表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
68/90

第六十八話 リリーの豪邸と比較してはいけません~朝食はハニートースト~

 さて、まずはハニートーストだ。

 巣蜜コムハニーをリリーの子供サイズに小さく切って、自分たち用には少し大きめにカットだ。


 厚切り食パンに格子に切れ込みを入れて、バターを塗り塗り、溝にもぎゅっぎゅっ。

 トースターで格子の角がこんがりと色づくまで焼いたら、急いで取り出してアイスを乗せたら、上からはちみつをとろぉ~り。



~【ハニートースト】~

■材料(2人分)

・食パン:2枚(厚さ4〜5cm)

・有塩バター:40g(1枚につき20g)

巣蜜コムハニー:大きめの塊2つ(各トーストに1つ)

(はちみつなら大さじ3~4杯)

・トッピング:バニラアイス、ミントの葉

■下準備

1.バターを常温で少し柔らかくしておく。

2.トースターを1〜2分余熱する。

■作り方

1.厚切りパンの表面に、縦・横に3本ずつ深い格子状の切れ込みを、底から1cm手前まで入れる。

2.バターの半量ずつを表面に塗り、パンの切れ込みの溝にもバターナイフを使ってギュッギュと奥まで押し込む。

3.トースターに2枚並べて入れ、5分〜7分焼く。

※バターがじわじわと泡立ち、角やフチが、こんがりと「カリカリ」になるまでしっかり焼く。

4.焼き立ての熱々トーストをすぐにお皿に移し、パンの中央に巣蜜コムハニーを大きな塊のまま贅沢に乗せる。

※お好みで、バニラアイスとミントを添えて召し上がれ!



 美味しそうなバターの香りと、甘いはちみつの香りにベルちゃんとらんちゃんが起きて来た。


「ママぁ、お腹空いたの」「美味しいの……むにゅ」

「おはよう、すぐに出来るからもう少し待ってね」

「「はぁぁぁい」」


 くうの背中に「ポン」と乗せる。


「くう、ちょっとこの子たち見ててね」

「お任せくださいませ。私にとっても可愛い子供たちです」

(あ、はい)



 さぁ、急いでご飯の支度をしなくっちゃ――。


 リリーの子供たちには、ゴールドの縁取りが美しい、バラ柄の小さなケーキプレートを用意した。

 白磁のお皿の上に、ローヤルゼリーをスプーンの背で「くるっ」とを描くようになぞる。レストランのシェフがソースでお皿を彩る――『バルブ・デコレーション』のように、お皿には美しい乳白色の曲線が描かれた。

 真ん中に小さくカットした巣蜜コムハニーをあしらう。

 仕上げに、色鮮やかな花粉をパラパラと散らし、天辺てっぺんへプロポリスの雫を一滴落とした。


 まるで三つ星レストランの高級デザートのような、お洒落で華やかな一皿が完成した。


「うん、我ながら可愛い」


 リリーのお家の1階、ダイニングテーブルに用意したカトラリーレストに、ミニチュアのナイフとフォークをセットする。

 お揃いの柄のティーカップに、大理石の水盤から汲んできた『守護の聖水』を満たせば、準備は完了だ。



 僕たちには、アイテムボックスから取り出した、テーブルとキャンプチェアを用意した。


「なぁんか雰囲気違うんだよな……」


 形から入る僕は、リリーの豪邸を前に自分たちの道具を見て、少し寂しい気持ちになった。


(いや、別にこれはこれで良いんだけどね……)


 それでもテーブルクロスを掛けて少し気分を上げてみる。


「キャンプで使ってたテーブルクロスだから、やっぱりちょっと違うんだよな」

「何が違うのですか?」

「あぁ、何でもないんだよ。ちょっとリリーたちとの生活の差が見えちゃったなぁと思っただけだよ」


「ですが、リリー殿のお家はアン様がお買い求めになられたのですよね?」

「それはそうなんだけどね。うん、確かにそうだ。変なこと言ってごめん」


 お皿に乗った熱々のハニートーストの上に、アイスクリームを乗せた。



「みんな、お待たせ。朝ご飯の用意が出来たよ」


「わぁ……! ありがとうございます、アンおねえちゃま!」

「とても美しい。それでいて美味しそうとは!」


 子供たちが目をキラキラと輝かせて、テーブルの上に並べられた巣蜜コムハニーを見つめた。


「さぁ、お行儀よく座って頂こうじゃないか」


 ホワイト(ガトー・ブラン)が優しく嗜める。


 ガタガタタン、ガタガタ――。


 リリーを含めた全員がダイニングの席についた。


 リリーにはパフェグラスに入れたローヤルゼリーを用意した。子供たちと同じ巣蜜コムハニーを用意しようと思ったけど、またしても頑なに断られた。


「まだよ。母として、女王としての責務があるもの。でも明日になれば何でも食べられるかも知れないわ」

「そうなの? 一段落つくってこと?」

「ふふ、どうかしらね」


 あまり突っ込むとまた嫌がられるかも知れない。拒絶されるのって辛いのね……。冒険者ギルドのルシアンさんに少し優しくしようと思った。


「では皆さん、手を合わせてください。いたぁだきます!」

「「「いたぁだきますっ!!」」」


 くうが待ちかねた様に食べだした。


「パク。……ふぁふっっ!?」

「ほら、だから急いで食べちゃダメっていつも言ってるでしょ?」

「はい、お手を煩わせて申し訳ないのですが、少し小さく切って頂いても?」

「じゃあみんなの分も全部カットしちゃうね」

「きゅぅぅい」「チリンリンリン」


 ちょこんとキャンプチェアに座った二人が、弾む様に答える。


 ナイフを手に、熱々のハニートーストの上に乗った黄金色の塊に刃を当てる。


 ――サク、むにゅ。


 出来たばかりでまだ柔らかい巣の、白い壁が心地よく破れる。六角形の小部屋が少しだけ潰れて、閉じ込められていたはちみつが「じゅわぁぁっ!」と厚切りパンの格子状の溝へと吸い込まれていった。


「ほぉぉぉ、これはたまりませんね!」

「食べるの」「欲しいの」


 少し潰れてとろける巣蜜コムハニーを、パンごとザクッと切り分けて、くうのお皿に戻す。

 全体にバニラアイスが絡みつき、少しは冷めたはずだ。


「お待たせ。召し上がれ」

「頂戴いたしますっ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ