出家らしい先ほどの男と額を突き合わせて台詞回しの細部まで議論し。

 役者たちに発声方法の指導をし。


 特に、楽団とのやり取りには熱が入っていた。


  ──「ヒロインの音域が思ったより狭い。楽団、ここは半音下げて。……和音がdissonant(気持ち悪い)って? 恋の始まりってそう言うもんだろ?」


  ──「フルート、今一拍遅れたでしょ。でもいいじゃん。それ、採用」



 彼は劇作家なのだ。

 壇上を飛び回り熱弁を交わす彼の顔は、ローズが今まで見た中で一番輝いていた。


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