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à vue/見せ転換
黄昏時の裏通りを、ふたりは歩いていく。
こげ茶の帽子を目深にかぶったリュシアンは、斜め後方を黙って従うローズにちらりと視線を向けた。
ローズが纏っているのは冒険者のような革の胸当てと粗末な防具。すっぽりかぶったマントのフードから、鼻の下までを覆う仮面がちらりと見える。
後ろ暗い経緯で冒険者になった者にはありがちな装いだ。善良な市民なら勝手に目を逸らしてくれる。
要するにお忍びにはもってこいだ。
さらりとこんな服を出してくるあたり、今は王家に使える身とはいえ日の当たる道だけを歩いてきたわけではないのかもしれない。
「また、仮面をつけてるんだね」
「顔を出さぬよう王太子殿下に命じられましたので。おそらく目立つ傷があるからでしょう」
「──ふうん?」
自分で聞いたくせに、さして興味もなさそうだ。大分経ってから、リュシアンはまたぽつりと言った。
「戦士にとっては名誉の負傷だろう」
それからまた、ふたりは無言で歩を進めた。




