第六話 スーパーサンタでお買い物~ガリバタチキンを召し上がれ~
――【スーパーサンタ】――
「こんなの今まであったかな?」
(これも創造神様との通信手段だろうか?)
無視する訳にもいかず、ピコンピコン点滅する【スーパーサンタ】の文字を[ポチッ]とする。
「もしもし~?」
――あれ? 画面が開く。
画面の中に馴染みのある商品が陳列されている。
(っ! スーパーサンタって【スーパーマーケット】のことかっ!)
試しに店内一番最初にあるフルーツの陳列棚から『レモン』を選ぶ。
続けて『レタス・キャベツ・ブロッコリー』と『きゅうり・玉ねぎ・しめじ』を選ぶ。
1つ選ぶごとに右下に現れた数字が増えていく。
『キャベツ』を戻すと数字が減った。
「なるほど、合計金額だ」
数字の下の[会計]をポチ。
【残高が足りません。お金を入れてください】がピコンピコン点滅する。
(お金か……。さっきギルドで受け取ったのがあるけど、僕のじゃないもんな。でも、お金が手に入ったから【スーパーサンタ】が現れたってことか)
「『くう』、食材の買い物が出来るみたいなんだけど、お金が必要なんだ。魔物の買い取り金を使っても良いかな?」
「私が持っていても使い道もありません。魔物をギルドで買い取りして貰えることが分かりましたので、いつでも狩って来ますよ。全て貴女のお好きにしていただいて構いません」
(それじゃあ僕が貢がせてるみたいじゃないか。でも実際のところ、僕じゃあんな魔物は狩れないしね)
「そう言うわけにも行かないけど、使わせて貰うよ。ありがとう」
麻袋から金貨を1枚取り出して、投入口に入れる。
[レジ袋購入][マイバッグ][マイカゴ][段ボール][不要]のチョイスが現れた。
普段マイカゴ派の僕は迷わず[マイカゴ]をポチ。
[マイカゴをお買い上げしますか?]
(有料か、そりゃそうだよな)
[お買い上げ]の右側に[マイカゴをセットしてください]とある。
(手持ちのカゴが使えるのか?)
部屋に置いてあったから、もしかしてとアイテムボックスを探すと見つかった。
「マナ・レクス様、ありがとうございます」
カゴを画面に近づけると吸い込まれた。
「おぉぉぉぉぉ! どうなってんだ?」
気の小さな僕は、スーパー別にそのお店のカゴを持っていて、実は4種類も持っている。
スーパーサンタのカゴにも興味があったから、次は買おうかなと思った。
さて、今度こそ[会計]をポチ。
「ドンッ」
今ポチッた商品が[マイカゴ]に入った状態で目の前に現れた。
(何これ? メチャ便利じゃん。マナ・レクス様、ありがとうございます!)
お肉は手に入ったけど、この先どうやってお肉以外の食材を手に入れるか迷ってたんだ。またどこかの国に行って、お店を見て回ってから考えようとも思ったけど、前回のトラウマでちょっと慎重に国を選びたい。
それに、この世界の食事情はあまり良くないと、最初に聞いていたからね。僕もだけど、ダッシャーが美味しい食事を期待してるから、手に入る食材次第で作れる物が限られるのも悩みだった。
でも、この『スーパーサンタ』があれば無敵だ!!
お金は『くう様』頼みだけど……。
さて、安心したところで『くう様』の視線も痛いし、ご飯の仕度をするかな。
いつも通り僕と合わせて6人分で足りるかな。
~【ガリバタチキン】~
■ 材料(2人分)
・鶏もも肉:1枚(約300g)
・にんにく:2片
・小麦粉:大さじ1
・塩、胡椒:少々
・サラダ油:小さじ1
・バター:15g
◆合わせ調味料
・醤油、酒、みりん:各大さじ1
・砂糖:小さじ1
◆添え物
・赤パプリカ:1個
・しめじ:1袋
・パセリ:適量
・フライドガーリック:適量
■下準備
1.パプリカはヘタと種を取り除き、ザク切りにする。
2.シメジは石づきを切り落とし、小房に分ける。
3.ニンニクはみじん切りにする。
4.<合わせ調味料>の材料を混ぜ合わせる。
5.肉は食べやすい大きさに切って塩コショウし、出てきた水分をしっかりふき取る。焼く直前に小麦粉を全体にまぶす。
■作り方
1.フライパンにサラダ油とニンニクを中火で熱し、香りが立ったら鶏肉の皮を下にして並べ、3~4分は触らずに皮がパリッとするまで焼く。
2.裏返して更に2~3分弱めの中火で両面にこんがり焼き色が付くまで焼く。
3.赤パプリカ、シメジを加えて炒める。
4.余分な油をキッチンペーパーでしっかりとふき取る。
5.<合わせ調味料>とバターを加え、全体をからめながら炒め合わせ、器に盛ったらパセリとフライドガーリックを添えて完成!
サラダは簡単に、先ずは冷凍してあったハムを常温に置く。
ブロッコリーは良く洗って、もさっとした蕾の部分は小房に切り、茎は皮を厚めに剥いたらスライスする。
本来なら火を熾して鍋で茹でるところだが、僕にはレンジがあるのだ。
水気の付いたままのブロッコリーを『アイラップ』に入れて、600wのレンジで3分チンする。
水にさらすと栄養分が流れるから、そのまま荒熱が取れるまで放置。
レタスときゅうりは軽く洗って、レタスは一口大にちぎり、キュウリは2~3ミリの輪切り。
昔から料理は好きだけど決して器用ではない。ゆっくりとした手つきで包丁を使って行く。
ハムを一口大に切ったら、全部を混ぜ合わせて野菜サラダの完成!
ガリバタチキンを大き目のボウルに盛って、フライドガーリックをトッピング。サラダは中くらいのボウルに取り分けて、ゴマドレッシングと『味ゴマ』を振ったら出来上がり。
「くう、お待たせ」
「おぉ、これは美味しそうな匂いですね。食欲をそそられます。ますますお腹も空きましたし、遠慮なく頂戴いたしますね!」
自分用にバゲットをカットしてチキンを乗せたらパクり。
「「美味しい」」
「異世界まで来てベジファーストも無いけどさ」
と言いながらサラダを食べる。
「くうもサラダ食べてみてよ」
「サラダと言う物は、これまで食したことが無いのですが……」
「ガリバタチキンもだよね。口がさっぱりするよ。体にも良いから」
「ぬぬ……」
渋々感満載に口を付けたと思ったら、バクバク食べてるじゃないか。
「ほら美味しいでしょ」
「なるほど、おっしゃる通り美味しいですね。お肉もサラダも美味しかったですが、贅沢を言わせて頂けば少し量が足らないですね」
「くうもバゲットに乗せて食べる?」
まだ少し残っていた僕のお皿から取り分けた、ガリバタチキンをバゲットに乗せて……。
くうのお皿に置く前に「パクッ」僕の手から食べやがった……。
「……あ~んかよ」
「次からは私も貴女と同じ物を食させて頂きたいと思います」
へいへい、分かりました。
バゲットも美味しかったんだね。




