第八話 健康的に早寝早起きです~朝ご飯はのんびりクロックムッシュ~
コッチの世界では、街に居ない時は暗くなったら寝て、夜明けと共に目覚める。
昨日は魔力操作と魔法の練習をして疲れてたから、早い時間から爆睡だった。
くうの添い寝も意外と心地よかったしね。
(まっ本人には言わないけどね)
「さて、朝ご飯の支度をしますか」
あちらの世界では、朝は忙しくてトーストかシリアルだった。
実家に帰ればご飯と味噌汁に卵焼きが定番だったけど、流石に一人暮らしで味噌汁は無理だよね。
「時間もあるし『クロックムッシュ』にするかな」
【スーパーサンタ】でパンとチーズとハムと牛乳を買う。
~【クリームクロックムッシュ】~
■材料(2人分)
・食パン(8枚切り):4枚
・ハム:4枚
・ピザ用チーズ:30g
◆ホワイトソース(全量約200g分)
・小麦粉:15g
・バター:20g
・牛乳:1カップ
・顆粒コンソメ:小さじ1
・塩・こしょう:少々
■下準備
・オーブンを180℃に予熱する。
・ハムは2枚だけ半分に切る。
■作り方
◆ホワイトソースを作る
1.フライパンにバターを弱火で溶かし、振るった小麦粉を加え、泡立て器で鍋底からよく混ぜる。
2.全体がなじんでブクブクして粉っぽさがなくなったら、牛乳を4~5回に分けて加え、そのつど混ぜてもったりとしたら火を止める。
【コツ】
加える牛乳は最初は少なく(ほんの少し)、徐々に増やして行くと上手にできますよ。
◆仕上げる
1.全部の食パンの片面にホワイトソースの2/3量を均等にぬり、1枚の真ん中に切っていないハムを1枚のせ、その上下に切り口を外側にしたハムを1枚分ずつのせる。(ハムが2枚乗った状態)
2.別の1枚のホワイトソースを塗った面を内側にして上にのせ、上面に残したホワイトソースを半量ずつぬり、ピザ用チーズを半量ずつ散らす。
3.オーブンシートを敷いた天板に並べて、180℃に余熱したオーブンで約20分焼く。
(前回のチーズトーストは、1枚しか食べられなかったんだよな。今回は8枚切りを2袋買ったけど、足りるかな?)
オーブンの天板には6切れしか乗らなかったから、残りはトースターで焼く。
※オーブントースターの場合は、中が熱くなるまで約7〜8分焼く。焼き上がる前に焼き色がついたらアルミホイルをかぶせる。
どうせなら少し変えようか。
2切れ分のクロックムッシュの真ん中を少し凹ませて生卵をポン。
トースターで焼けば『クロックマダム』だ。
焼き上がるのを待つ間に、コーヒーでも淹れようかな。
くうはアイスミルクで良いかな?
「くう、飲み物はアイスミルクとオレンジジュースと、どっちが良い?」
「私も貴方と同じ、コーヒーでお願いします」
大丈夫かな? と思いつつブラックコーヒーを渡す。
「熱いからね」
「アチチッ」
「ほら言ったじゃないかっ」
「熱いし苦いし、……申し訳ありませんがこれは、好きではない……です」
「でしょ?」
ミルクを追加して、温めのカフェオレにしたら美味しそうに飲んでくれた。
「チン!」
クロックムッシュが焼き上がった。
「チン!」
クロックマダムも焼き上がった。
「熱いから少し待ってからね」
クロックムッシュは半分にカットして、食べやすい様にする。
くうに先ずはクロックムッシュを4枚渡す。相変わらず一口がデカいな。
僕も1切れ食べる。
今度は残りのクロックムッシュに、『はちみつ』を掛けて渡す。
「今度は、はちみつ。甘いのが掛かってるよ」
「これも美味しいし、コーヒーとも合いますね」
(いやそれカフェオレだから。しかも砂糖たっぷりの)
クロックマダムはカットすると卵黄が流れちゃうから、そのまま渡したけど食べにくそうにしてるな。
「卵が滑って食べにくい?」
「……そうですね」
仕方ない。ほら「あ~~ん」
ナイフとフォークでお上品に一口サイズにして、卵を絡めたものを、くうの口へと運ぶ。
(あれ? もしかしてこれ、くうの作戦にまんまと引っかかったパターンか?)
嬉しそうに食べてるし……。考えたら負けだ。
◇◇◇
さて片付けよう♪
早速、昨日覚えた洗浄魔法を使う。
「ソーラ・レイ」は恥ずかしいし、問題がありそうな気もする……。
「レイ・クリーン」
光がチーーー。
食器の上を走ってキレイになった。
これは楽しい♪
キレイになった食器と道具をアイテムボックスに仕舞いながら、くうに聞く。
「まだ何か僕でも覚えられる便利な魔法って、あるのかな?」
「【魔力感知】は便利ですよ。覚えておきますか?」
そうして『くう先生』を膝枕して、魔力の流れで【魔力感知】を教えてもらう。
◇◇◇
「そろそろ分かって来たのではないですか? 試してみてください」
目を閉じて、手を伸ばして気配を感じる。
くうから大きなオーラが出ているのが分かる。
とても優しい光で、キラキラと輝いている。
「これが『くう』の力か」
「ふふふ。森の中を探ってみてください」
手を森に向けると、遠巻きに複数の魔物が居るのが分かった。
「うわっ、魔物がたくさん居る。襲ってこないのは、くうを恐れてるからかな?」
「そうですね。私に勝てぬと思えば、近寄っても来ないですよ」
一人じゃなくてホント良かったです『くう』さま。
思わず『くう』をナデナデすると、鼻先を摺り寄せられた。
「さて、これからどうしようか?」
「このまま膝枕でお昼寝も良いですが、少し気になる気配も感じます。川向こうの国に行ってもよろしいでしょうか?」
(――やっぱり『指導』じゃなくて『昼寝』なんだ)
「どうやって川を越えるの? また『ダッシャー』に乗って登場でもしたら……。『ブルブル』考えただけで面倒だよ」
「心配はいりませんよ。かの国は大丈夫です」
(……ん?)
ファサと翼を翻し『ダッシャー』が現れた。
僕も『アンセル』に戻る。
「行くぞ。乗れ」
首根っこを捕まれて背中にポイッと乗せられた。
『くう』とは大違いだな。
空に駆け上がりながら笑った。




